ページの本文へ

Hitachi

最適化技術でコンテナ荷役の各種意思決定を自動化し、港湾のコンテナ処理能力を向上

三井倉庫株式会社

業種
その他
業種領域
物流

課題背景

  • 日本の国際貿易量のうち海上貨物輸送は99.5%を占めており、また海路と陸路をつなぐ港湾は重要な社会インフラである
  • 港湾では現場の熟練者の経験と知見を頼りに陸海を意識した荷役作業手順計画を立案しているが、円滑な対応が難しくなってきている
  • 海路では、輸送量の増加や新型コロナや戦争などの国際情勢変化で生じるサプライチェーンの変化への対応が求められるとともに、陸路ではトラックの待ちが引き起こす渋滞と、ドライバーの労働問題が深刻になっている

成果

  • 国交省のプロジェクトに参画し、実用化に向けた開発、検証に取り組み、国内の港湾を皮切りに2026年より順次展開をめざす

ソリューション導入のポイント

日本の国際貿易量のうち海上貨物輸送は99.5%(トン(t)ベース、2021年時点)を占めています。海上輸送と陸上輸送の結節点である日本の港湾では、限りある用地面積を有効活用するため、荷上げされるコンテナの積段数が高くなる傾向にあります。コンテナの配置は、搬出される回数やタイミングを考慮して計画されますが、貨物量の増大や、コンテナ貨物情報が刻々と変化することなどから、その計画立案は複雑になっています。
コンテナの配置計画や荷役作業手順の計画は、熟練した計画立案者(以下、プランナー)の経験と知見が頼りのため、デジタル技術を活用した作業計画立案のさらなる高度化が求められています。日立と三井倉庫株式会社は、港湾におけるAIによるコンテナ配置計画や荷役作業手順計画を基に、ターミナル運営を効率化する技術の開発に取り組みます。

AIを活用して自動で計画立案

本技術開発では、三井倉庫のコンテナターミナル運営のノウハウを活用しながら、コンテナ貨物の特性などのデータを基に日立が保有するAIでコンテナの搬出日予測、コンテナ配置計画と荷役作業手順計画を立案し、三井E&Sが開発する荷役シミュレーターを用いてそれらの計画の効率性を検証・評価しています。
具体的には、港湾における貨物や荷役作業の各種データから、AIを活用してコンテナの搬出日を予測し、それに基づいた最適な配置計画と作業手順計画を立案。立案された計画を基に、シミュレーターで仮想空間での荷役作業を行い、荷繰り回数や外来トレーラーの待機時間の削減量など、効率性の定量評価を行います。評価に基づいてAIのパラメーターを変更し、計画の精度を高めていく計画です。

シミュレーション評価によりコンテナ搬出作業の所要時間を大幅に削減

コンテナの配置計画や荷役作業手順計画など一連の意思決定を複数の分析モデルが連携して行い、全体最適を図ることにより、シミュレーション評価では、外来トラックのコンテナ搬出までの所要時間を大幅に削減できることを確認しました。(のべ30時間/日、6600時間/年)

計画最適化ソリューションに関するお問い合わせ