ダイキン工業株式会社
化学品は需要変動が激しく、かつ多品種生産を行うため、状況に応じた製造・販売施策を複数パターン検討し、週単位や日単位で実行可能な生産計画を立案することが重要です。一方、世界中の製造・販売拠点について、販売価格や販売・生産量、設備稼働率、生産能力、関税など膨大なパラメーターを考慮し、製造・販売施策や生産計画を人手で立案するには、膨大な時間が必要となります。
ダイキン工業株式会社(以下、ダイキン)と日立は、ダイキンのフッ素化学製品を対象に、SCM最適化シミュレーション技術を適用して事業計画の立案・実行を支援するソリューションの実証実験を行いました。その結果、ボトルネック工程の設備稼働率と生産能力向上に伴う人員コストに着目した増産施策や、調達・生産・販売経路の変更施策など、さまざまな現場制約が加味された実行可能な生産計画を、自動で複数パターン提示することが可能になりました。
ダイキンは、フッ素化学製品に関するグローバルの5カ所の製造拠点、9カ所の販売拠点、数百品目を対象に、本ソリューションの本格運用を開始。製造・販売施策を人手に頼る従来のやり方に比べ、約60倍のパターン数を短時間に作成できるようになり、またそれらの定量的なシミュレーション結果に基づいて迅速な合意形成が図れるため、意思決定までに要する時間を約95%短縮しました。