[エッセイ]
技術に会う 10
大島まり
(東京大学大学院
情報学環・東京大学生
産技術研究所教授)
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科学技術とコミュニケーション
「科学者は自分が面白いと思った事柄について、その真理や相互関係を究めようと、日々研究に勤しんでいる。私自身、研究者として、血液の流れが動脈硬化症や脳動脈瘤などの病気にどのような影響を与えるかについて、バイオ・マイクロ流体の観点から研究していて、自分の研究は面白いと思っているし、また、研究成果が何らかの形で社会に役立つことができればとの思いで、研究に励んでいる。しかし、研究者以外の人も自分が考えるように自分の研究内容やその意義を理解してくれいているかというと、残念ながらそうとはいえない……」
そこで、大島氏が取り組んでいるのが、「研究を通しての科学技術」をテーマにした出前事業。身近なものを使ってCTスキャンの仕組みや流体力学の基礎を子供たちに教えるなかで気づいたのは――。 |