OTデータ収集機能を強化し、生産現場のさまざまなIT/OTデータをノーコードで容易に収集・統合処理
2025年5月23日
株式会社日立製作所(以下、日立)は、IoT/データ利活用を支援する「Hitachi Intelligent Platform(以下、HIPF)」と株式会社たけびし(以下、たけびし)の「デバイスゲートウェイ」を連携させた技術検証を行い、ノーコードでメーカーや世代の異なる産業機器のOTデータをクラウド上に収集できることを確認しました。本検証に基づき、両社製品を組み合わせ、生産業務の品質・リスク管理の高度化を実現する製品トレーサビリティソリューションを本日より提供開始します。
本ソリューションは、ERPの生産計画やMESの品質管理などのITデータだけでなく、生産設備の稼働状況やセンサー情報などのOTデータも活用した高度な製品トレーサビリティを容易に実現します。また、日立のAIの知見・ノウハウを活用し、AIによる追跡作業の自動化や製品不良の予兆検知などを行うことも可能です。
製造業を取り巻く環境が大きく変化する中、IoTやAIなどを活用したDX推進の取り組みが浸透し、生産現場から経営管理までのさまざまなデータの統合、可視化、分析が行われ、データに基づく迅速な経営判断や継続的な業務改善につなげています。このような取り組みを持続的に推進するためには、生産現場や業務システムに点在するさまざまなIT/OTデータを効率的に収集、統合することが重要です。一方、生産現場で使われているさまざまな機械やロボットは、種類やメーカーごとに通信プロトコルやデータ項目が異なるため、それらのOTデータの収集や有効活用の難しさが問題になっています。
HIPFは、日立の豊富な成功事例をベースにDX戦略の構想策定から、データ利活用基盤やデジタルツインの構築、適切なセキュリティ対策や運用管理までワンストップで支援するサービスです。また、三菱電機製品を中心とした産業用電機・電子機器を取り扱う技術商社であるたけびしのデバイスゲートウェイは、生産現場の情報を取得しIoT サービスへ橋渡しする製品で、PLC*1やセンサー、水道設備や電力設備、ビルディングオートメーション分野の機器など170 シリーズ以上の産業機器に対応しています。今回、HIPFのデータ収集機能の1つである「Hitachi Data Hub*2」がたけびしのデバイスゲートウェイと連携することで、これまで個別開発に時間がかかっていた、工作機械やロボット、PLCなど産業機器のOTデータの収集もノーコードで容易に行えるようになります。
さらに、生産現場デジタルツイン化ソリューション「IoTコンパス*3」と高速データアクセス基盤「Hitachi Advanced Data Binder (HADB)*4」を用いて、収集したIT/OTデータと製造プロセスをひも付けることで、工場内を流れる仕掛品や商品の状態をタイムリーに把握できるようになります。データの対象範囲を工場全体に拡張することで、各部品の仕入先、組立方法などの作業方法、検査内容、完成した製品の納入先まで追跡できる高度なトレーサビリティシステムを構築できます。これにより、迅速で効率的な不具合原因の調査(トレースバック)や影響範囲の特定(トレースフォワード)を実現し、品質管理の向上や適正なリコール範囲の特定などリスク管理の強化に貢献します。
今後も、日立は、たけびしとの連携を深めることで、クラウドを活用した生産現場全体のデータ可視化やAI活用、デジタルツインの構築など製造業のお客さまのDX推進に貢献していきます。
記載の会社名、製品名などは、それぞれの会社の登録商標もしくは商標です。
以上