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Hitachi

HVDC(高圧直流送電)

-地域間HVDC系統連系-
東西の壁を越えて
電力融通を可能にする

日本の電気は、電気事業が始まった明治時代、東日本ではドイツから輸入した周波数50Hz、西日本ではアメリカから輸入した周波数60Hzの発電機をそれぞれ導入したことから、現在に至るまで静岡県富士川と新潟県糸魚川付近を境にして、東と西で周波数が異なっています。このため、東西間で電力を融通する場合、交流の電気を周波数が異なったまま直接接続することはできないため、周波数変換装置で一度交流を直流に変え、その直流を異なる周波数に変換する必要があります。この二つの異なる周波数の電気をつなぐための設備が「周波数変換装置」であり、HVDC技術が用いられています。

飛騨信濃周波数変換設備

飛騨信濃周波数変換設備は、60Hzの中部電力エリアと50Hzの東京電力エリアを全長89kmの架空線で結ぶ連系容量90万kWのHVDC設備で、2011年3月11日に発生した東日本大震災を契機に、エリアを超えた系統連系容量を増強し、大規模災害時の電力供給能力を向上することや、近年の再生可能エネルギー導入拡大に伴う東西国内全域における地域間電力融通の活性化を目的に新設されたものです。日立は、中部電力パワーグリッド株式会社飛騨変換所向けに、交流電力を一度、直流に変換することで周波数の異なる系統間の連系を可能にする他励式HVDC技術を用いた周波数変換装置と設備付帯工事・試験など一式を受注し、2021年3月末に納入しました。
本設備は、日本で初めて周波数の異なる系統間を架空線で連系するHVDC設備で、調相機能を備えたフィルタ設備については日立エナジー製のものを採用するなど、日立の豊富な経験と世界最高水準の技術を生かしたシステムとなっています。また、機器開発にあたっては、外気温度−30℃〜+35℃、標高1,085m、積雪2mの豪雪地帯という厳しい気象条件を考慮したシステム検討により、最適化を図っています。

プロジェクト概要
納入先 中部電力パワーグリッド株式会社
背景・課題 周波数の異なる東西エリアの系統連系容量を増強し、大規模災害時の電力供給能力の向上や、近年の再生可能エネルギー導入拡大に伴う東西国内全域における地域間電力融通の活性化を目的に新設
飛騨信濃周波数変換
設備の仕様・条件
  • 定格出力:900MW (450MWx2極構成)
  • 直流電圧:DC±200kV、直流電流:2,250A
  • 直流送電系統構成:双極1回線導体帰路 (飛騨変換所接地)
  • 直流線路長 89km (全区間架空線)
  • 交流系統電圧:AC500kV
  • 環境条件 (飛騨変換所)
    • 外気温度:-30℃〜+35℃
    • 標高:1,085m
    • 積雪:2m
効果
  • 周波数の異なる東日本 (50Hz) と西日本 (60Hz) の地域間連系容量を増大。
  • 発電所の効率運用や需給逼迫時の電力相互融通強化
運用開始 2021年3月31日
イメージ:飛騨信濃周波数変換設備