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Hitachi

HVDC(高圧直流送電)

-洋上風力HVDC系統連系-
グリーンエネルギーの
安定供給へ

グリーンエネルギーへの転換と脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入拡大が先行する欧州、特に英国やドイツでは、沖合に風車を設置する洋上風力の普及が急速に進んでいます。洋上風力は、陸上風力に比べより大きな風力を安定的に得ることができ、騒音や景観への影響、人的被害などのリスクも避けられることが大きなメリットです。島国である日本においても、洋上風力のポテンシャルを活かすべく、2030年までに洋上風力10GWをめざす意欲的な中長期目標が設定*1されるなど、洋上風力導入拡大に向けた動きは国内外で活発化しています。こうした背景の一方で、風力適地から需要地までの距離が離れているという空間的ギャップに起因し、送電ロスの低減、系統の安定化・信頼性などのレジリエンス向上のニーズがより一層求められています。これらの課題に対してHVDCは極めて有効なソリューションです。日立は、世界初の洋上風力HVDCであるBorwin1*2をはじめ、Dolwin1*3、Dolwin2*4と欧州の北海エリアにおける複数の洋上風力HVDCプロジェクトに参画し、技術・ノウハウを蓄積してきました。ここでは欧州で先行する洋上風力HVDC系統連系の事例を紹介します。

  • *1:洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会 第1回会合 資料より
  • *2:ボーウィン1洋上HVDC系統連系プロジェクト
  • *3:ドルウィン1洋上HVDC系統連系プロジェクト
  • *4:ドルウィン2洋上HVDC系統連系プロジェクト

Dogger Bank A & B & C(ドッガーバンクA、B、C発電所向けHVDCシステム)

ドッガーバンクウィンドファームは、英国エネルギー大手スコティッシュ・アンド・サザン・エナジー(以下、SSE)グループ傘下の再生可能エネルギー事業者であるSSEリニューアブルズ社と、ノルウェーの石油会社エクイノール社の合弁による世界最大の洋上風力発電所プロジェクトで、ドッガーバンクA、B、Cの3か所の発電所で構成されています。2026年の完成に向けて英国本土から約130km北東の北海に建設中で、完成後は英国の電力需要の約5%に相当する、600万世帯に電力供給が可能な3.6GWの発電設備容量となります*1。日立は、ドッガーバンクA、B、Cの3か所の発電所向けのHVDCシステムに関して、AとBを2019年、Cを2021年に受注しました。本システムには、日立の自励式HVDC「HVDC Light®」を採用しており、業界最高水準のコンパクトな設計と電力変換効率により、システムのライフタイムにおけるCO2排出量を従来と比較して約3分の2に減らすことが可能*2となります。
本システムの提供により、遠方の洋上風力発電所から陸上の送電網への効率的な送電と大規模な連系を可能にするとともに、英国が掲げる2030年までに最大40GWの洋上風力発電容量の調達とCO2排出量の68%削減*3という脱炭素社会に向けた目標の達成に貢献します。

  • *1:2026年の完成後、ドッガーバンクウィンドファームの各発電所では、年間6TWh、合計18TWhの再生可能エネルギーを供給することができます。これは英国の需要の約5%、600万世帯の電力需要に相当します。
  • *2:ISO規格に沿ったライフサイクルアセスメントに基づく調査結果
  • *3:1990年比
設備の概要
納入先 SSEリニューアブルズ/エクイノール/Eni
プロジェクト名称 Dogger Bank Wind Farm(A&B&C)
背景・課題 洋上風力の導入拡大
温室効果ガスの削減
HVDC概要 自励式
1200MW/1変換所あたり
DC±320kV
長距離海底ケーブル送電
効果 大容量洋上風力による系統連系を実現
英国の約600万世帯に安定した電力供給
完成予定 2023年(A変換所)
2024年(B変換所)
2025年(C変換所)
イメージ:Dogger Bank A & B & C(ドッガーバンクA、B、C発電所向けHVDCシステム)

ドッカーバンクウィンドファームのイメージ(Aibel社提供)

自励式HVDCをさらに知りたい方はこちら
Dogger Bank HVDC connection