ベトナム郵便
日立は、ベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)全土の郵便事業を中心としたデジタル化に向けて、ベトナムの国営企業であるVietnam Post (以下、ベトナム郵便)のデジタルインフラ構築と物流DXの実証を開始します。 具体的には、ベトナム郵便がDXを進めていく上での、デジタルインフラの中核となるデータベース構築をめざし、業務ごとに分散している配送・車両・顧客などに関するデータの中から、格納するデータの選定や、統合・分析方法、利活用のユースケースを検討します。また、現在の中核事業である郵便・物流において、日立独自のCMOSアニーリングを活用することで、大規模かつ複雑なデータの中から、最適な配送計画を作成し、物流業務の効率化を検証します。
ベトナム郵便は、地理情報、配送ルートや車両情報など多岐にわたるデータを、それぞれ紙や業務ごとの個別システムで管理しており、データの一元管理や多様なデータを組み合わせた分析・利活用に課題を抱えていました。今回、日立のデータ管理・分析ソフトウェア群であるPentaho※を活用し、格納対象とするデータを選択・統合・可視化することで、散在するデータの収集・管理方法や、データの活用方法などを検討します。
これにより、配送の最適化といったデータの利活用を進め、ベトナム郵便の中核事業である物流においては、膨大な組み合わせの中から最適な組み合わせを高速で探索するCMOSアニーリングを活用することで、最適な配送計画を作成し、人員や輸送車両の適正化など効率的な配送を実現します。
従来、配送計画の作成は、配達員のノウハウと経験に頼っており、その属人性や配達効率の改善が課題でした。日立独自のCMOSアニーリングを活用することで、配達員の人数、車両のサイズ、台数、配送ルート、配送のタイミングなどを考慮した最適な配送ルートを自動作成します。
まずはスモールスタートで実証を行い、今後ベトナム郵便の全拠点に拡大することをめざします。また、将来的には、CMOSアニーリングで算出した効率的な配送ルートを自動で配達員に通知し個人宅に配送するなど、さらなる業務効率化にも取り組んでいきます。