めまぐるしく変化を続ける金融環境の中で、経営目標を達成するために、これまで以上に収益性を重視した有価証券運用が求められており、これを支える業務システムへの重要性が高まっております。本システムは、これまで日立が培った資金証券業務ノウハウに最新の情報技術を組み合わせた信頼性・拡張性・柔軟性・保守性に優れた業務システムです。多様化する商品への柔軟な対応、効率的な事務処理を支援します。
規制緩和の進展や金融技術の発達により、様々な運用対象商品が登場しております。こうした環境下で、収益機会を積極的に捉えるために、幅広い商品を柔軟に管理できる業務システムの導入が不可欠となっております。
「STPCARUS」は、きめ細かいキャッシュフロー管理、商品横断的なリスク管理を可能とするDB構成を採用することで、将来に亘って、円滑かつ効率的な業務遂行を実現致します。
証券決済制度改革に代表される市場インフラの整備進展や四半期決算の法制化により、証券関連業務における事務処理プロセスは大きく変化しております。
「STPCARUS」は、これらの変化に対し柔軟に対応しており、制度改正への迅速な対応はもちろん、お客さまに導入しやすいシステムであるため、使い勝手の向上や機能の強化を図り続けています。
日立では、1985年より資金証券システムの開発、販売を開始しております。これまでの資金証券システム開発、導入から運用までのサポートノウハウを結集し、金融機関のニーズに適合したシステムを提供しております。
また、お客さま同士の情報交換の場として、製品をお使いのお客様を対象としたユーザ会を定期的に開催しております。弊社からは、資金証券業務に関する最新情報、それに伴う製品のバージョンアップ情報をご提供し、お客さまの業務運用をサポートしております。
「STPCARUS」は市場部門におけるバック業務の全般をカバーする18のサブシステムで構成されるオールインワンのシステムです。お客様のニーズに合わせて必要なサブシステムを組み合わせることが可能ですので、コンパクトなシステムから始めて、段階的に業務を拡張したいといったご要望にも対応致します。
業務 | サブシステム | 対象商品機能 |
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国内証券 | 国内有価証券 | 国内債券(仕組債、流動化商品含む)、レポ、新現先、株式、投資信託(ETF、REIT含む) |
NCD | NCD(流通、発行) | |
CP | 電子CP(流通、引受)、手形CP(流通、引受) | |
国内債券先物 | JGB債券先物 | |
国内債券オプション | JGB債券先物オプション、債券店頭オプション | |
国内株式先物オプション | 株価指数先物・オプション、株券オプション | |
国内金利先物オプション | 金利先物・オプション | |
外国証券 | 外国債券 | 外国債券(ユーロ円債、仕組債含む) |
外国株式・投資信託 | 外国株式、外国投資信託 | |
外国先物オプション | 外国債券先物・先物オプション・店頭オプション、外国株価指数先物・オプション、外国株券オプション | |
外国金利先物・オプション、通貨先物・先物オプション、通貨オプション | ||
スワップ | スワップ | 金利スワップ、通貨スワップ |
複合商品 | スワップション、キャップ・フロア、カラー、FRA | |
資金 | 短期資金 | コール、手形、預け金、借入金(日銀、その他)、ユーロ円 |
ミドル | 市場リスク (分散共分散/ヒストリカルVAR算出) |
金利・株価・為替をリスクファクタとした最大予想損失額(VAR)を計測 VAR算出結果の事後検証(バックテスト) |
市場リスク (ストレステスト、感応度分析) |
金利・株価・為替といったリスクファクタの変動によるマーケットインパクト(有価証券保有資産の株価変動額)を計測 | |
残高損益シミュレーション | オンバランス商品を対象とした期間別の残高推移や損益・リスク状況等の各種計数を把握 | |
取引相手エクスポージャ | 取引相手毎に資金運用商品のクレジットライン(残高枠及び評価枠)とそのエクスポージャを照会 | |
業務共通 | 業務共通 | マスタ管理、マーケットデータ管理、評価ロジック、勘定仕訳管理、資金繰り管理、決済管理、運用管理 |
時価管理(標準サポート:QUICK、NRI、日経メディアマーケティング、Bloomberg) |
<特長(1)-リモート保守サービス->
お客さまの事務センタ内に設置したサーバと「STPCARUS」サポートセンタ内のリモート接続ルームをリモート回線で接続し、情報収集、状況確認、対応プログラムの提供など、迅速な回答・対応を行います。リモート保守専用線から保守情報 (ソフトウェアのバージョン、各システムのエラーログ等)を即座に確認することで、 リアルタイムに不具合の原因調査を実施。 早期にトラブルを解決し、ダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。
<特長(2)-EUCツール->
四半期決算、月次決算の対応や監督官庁への資料を作成するためには、定型的な業務機能に加えて、取引・市場データの柔軟な抽出・検索・加工が必要となります。「STPCARUS」はEUCツール(お客様主体でSTPCARUSに保存されたデータベースの情報を抽出できる機能)を標準装備しております。附帯業務の事務負荷軽減を実現いたします。