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企業情報ニュースリリース

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2021年12月9日
株式会社日立ハイテク

データ駆動型の研究開発を支援する新型FE-SEM2機種を発売

大量データの自動取得機能を強化し、スループット向上に貢献

[画像]【電界放出形走査電子顕微鏡 SU8600(左) SU8700(右)】
【電界放出形走査電子顕微鏡 SU8600(左) SU8700(右)】

  株式会社日立ハイテク (以下、日立ハイテク)は、このたびデータ取得の自動化機能を強化した2機種のFE-SEM*1「SU8600」「SU8700」(以下、本製品群)を発売します。FE-SEMは、半導体やライフサイエンス、材料開発などの幅広い分野において、微細構造の観察や計測・分析を行う際に活用されている走査電子顕微鏡です。今後、多くのデータを必要とするデータ駆動型研究開発の進展が予想される中、本製品群を活用いただくことにより、大量データの短時間取得やユーザーの負荷低減を支援してまいります。なお、国内での販売価格は、「SU8600」を7,400万円(税別)、 「SU8700」を7,900万円(税別)で予定しており、2機種併せて年間200台を販売目標としています。

*1.
FE-SEM:Field Emission Scanning Electron Microscope (電界放出形走査電子顕微鏡)

SU8600、SU8700開発の背景

  FE-SEMは、得られる画像の分解能が高く、またその情報の豊富さや試料の取り扱いが比較的簡便なことから、ナノテクノロジー、半導体・エレクトロニクス、ライフサイエンス、材料などの幅広い分野において、微細構造の観察から計測、分析まで多岐にわたって活用されています。近年のマテリアルズ・インテグレーション*2をはじめとしたその活用分野・用途の広がりに伴い、大量データの短時間取得やそれに要する負荷の低減が求められています。こうしたニーズに応え、今回発売する本製品群では日立ハイテクがこれまで培ってきた高分解能FE-SEMとしての性能に加えて、大量データ取得を支援する自動化機能を強化しました。

*2.
マテリアルズ・インテグレーション :材料開発期間短縮を支援する、理論/実験/データ解析/シミュレーション/データベースを融合活用した総合的な材料技術。

SU8600、SU8700の特長

  SU8600は、微細構造の解析に必要不可欠な低エネルギー観察や、高分子などの電子線照射に弱い材料において高分解能観察が可能です。SU8700は、低エネルギー観察から高い照射電流を要するEBSD*3分析まで、セラミックスや金属などの幅広い材料を対象とした、さまざまな分析手法の適用を可能にします。
  本製品群には、主に以下の特長があります。

1.データ自動取得をサポート

  FE-SEMの観察や分析では対象や目的に応じて観察条件を変更・調整する作業が生じます。調整に要する時間はユーザーの熟練度によって異なり、このことがデータの質やスループットのばらつきを生じさせる一因になっています。本製品群は、この調整作業を自動化する機能を搭載し、安定した調整を可能としました。
  また、装置の性能向上に伴い、求められるデータの種類や量も増大している中、多種多量のデータを手動で取得することもユーザーの負担を増大させています。本製品群は、オプション機能「EM Flow Creator」を準備しており、ユーザー毎の取得条件に応じた自動データ取得を可能にすることで、これからのデータ駆動型研究開発に向けた大量データ取得をサポートします。

2.取得情報の種類、量を増加

  SEMからはさまざまな信号が得られますが、本製品群では同時に最大6つの検出器信号を表示・保存することが可能です。画像取得回数は少なくしつつ、多くの種類の情報を取得します。
  また、一度に大量の情報を取得するために最大画素数を現行機種*4の64倍にあたる40,960x30,720画素まで拡張しました*5。この機能により、一枚の画像データから複数の局所微細構造を評価することが可能になります。

3.信号検出能力の強化

  SU8600では、複数の新型オプション検出器が開発され、凸凹情報、発光情報の検出能力が強化されています。また、反射電子信号検出においては応答性の高速化が図られています。
  SU8700では、短WD*6でEDS*7分析が可能な試料室設計がなされており、EDS分析の高空間分解能化を図ることで、より微小な部位の分析が可能となっています。

  日立ハイテクは、本製品群をはじめとする革新的なソリューションをタイムリーに提供し続け、最先端分野でお客様の飛躍と成長をお手伝いすることで、今後も新たな社会・環境価値の創出に取り組み、最先端のモノづくりに貢献いたします。

*3.
EBSD:Electron Back Scatter Diffraction (電子線後方散乱回折)。結晶性試料の方位解析に用いる手法。
*4.
RegulusシリーズFE-SEMとの比較
*5.
オプションで拡張可能。
*6.
WD:Working Distance. (作動距離:SEM対物レンズと試料間の距離)
*7.
EDS:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy(エネルギー分散型X線分析)

関連情報

日立ハイテクについて

  日立ハイテクは、2001年、株式会社日立製作所 計測器グループ、同半導体製造装置グループと、先端産業分野における専門商社である日製産業株式会社が統合し、誕生しました。
  医用分析装置、バイオ関連製品、分析機器の製造・販売を行う「アナリティカル・ソリューション」、半導体製造装置、解析装置の製造・販売を行う「ナノテクノロジー・ソリューション」、社会・産業インフラ、モビリティ等の分野において高付加価値ソリューションを提供する「インダストリアル・ソリューション」の3つのセグメントで、グローバルな事業展開を行っています(2021年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は6,063億円)。

お問い合わせ先

株式会社日立ハイテク お客様サポートセンタ

以上

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