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概要

「顧客をよく知る(顧客インサイト)」「業務の効率性と正確さの追求」「内部統制・コンプライアンス対応の強化」などの課題に応えるべく、各金融機関は、行員が業務で使用する画面インターフェースのあるべき姿について、さまざまな議論や検討を行っています。そこには「顧客視点での画面構成」「業務フローのナビゲーション」「定型判断を自動化した画面遷移」など共通した視点があります。

顧客視点での画面構成

現行のシステムが業務分野ごとに縦割りであるために、どのシステムの画面を呼び出しても「顧客情報の一断面」しか見ることができない、という状況が多く見受けられます。しかし、業務ユーザーは、特に顧客接点でシステムを使う場合、まず最初に顧客のアウトラインをざっと確認するため、「顧客情報を俯瞰したサマリー」を見たいというニーズが強いようです。また、業務処理を円滑に行うために、各業務システムの「入り口」がバラバラにあるのではなく、「顧客情報画面を起点に各業務に遷移する」ようにしたいというニーズも強いです。これらは、「顧客志向の強化」「業務処理の効率化」にとって重要な観点であるため、今後は、業務処理のスタートに「顧客情報を俯瞰したサマリー画面」を置き、その画面上の情報項目を選択すると「該当する業務システムの画面」に遷移する、という業務システム横断の画面構成が求められてくると思われます。

業務フローのナビゲーション

現行のシステムは、ある業務処理を行うために「複数のシステムを操作」しなければならない、という状況が多く見受けられます。しかし、これは業務ユーザーにとって煩雑な操作であるため、1本の画面遷移で業務処理を完結出来るようにしたいという根強いニーズがあります。また、業務の多様化・複雑化にともない、ユーザーの業務処理品質の一定水準での平準化は大きな課題となっており、画面上に「業務フローチャートの案内」「事務要領やノウハウの案内」が欲しいというニーズも高まっています。これらは、「業務処理の効率化・正確化」「技の共有・伝承」にとって重要な観点です。そのため今後は、業務フローごとに「関連システムを束ねた1本の画面遷移」を用意し、画面の一部に「業務フローチャートの進捗や事務要領・ノウハウ」を表示するという業務システム横断の画面遷移が求められます。ただし、ベテランユーザーにとって、「ナビゲーション」は煩わしいものかもしれません。ベテランユーザーへの配慮(画面遷移のショートカットなど)も必要となるでしょう。

定型判断を自動化した画面遷移

現行のシステムでは、なんらかの情報を参照し、一定のルールの元に判断するプロセスは、「人間任せ」になっている、という状況が多く見受けられます。しかし、「特定の情報に基づく定型判断」のシステム化は可能です。人間任せならば一定の事務負荷やオペレーションリスクの温床になるところを、システムに委ねることで「業務処理の効率化」と「業務処理の正確化」が促進されます。そのため、従来はシステム化対象範囲の外にあった「定型判断」をシステム化し、判断に応じて選択される次工程画面に自動遷移させて欲しいというニーズも高まりつつあります。これらは 、「業務処理の効率化・正確化」「内部統制・コンプライアンス対応の強化」にとって重要な観点です。今後は、従来の業務フローの中の「定型判断」と「それに必要な情報参照」のプロセスをシステム化し、判断の前工程の画面からすぐに「判断に応じた次工程の画面」を表示するという、画面遷移が求められてくると思われます。

日立の取組み

これらの業務画面インターフェースを実現するには、実際の業務シーンでの業務実態の細かな流れの把握と分析が必要です。また、単にロジカルな視点からの検討だけでなく、「ユーザーの立場での使い易さ」の視点からの検討も必要です。さらに、これらの検討結果をきめ細かに実現する開発力も必要でしょう。
日立では、長年培ってきたSOA連携基盤技術やビジネスプロセスモデリング技術、さらにはシステム利用者のエクスペリエンス(経験価値)向上とプロジェクト参加者のエクスペリエンス向上を同時にめざす「エクスペリエンス指向アプローチ」という独自の設計手法を駆使し、コンサルテーションからシステム開発まで総合的に、新しい業務画面インターフェース造りをご支援いたします。