ACR(Autonomous Case-handling Robot)
読み:エーシーアール

ACR(Autonomous Case-handling Robot)はケース単位で入出庫や搬送を行う自律走行型ロボットで、とくにEC、アパレル、医薬品など、多頻度・小口出荷が求められる現場での活用が広がっています。
ACRは「GTP(Goods to Person)」と呼ばれる物流設計思想に基づいたシステムで、作業者が移動せず、ロボットが商品を作業位置まで運ぶことを想定しています。ACRは高層ラックなどから必要なケースを取り出し、作業現場まで搬送することで、作業者が移動することなく効率的な運用ができるという特徴があります。
ACRを導入する主なメリット
- 上昇下降機能によるラック移動が可能なため、立体的な空間活用を行うことができます。
例えば、天井高が4-5m以上ある、超高層ラックを運用するような自動化倉庫においては、パレットやケースを横に広げないで済むため、保管効率・作業効率が大幅に引き上がります。 - 動作パターンや運行ルートなどの設定の変更が可能で、倉庫の規模拡大や運用変化に柔軟に対応することができます。
また業務安定性にも優れており、複数台のACRを導入している場合においては、1台の機能停止やメンテナンス時、別の現場で使用する必要性が発生したとき等、すぐに対応することができます。 - ACRは自律稼働による移動が可能なため、区画にとらわれない運用が可能です。業務プロセスの変更や、台数変化、ラックの増減の対応もシステムを切り替えるだけで直ぐに対応ができます。
また防火区画を跨いだ移動なども可能で、庫内設計上の物理的な制約条件下においても効果を発揮します。
ACR・AGV・AMRとの違い
項目 | ACR(Autonomous Case-handling Robot) | AGV(Automated Guided Vehicle) | AMR(Autonomous Mobile Robot) |
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主な特長 | ケースやコンテナ単位での自動ピッキング・搬送 | 決められたルート上での荷物搬送 | 自律的なルート選択による柔軟な荷物搬送 |
主な走行方式 | センサーやカメラで自律走行、最適ルートを選択 | 磁気テープやマーカーなどに沿って走行 | センサー・地図作成による自律走行 |
参考文献
- 日通総合研究所,ロジティクス用語辞典,日経BPマーケティング(日本経済新聞出版),2007,P.166
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