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企業情報ニュースリリース

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2019年4月10日
株式会社アマダホールディングス
株式会社日立製作所

アマダホールディングスが日立との協創を通じて、
IoTを活用したヒトに優しい次世代製造モデルを国内の主要拠点に構築

[画像]次世代製造モデルに基づくアマダ富士宮事業所のシステム構想図
次世代製造モデルに基づくアマダ富士宮事業所のシステム構想図

  株式会社アマダホールディングス(代表取締役社長:磯部 任)は、このたび、株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)との協創を通じてIoTを活用したヒトに優しい次世代製造モデルを国内の主要拠点に構築することを決定しました。
  2020年4月までに、アマダグループで板金加工機械を手掛ける株式会社アマダ(代表取締役社長:磯部 任/以下、アマダ)の富士宮事業所(静岡県富士宮市)、土岐事業所(岐阜県土岐市)においてハンズフリーの組立ナビゲーションシステムや生産計画立案の自動化システムなどを構築します。アマダグループは、IoTを活用して、「ヒトに優しい最先端のモノづくり」を実現することにより、製造現場の生産性を高めるだけではなく、人手不足の解消や働き方改革など労働環境の変化に積極的に取り組み、多様な人材を活用できる製造現場への変革を推進していきます。また、日立は、お客さまとの協創を通じて、お客さまの重要な課題を共有し、共にソリューションを創りあげるとともに、先進的なデジタル技術を活用した「Lumada(ルマーダ)」ソリューションを提供し、お客さまの課題解決とSDGsの達成*1に貢献していきます。

  近年、製造業では、少子高齢化に伴う労働人口の減少や現場のモノづくりを支えてきた熟練者の引退による人手不足、グローバル競争の激化による効率性重視や、個別最適に留まり自社や業界など垣根を超えた全体最適への対応不足など、多くの課題があります。金属板を切断するレーザ加工機などを製造するアマダの生産拠点においても、熟練者の経験に依存する作業が多く、個人の能力に依存しない働きやすさに配慮した製造現場や、技能伝承による人材育成が求められています。
  現在、アマダグループは2021年を最終年度とする中期経営計画からその5年先までの成長を見据えて、ファイバーレーザ加工機や自動化対応装置といった板金事業部門の商品供給体制を整備しており、欧米で生産能力の増強を推進中です。加えて、富士宮事業所と土岐事業所に新工場、富士宮事業所近郊にサプライヤー拠点を建設することにより、グローバルで生産体制の最適化を図っています。このたびの取り組みは高効率な生産のみならず、製造現場における社会的な課題に対して機械メーカー自らが最適解を追求していくことにより、お客さま、ひいては幅広い業界に改革の端緒を開くことをめざしたものです。

  日立はIoTをはじめ先進的なデジタル技術を活用した「Lumada」ソリューションを展開しています。日立グループとしてこれまで、株式会社日立産機システムが、2007年にアマダの富士宮事業所においてパンチングマシン向けにサーボモーターを納入して以来、2017年には土岐事業所の金型IoT工場*2のシステムを立ち上げるなど、アマダの製造現場の高度化や効率化に貢献してきました。こうした実績に加え、日立が自ら製造業として長年培ってきたプロダクトからOT*3、ITまで一貫して対応できる強みを踏まえ、アマダグループと日立は、2018年6月からIoTを活用した次世代製造モデルの構築に向けた協創を開始しています*4
  板金加工機械市場において国内トップシェアで高度な技術力を有するアマダグループと、製造現場の豊富な知見や「Lumada」のオープンなIoTプラットフォームを有する日立が協創することで、両社の技術・知見を結集し、日本のモノづくりを支え、さらに進化させることをめざしています。

  今回、具体的な協創の取り組みの第1弾として、板金加工機械に使われる大型部材の複雑な組立工程において、熟練者のスキルに依存することなく一定品質のモノづくりができる製造現場をめざします。富士宮事業所において日立の「Lumada」の音声解析と画像解析技術を用いたハンズフリーの「組立ナビゲーションシステム」を構築し、2019年2月から稼働を開始しました。
  第2弾としては、常に生産計画の変更が伴う変種変量生産*5に迅速かつ柔軟に対応するため、日立の大みか事業所(茨城県日立市)で適用している、生産計画の自動立案システムである「工場シミュレーター」をベースに開発した「生産日程計画自動立案システム」を構築します。製造現場の状況のKPIを一元的に見える化する「製造ダッシュボード」と併せて、2020年度から富士宮・土岐事業所にて稼働予定です。
  アマダグループは、これらのシステムの導入をはじめ、次世代製造モデルを構築し、若手からシニア層に加え、女性、外国人なども働きやすい効率的なモノづくりを実現することで、アマダの両事業所内における人材の多様化比率を3倍、生産性を30%向上させることをめざします。さらに、2021年度までに、アマダグループの国内外の拠点に今回の次世代製造モデルのシステムを展開することも計画しています。

  今後も、アマダグループと日立は、協創による「ヒトに優しい最先端のモノづくり」の革新に取り組んでいきます。

「組立ナビゲーションシステム」について

「組立ナビゲーションシステム」は、レーザ加工機の基幹モジュールの組立ブースにおいて3Dで組立手順やその工程で使用する部品やボルト類を案内表示する機能と、作業者が工程完了した旨をワイヤレスマイクに発声すると、固定カメラによる画像解析を活用して、作業工数や作業進捗の確認を行い、記録する機能を有しています。3Dによる案内表示機能は、アマダが従来機能を拡充させて構築し、音声入力と画像解析による機能は、アマダと日立との協創で構築しました。これらの機能により、個人のスキルに頼ることなく、作業者に負担をかけず、安全に誰でも同じ品質での組立作業が可能となります。

[画像]アマダ富士宮事業所に構築した「組立ナビゲーションシステム」
アマダ富士宮事業所に構築した「組立ナビゲーションシステム」

「生産日程計画自動立案システム」について

アマダの板金加工機械は変種変量生産であり、生産日程は常に計画変更を伴います。そのため、熟練者が毎月多大な労力と時間をかけて策定しており、人手依存が課題となっていました。「生産日程計画自動立案システム」は、製品の仕様や納期、工場の生産能力などを分析して最適な生産日程を自動で立案します。これにより、従来比約1/5の工数での日程立案をめざします。

「製造ダッシュボード」について

製造現場の4M*6データを用いて、工場管理者層や生産ライン監督者層などの職務階層ごとに、生産性向上施策の検討にあたって有用な各種KPIを時系列にグラフ表示します。具体的には、部品の供給状況、設備の稼働状況、人の作業効率などをKPIとして設定し、工場のムダを分かりやすく見える化します。これにより、全体最適化の観点でそれぞれの階層において状況の把握から課題抽出、評価分析、改善までのサイクルを迅速に行うことができるようになります。

*1
2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」の17の目標のうち、日立グループは、自らの事業を通じて達成に大きく貢献する5つの目標と、企業活動全体を通じて達成に貢献する6つの目標を特定し、実現に向けて注力しています。
*2
IoTを活用した、板金加工機械のパンチングマシンに装着する金型の生産工場
2016年5月21日 アマダホールディングス発表ニュースリリース「新サービス・金型事業成長戦略計画 土岐事業所に金型IoT 工場建設 投資総額100 億円」
*3
OT:Operational Technology(制御・運用技術)
*4
2018年6月4日 日立発表ニュースリリース「アマダとIoTを活用した生産からバリューチェーン全体までの最適化に向けた協創を開始」
*5
変種変量生産:生産対象となる製品の種類が期間ごとに変化し、生産量も都度変化する生産形態
*6
4M:Man(人)、Machine(設備)、Material(材料)、Method(方法)

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 産業・流通ビジネスユニット ソリューション&サービス事業部

以上

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