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企業情報ニュースリリース

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2019年9月13日
丸紅株式会社
株式会社日立製作所
株式会社日立ソリューションズ

準天頂衛星システム「みちびき」を活用した植林管理の実証実験を開始

インドネシアの広大な植林地で、UAV※1とトラクタの併用により迅速・精密な樹高測定を実証し、
伐採計画の立案の効率化と精度向上をめざす

  株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:星野 達朗/以下、日立ソリューションズ)はこのたび、総務省から準天頂衛星システム「みちびき」を使用した技術実証※2を請け負い、丸紅株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:柿木 真澄/以下、丸紅)と株式会社日立製作所(本社:東京都千代田区、執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)と共に、低緯度地域であるインドネシアの広大な植林地の一部を対象に、高精度測位技術の適用可能性に関する実証実験(以下、本実証実験)を2019年9月から2か月間、実施します。
  本実証実験では、伐採計画立案を支援する営林システムにおいて、最新のITを活用して樹高(樹木の背丈)の測定精度の向上を図り、伐採計画立案の効率化やオペレーションの最適化をめざします。

1  無人航空機
2  総務省の「低緯度地域における高精度測位技術を活用した効率的営林システムの実証に係る請負」

  丸紅は、子会社のPT. Musi Hutan Persada(以下、MHP社)を通じて、インドネシア国南スマトラ州にある約30万ヘクタール(総事業面積)の広大な土地にて植林事業権を所有しています。ここでは、場所により降雨量や土壌環境が異なり、植栽や除草のタイミングなどによって樹木の成長度合いが変化します。
  MHP社はこのような状況の中で、製紙パルプ工場への原料を安定的に供給するために、毎年数か月掛けて、営林システムで抽出した約1万か所の調査地点において、人の目によるマニュアル作業でサンプル調査を行い、植林の成長量・収穫量を予測し、伐採計画を立案しています。

  今回、日立ソリューションズは、丸紅、日立と共に、「みちびき」による高精度測位技術を活用し、樹高の測定精度を向上させ、より効率的な伐採計画を立案する実証実験を行います。これは、日立の持つ高精度測位技術と日立ソリューションズが持つ「GeoMation※3」で構成され、樹高を以下の方法で測定します。

  1. UAVに光学カメラを搭載し、樹木の天辺の高さ(樹頂標高)を計測します。
  2. トラクタに高精度測位信号受信機を搭載し、地面の高さ(地面標高)を計測します。
  3. 樹頂標高から地面標高を差し引くことで、広大な植林地全体で、樹高を求めます。
3  空間・位置情報を統合的に分析・可視化し、社会インフラや農業、製造業、流通業などにおいて、現場から経営・マーケティングにいたる課題の解決を推進するソリューション

  また、本実証実験では低緯度地域において電離層等が測位精度に与える影響も検証します。これまで日立グループは、高緯度のオセアニア地域において、「みちびき」による高精度測位への影響を検証してきました。本実証実験により低緯度地域もカバーすることで、「みちびき」の全軌道上における測位の安定性に貢献していきます。

  日立ソリューションズ、丸紅、日立は、伐採計画立案の効率化やオペレーションの最適化を検証し、植林事業の持続的な経営の実現に向けた検討をしていきます。また、本技術は効率的な森林資源の利用による持続的な社会の発展に貢献することも考えられ、今後の活用についても合わせて検討していきます。
  更に、日立ソリューションズはこのノウハウを生かし、農業や社会インフラ、製造現場などで豊富な実績を有する空間情報ソリューション「GeoMation」をグローバルに幅広く提供していきます。

本実証実験の概要

[画像]本実証実験の概要

本実証実験の詳細情報

1. 概要

期間
  • 1回目:2019年9月16日〜20日予定:光学カメラを搭載したUAVで伐採前の樹林を空撮。その後に伐採。
  • 2回目:2019年10月21日〜25日予定:採後の裸地を、受信機を搭載したトラクタが標高測量。
対象林地 インドネシア国南スマトラ州でMHP社が植林事業権を持つ植林地(総事業面積約30万ヘクタール)の一部
樹種 ユーカリなど

2. 実証実験の流れ(担当企業)

  1. 光学カメラを搭載したUAVで、「みちびき」から受信した位置と高さの信号(以下、L6E)と航空映像データを取得:(MHP社)
  2. L6Eと航空映像データを地理情報システムで分析し、ユーカリの樹頂標高データ(Digital Surface Model:以下、DSM)を作成:(MHP社、日立ソリューションズ)
  3. 樹高のサンプルとなるユーカリを伐採:(MHP社)
  4. 高精度測位システムを搭載したトラクタを走行させ、「みちびき」から受信したL6Eを取得:(MHP社)
  5. トラクタから取得したL6Eと走行軌跡から地面標高データ(Digital Elevation Model:以下、DEM)を作成:(日立ソリューションズ)
  6. DSMとDEMの差から、ユーカリの樹高を推定:(日立ソリューションズ)
  7. 実際に伐採したユーカリの樹高と推定した樹高を検証:(MHP社、日立ソリューションズ)

MHP社について

インドネシア南スマトラ州にて植林事業を展開。丸紅子会社であるPT. Tanjungenim Lestari Pulp & Paperへ製紙パルプ用の原木を供給している。

1991年 MHP社 設立
2005年 丸紅がMHP社株式60%を取得 (丸紅持分比率60%)
2015年 丸紅がMHP社株式40%を追加取得 (丸紅持分比率100%)

日立グループにおける「みちびき」を活用した実証実験について

2014年 総務省 海外における準天頂衛星システムの高度測位信号の利用に係る電波の有効利用に関する調査
2015年 豪州における準天頂衛星高度測位信号の利用実用化を目指した調査研究
2016年 ①豪州農業における準天頂衛星の補強信号を活用した高効率な営農作業システムの調査に係る請負(その1)
②豪州における準天頂衛星の高精度測位機能を利用したセンシングデータの活用に関する調査に係る請負(その2)
2017年 豪州農業における準天頂衛星を活用した高精度・高効率分析システムの調査に係る請負
2018年 豪州農業における準天頂衛星を活用した高精度画像解析システムの調査に係る請負

関連情報

登録商標

  • GeoMationは、株式会社日立ソリューションズの登録商標です。
  • その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

本実証実験に関するお問い合わせ先

日立ソリューションズ

以上

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