[エッセイ]
技術に会う 3
結晶の世界
小林健二
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「幼いころから透質のものが好きでした。さざれた硝子の破片や透明性さえあればとりあえず何でも好きになったのです。プラスチック製の宝石も消しゴムも、クラゲや下敷きでさえ、そのようなものたちを光に透かして見ているのが好きだったのです。ですから科学博物館で水晶と出合ったときは、まさに心を奪われたという感じでした……」
長じて小林さんは「鉱石ラジオ」の制作を手がけることとなり、クリスタルイヤフォンを自作するなかで、結晶づくりに魅入られていくのです。
日々の暮らしのなかでの「技術」との出会いを、毎回さまざまな方がつづります。
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