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企業情報ニュースリリース

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2021年4月1日

日立製周波数変換設備を用いた中部電力パワーグリッド飛騨変換所が完成

HVDC技術で東京中部間の効率的な連系を支援し、電力の安定供給に貢献

[画像](左)中部電力パワーグリッド株式会社 飛騨変換所 全景、(右)他励式HVDCのバルブホール(交直変換装置)

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)が他励式高圧直流送電(HVDC)システムを納入した中部電力パワーグリッド株式会社(以下、中部電力)飛騨変換所と、東京電力パワーグリッド株式会社(以下、東京電力)新信濃変電所を結ぶ東京中部間連系の飛騨信濃周波数変換設備の運用が開始されました。

  飛騨信濃周波数変換設備は、60Hzの中部電力エリアと50Hzの東京電力エリアを全長約89kmの架空線で結ぶ連系容量90万kWの直流送電設備で、2011年3月11日に発生した東日本大震災を契機に、エリアを越えた系統連系容量を増強し、大規模災害時の電力供給能力を向上することを目的に新設されたものです。このうち日立は、中部電力飛騨変換所向けに、交流電力を一度、直流に変換することで周波数の異なる系統間の連系を可能にする他励式HVDC技術を用いた周波数変換設備と設備付帯工事・試験など一式を受注、2018年8月より設備の据付工事を開始し、完了しました。

  HVDCは、周波数の異なる系統間の連系を可能とするほか、長距離送電における電力損失の低減や、系統の増強・拡大に有利な特徴を有しています。そのため、再生可能エネルギーの導入拡大にあたり、例えば、遠方に設置された大規模な洋上風力発電所から需要地への送電や、地域間系統連系の容量増強に向けて重要性が高まっています。

  日立は、これまで国内で設置されたほとんどのHVDCプロジェクト*1において、技術開発やプロジェクトの取り纏めを担当し、国内の高い電力品質の維持や世界トップクラスの高稼働率*2の維持に貢献してきました。また、2020年7月に設立した日立ABBパワーグリッド社は、1954年に世界初の商用HVDCを事業化して以来、世界の直流送電系統の約半数を占める約120件、13,000万kW相当のプロジェクトに携わり、グローバルNo.1*3のHVDC技術を有しています。

  今回納入した飛騨変換所の設備は、日本で初めて周波数の異なる系統間を架空線で連系するHVDC設備です。また、今回納入した機器のうち、調相機能を備えたフィルタ設備については日立ABBパワーグリッド社製のものを採用するなど、日立の豊富な経験と世界最高水準の技術を生かしたシステムとなっています。さらに、機器開発にあたっては、外気温度−30℃〜+35℃、標高1,085m、積雪2mの豪雪地帯という厳しい気象条件を考慮したシステム検討により、最適化を図っています。

  日立はHVDCをエネルギー分野における主力事業の一つと位置付けており、2019年には、現在構築中である中部電力東清水変電所向けの自励式HVDC技術を用いた周波数変換装置も受注しています。今後も、国内外の系統連系強化や再エネ増加に伴う系統連系設備のニーズに対応し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

*1
周波数変換装置を含む。
*2
CIGRE(国際大電力システム会議) 「A Survey of the Reliability of HVDC Systems」などにより報告されている。
*3
2019年受注高ベース、日立ABBパワーグリッド社調べ

日立製作所について

  日立は、IT(Information Technology)、OT(Operational Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2019年度の連結売上収益は8兆7,672億円、2020年3月末時点の連結従業員数は約301,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。

以上

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