2014年1月6日
株式会社日立製作所
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、従来型のデータベースエンジン比で約100倍*1のデータ検索処理性能を発揮できる超高速データベースエンジンを搭載し、データの高速検索および分析を可能として、ビッグデータ利活用を支援する高速データアクセス基盤「Hitachi Advanced Data Binder プラットフォーム」において、株式会社日刊工業新聞社(以下、日刊工業新聞社)の第56回(2013年)「十大新製品賞 増田賞」を受賞しました。
日刊工業新聞社が主催する「十大新製品賞」は、優秀な新製品の開発奨励や日本の産業界の技術力・競争力向上を目的に1958年に創設され、産業界からの注目も非常に高い表彰制度です。毎年1回、その年に製品化され発売された新製品の中から十数点が選出されますが、中でも、「増田賞」は、特に優秀と認められた製品に贈られる最高賞となっています。
今回受賞した「Hitachi Advanced Data Binder プラットフォーム」は、内閣府最先端研究開発支援プログラム*2「超巨大データベース時代に向けた超高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(中心研究者:喜連川 優 東京大学生産技術研究所(以下、東大生研)教授/国立情報学研究所所長、実施期間 : 2010年3月〜2014年3月)において、東大生研と共同で研究開発を進めている超高速データベースエンジンを、日立が製品化したものです。「非順序型実行原理」に基づくデータベースエンジンと、日立製のサーバおよびストレージを最適に組み合わせた高速データアクセス基盤です。
今回の受賞は、産学連携による研究開発の成果を基に、「非順序型実行原理」に基づく処理機構をもつ純国産の超高速データベースエンジンを搭載し、非常に優れた処理性能を発揮できる革新的な製品を実現し、2013年10月には、データベースシステムの業界標準ベンチマーク(性能測定基準)である「TPC-H」*3の最大クラス(100TB)に世界で初めて登録されたことなどが評価されたものです。
日立は今後も、超高速データベースエンジンの検索処理性能のさらなる向上に向けた東大生研との共同研究開発を推進していくほか、「Hitachi Advanced Data Binder プラットフォーム」を基盤とした各業種向けのソリューションの展開を軸とした顧客およびパートナー企業との協創などにより、市場におけるビッグデータ利活用の進展に貢献していきます。
「非順序型実行原理」は、喜連川 優 東大生研教授/国立情報学研究所所長と合田 和生 東大生研特任准教授が考案した実行原理で、データの要求順序とは無関係な順序で非同期にデータを処理することにより、ストレージシステムならびにマルチコアプロセッサの利用効率を大きく向上させることを実現することを可能とする点に特長があります。
以上