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ITシステムの緊急時対応
異常発生時に担当者と連絡が取れない場合、
エスカレーション先に自動的に通知する方法

ITシステムの緊急時対応 異常発生時に担当者と連絡が取れない場合、エスカレーション先に自動的に通知する方法

2025年10月1日公開

システムに異常が発生した際、担当者に連絡が取れずに対応が遅れることで、重大な問題に発展してしまうことも少なくありません。連絡が取れない場合は、別の連絡先(エスカレーション先)にすばやく通知するようにして、対応遅延を防止する必要があります。

ここでは、統合システム運用管理 JP1のシステム管理でシステムの異常発生を検知した際に、JP1の通報管理の連絡網を利用して通知し、担当者からの応答を確認できなかった場合は、自動的に別の連絡先に通知を行う方法をご紹介します。

【使用するツール】
JP1/Integrated Management 3 または システム管理 JP1 Cloud Service/System Management
通報管理 JP1 Cloud Service/Notification Management(電話通知オプション、または、別契約のTwilioと連携)

1. 異常発生時のエスカレーション先の連絡網を整備する

  1. 異常発生時のエスカレーション先の連絡網を登録します。
    [連絡網一覧]画面で、[+]ボタンをクリックして[連絡網定義]画面を開きます。

    [連絡網一覧]画面で、[+]ボタンをクリックして[連絡網定義]画面を開きます。

  2. [連絡網定義]画面で連絡網名や連絡網の実行回数を入力します。ここでは、エスカレーション先の連絡網の名称を「管理者連絡網」としています。
    通知先から応答がない場合は、応答があるまで、[実行回数]に指定した回数分繰り返し通知します。
    [連絡先]から登録したいユーザ、通知方法を選択します。
    [→]ボタンをクリックして[通知先]にユーザ、通知方法を追加します。

    [連絡先]から登録したいユーザ、通知方法を選択します。[→]ボタンをクリックして[通知先]にユーザ、通知方法を追加します。

MEMO

通知方法として、「電話」、「メール」、「SMS」、「LINE WORKS」、「Slack」、「Microsoft Teams」を選択可能です。

  1. 通知は、[通知先]の上から順に行います。通知の優先順を[↑]ボタン、[↓]ボタンで調整します。
    通知先情報を追加できたら[SAVE]ボタンをクリックして、連絡網を登録します。

    通知は、[通知先]の上から順に行います。通知の優先順を[↑]ボタン、[↓]ボタンで調整します。通知先情報を追加できたら[SAVE]ボタンをクリックして、連絡網を登録します。

2. 異常発生時の連絡網を整備する

  1. 異常発生時の連絡網を登録します。
    [連絡網一覧]画面で、[+]ボタンをクリックして[連絡網定義]画面を開きます。

    [連絡網一覧]画面で、[+]ボタンをクリックして[連絡網定義]画面を開きます。

  2. [連絡網定義]画面で連絡網名や連絡網の実行回数を入力します。ここでは、連絡網の名称を「保守チーム」としています。通知先から応答がない場合は、応答があるまで、[実行回数]に指定した回数分繰り返し通知します。
    [連絡先]から登録したいユーザ、通知方法を選択します。
    [→]ボタンをクリックして[通知先]にユーザ、通知方法を追加します。

    [連絡先]から登録したいユーザ、通知方法を選択します。[→]ボタンをクリックして[通知先]にユーザ、通知方法を追加します。

MEMO

通知方法として、「電話」、「メール」、「SMS」、「LINE WORKS」、「Slack」、「Microsoft Teams」を選択可能です。
通知方法として、信号灯を点灯させる運用も可能です。利用する場合は、別途信号灯通知プランを契約いただく必要があります。

  1. 「保守チーム」の連絡網で担当者の応答が確認できなかった場合は、「管理者連絡網」に通知するように設定します。
    [未確認時エスカレーション先連絡網名]に、エスカレーション先である「管理者連絡網」をプルダウンメニューから選択して設定します。
    [SAVE]ボタンをクリックして、連絡網を登録します。

    [未確認時エスカレーション先連絡網名]に、エスカレーション先である「管理者連絡網」をプルダウンメニューから選択して設定します。[SAVE]ボタンをクリックして、連絡網を登録します。

3. 異常発生時の自動通知を設定する

重大イベントが発行された契機で自動で緊急連絡網への通知を行いたい場合は、システム管理の自動アクション機能を使用します。

  1. システム管理の[イベントコンソール]画面を開きます。メインメニューの[オプション]−[自動アクション設定]を選択して、[アクション設定]画面を表示します。

    システム管理の[イベントコンソール]画面を開きます。メインメニューの[オプション]−[自動アクション設定]を選択して、[アクション設定]画面を表示します。

  2. [アクション設定]画面で[追加]ボタンをクリックして[アクション詳細設定]画面を表示します。
  3. [実行条件]に、コマンドを実行したいイベントを特定するための[イベントID]と[イベント条件]を指定します。
  4. [実行内容]の[実行ユーザー名]にJP1ユーザーを指定し、[実行ホスト名]と[アクション]を指定します。
    [アクション]に、「[tlscbase.exe の絶対パス] net notify --ni [連絡網名]」を設定します。
    通知文を設定する場合は、上記に続けて「-f [通知文を記載したファイルの絶対パス]」を設定します。
  5. [OK]ボタンをクリックして、[アクション詳細設定]画面を閉じます(設定内容が保存されます)。
  6. [アクション設定]画面の[適用]ボタンをクリックして、アクション設定内容を更新します。

    [アクション設定]画面の[適用]ボタンをクリックして、アクション設定内容を更新します。

MEMO

通知を行うのに必要なtlscbaseコマンドは、通報管理サービスのWebページのサイドバーにある[コマンド&マニュアル]をクリックしてダウンロードできる設定ファイル「saas_command.zip」の中に含まれています。アクション欄には、展開して任意のフォルダにコピーした「tlscbase.exe」ファイルの絶対パスを指定します。通報管理サービスに接続するために必要な情報は「tlscbase.exe」と一緒に提供される「tlscbase.conf」ファイルに記載します。
通知文を設定する場合は、通知内容を記載した任意のテキストファイルを用意しておき、コマンドラインの引数を追加して設定します。

システムに異常が発生した際は、迅速に対応して影響を最小限に抑えることが重要です。通報管理を利用することで、担当者に連絡が取れない場合でも、別の連絡先にすばやく通知することができ、対応遅延を防止できます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

記載の仕様は、改良などのため予告なく変更になることがあります。