アルティウスリンク株式会社
(旧株式会社KDDIエボルバ)
コンタクトセンターを中心とするビジネス・プロセス・アウトソーシング事業を展開するKDDIエボルバでは、従来、勤務シフトを作成する専門の管理者が勤務希望やスキル平準化などの20個以上の勤務条件をもとに人手で勤務シフトを作成。日ごと・時間帯ごと・スキルごとに必要なスタッフ数を満たすなどの考慮が必要なため、約100名のスタッフの勤務シフト作成には、熟練した管理者でも11時間以上を要していました。
一般的な勤務シフト作成ツールでは、100名規模のシフトを作成する場合、修正作業やスタッフとの調整を含めて20時間を要するほか、特定スタッフの勤務時間帯に偏りが出るシフトが生成され、不公平感からスタッフの理解が得られないといった課題もありました。
KDDIは、株式会社KDDI総合研究所の協力のもと、量子コンピューティング関連技術を用いて勤務シフトを作成するための計算手法を研究しています。また、日立は量子コンピューティングを模した日立独自の計算技術「CMOSアニーリング」を使用した「勤務シフト最適化ソリューション」を提供しています。そこで、KDDI、日立両社の量子コンピューティング関連技術に関する知見を共有し、実勤務に適用可能なレベルを確保するため実証内容について議論・協創してきました。
実証試験の結果、KDDIエボルバの北海道地区事業所約100名のスタッフの1カ月分の勤務シフトを、勤務条件に関するデータの準備やスタッフとの最終調整も含め約5時間で作成することができました。また、シフト作成にかかる工数削減だけではなく、特定スタッフに偏りの出ない勤務シフト作成が可能となっています。