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株式会社 東京金融取引所

取引所為替証拠金取引/取引所株価指数証拠金取引の構築事例

取引所為替証拠金取引/取引所株価指数証拠金取引の
24時間ミッションクリティカル稼働を支える日立のプラットフォーム製品群とアウトソーシングサービス

株式会社 東京金融取引所(以下、東京金融取引所)は2010年11月、個人投資家が証拠金を元手に日経平均株価(日経225)をはじめ、世界の主要株価指数を対象とした取引を行うことができる取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」を上場しました。
すでに多くの投資家から高い評価を得ている取引所為替証拠金取引(FX※1)「くりっく365」と同様、そのミッションクリティカルなシステム基盤には、日立のエンタープライズサーバ「EP8000」、ディスクアレイサブシステム「Hitachi Universal Storage Platform V(以下、USP V)」をはじめとする高信頼プラットフォーム群を適用。「JP1」、「Cosminexus」、「HiRDB」などのオープンミドルウェアとの連携により、24時間連続稼働を可能とする高性能・高拡張な基幹システムが実現されています。
システム運用には日立のデータセンターによるアウトソーシングサービスが採用され、金融デリバティブの総合取引所として躍進する東京金融取引所のビジネスを日立がトータルにサポートしています。

  • ※1 Foreign Exchange

日本初の金融デリバティブ専門取引所

 1989年、金融先物取引法に基づいた日本初の金融デリバティブ専門取引所としてスタートした東京金融取引所は2004年4月、金融機関を会員とした法人から株式会社へと組織形態を転換しました。投資家の求める商品をタイムリーに開発する体制を一段と強化する一方、欧米の主要取引所で使用されている最新鋭システムの導入や、公正・透明な市場創設を求める声に対応した国内初の取引所FX「くりっく365」を開設するなど、グローバルスタンダードを視野に入れながら、金融業界に本格的なリスク管理手段を提供するための幅広い施策を展開してきました。
 さらに2007年9月の金融商品取引法の施行にともない、金融デリバティブの三大分野である金利・為替・株式をすべてカバーする「金融商品取引所」へと業態を進化させ、国内のデリバティブマーケットをけん引する大きなプレゼンスを確立しています。
 幅広い投資家ニーズに応える魅力ある商品ラインアップの中でも、東京金融取引所の名を世に知らしめたヒット商品の1つが、2005年7月に上場された取引所為替証拠金取引「くりっく365」です。投資家から預かった証拠金を全額東京金融取引所に預託することで投資家の証拠金を保護しています。また、マーケットメイカーと呼ばれる金融機関が投資家の売買注文の相手となる完全マーケットメイク方式※2を採用し、ダイナミックに変動する為替相場の中で、投資家に最も有利な価格が提供される公正・透明な仕組みと、一律20%の申告分離課税による優遇税制などが大きな特徴となっています。

  • ※2 マーケットメイカーである複数の金融機関から価格の提供を受け取引する方法

FX市場拡大にともないシステム基盤の強化が課題に

 「FXといえば店頭取引が隆盛だった時代に、取引所FXとしてゼロからスタートした“くりっく365”でしたが、その優れた商品性と、投資家の皆さまが安心して取引できる環境への認知度が高まるにつれ、市場が急速に拡大してきました。当初は月間累積出来高が1万枚未満だったのに対し、上場3年後の2008年10月で588万枚、2010年10月には888万枚にまで伸びています」と語るのは、「くりっく365」の商品企画と開発に携わったシステム部 システム企画室長の延岡 利彦氏です。
 延岡氏によると、当初はマーケットメイカーが3社、取扱会社が5社からスタートした「くりっく365」は、5年を経たいまマーケットメイカー6社、取扱会社23社にまで拡大しているとのことです。取り扱い通貨ペアも当初の4通貨から23通貨へと拡大し、選択肢が広がる中で取引量も右肩上がりの急成長を続けています。
 「当社では“くりっく365”の上場時、コストと開発期間を重視してWindows Server®ベースでシステム基盤を構築しました。しかし取引量の急増により、それに合わせた処理能力の確保だけで精一杯の状況となってしまったのです。さらなる取引量の拡大や、新しい諸制度に合わせた機能追加を図りつつ、お客さまの収益機会を一瞬たりとも空白にしない信頼性も担保していくには、システム基盤の抜本的な改革が必要だと判断しました」と延岡氏は振り返ります。

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