日立は、高収益企業への変革をめざして、事業ポートフォリオの再構築を加速しています。「新時代のライフラインを支えるソリューション」領域と、「高度技術グローバル製品領域」に経営資源を集中し、注力事業を強化していきます。すでに、1999年から、提携や合弁、M&Aを積極的に実施し、分社化を含むグループ内再編を広範に進めて、意志決定の迅速化、製造・販売・サービスの一体化、事業リソースの集約を図ってきました。 一方、日立グループがもつITやバイオテクノロジー、ナノテクノロジーなどの最先端の優位技術・知識を結集し、次世代の中核事業となる新たな事業を創出することも大きな目標としています。具体的には、「快適情報」「クリーン環境」「安心健康」「知識経営」をテーマとして、戦略的に強化すべき事業を「Inspire A事業」に位置づけて事業戦略の立案とその展開を進めています。 こうした事業ポートフォリオ再構築にあたっては、2002年2月に導入した日立独自の「FIV」によって育成・強化・撤退を判断し、注力事業分野とのシナジー効果が小さく、FIVの黒字化が困難な事業については、1〜2年のうちに撤退・売却を図るなど、大胆な事業改革を展開していく方針です。
(注)FIV(Future Inspiration Value):税引後事業利益から資本コストを控除した経済付加価値をベースにした日立独自の付加価値評価指標