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企業情報ニュースリリース

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2018年10月9日

お客さまとの協創ワークショップにおける
イノベーティブなアイデアの創出を加速するシステムを開発

音声認識と発想レコメンドを行うAI技術を導入し、複数の事業領域をつなぐアイデアを創出

[画像]お客さまとの協創ワークショップにおけるイノベーティブなアイデアの創出を加速するシステムを開発

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、独自の顧客協創方法論「NEXPERIENCE*1」を活用してサービスアイデアを創出するワークショップにおいて、日立のOTとITの実績を凝縮したLumadaに蓄積された知見を活用し、エネルギー、産業、金融など複数の事業領域をつなぐイノベーティブなアイデアの創出を、音声認識と発想レコメンドを行うAI*2により加速するシステムを開発しました。本システムにより、ワークショップ参加者に既存の枠を超えた業種横断型のアイデアの創出を促すことで、新事業創生に貢献します。

  社会の多様化やグローバル化に伴い、社会や企業が直面する課題は複雑になっています。複雑化した課題の解決には、事業領域の枠を超えたアイデア創生が不可欠です。日立は、社会課題の解決に向けたイノベーションの創生をめざし、2015年より、日立が独自に構築した顧客協創方法論である「NEXPERIENCE」を活用してお客さまとの協創に取り組んできました。「NEXPERIENCE」は、クリエイティブな議論を促進する手法、ITツール、空間を体系化し、質の高い議論や独創的なアイデアの創出を促すもので、600件を超える適用実績があります。

  「NEXPERIENCE」を構成する手法との一つとして、新しいサービスアイデアを創出するためのワークショップがあります。ワークショップにおいては、エネルギー、産業、金融など複数の事業領域の知見をつなぐことでより高度な解決策を導き出すことが可能となります。そのため、幅広い分野の有識者が参加することが理想ですが、実施するすべてのワークショップに各分野の有識者を集めることは困難です。また、有識者を集められた場合でも、ワークショップの議論に応じた知見をアイデア発想に役立つ形で引き出すことが難しいという課題がありました。

  そこで日立は、「NEXPERIENCE」を活用したワークショップにおいて、Lumadaとして蓄積した多様な事業領域の知見を活用して、ワークショップの個々の参加者では発想が困難なイノベーティブなアイデア発想を加速するシステムを開発しました。開発したシステムの特長は、以下の通りです。

AIによりワークショップの会話をリアルタイムに解析し、イノベーティブなアイデア発想を支援

  「NEXPERIENCE」におけるアイデア創出手法であるNEXPERIENCE/Service Ideationに、世界トップレベルの雑音下音声認識技術 *3を適用し、ワークショップ参加者の議論をリアルタイムに解析、キーワードを自動抽出します。さらに、抽出したキーワードに応じて、Lumadaとして蓄積された多様な事業領域の課題解決事例をレコメンドします。この音声を取得するところから、レコメンドの表示にAIを用い、ワークショップ参加者は、レコメンドされた事例を活用して、複数事業領域を融合したイノベーティブかつ実現可能性の高いアイデアを発想できます。例えば、産業分野の工場のIoT化をテーマとするワークショップで、エネルギー分野の「センサーで在宅情報を判定する」事例をもとに、「工場の稼動情報から企業活動の活発度合を判定する」ことで、資金調達支援の信用付与に活用するなどのアイデアが生まれています。

  本システムを用いてワークショップを実施したところ、業種横断型のアイデアが従来に比べて約2倍創出され、イノベーティブなアイデアの発想を促せることを確認しました*4

  日立は、2018年11月より、本システムをお客さまとの協創ワークショップに活用していきます。また、デジタル技術により顧客協創方法論「NEXPERIENCE」を継続的に進化させることで社会イノベーション事業を推進し、社会やお客さまの課題解決に貢献していきます。

*1
日立製作所2015年10月15日ニュースリリース 社会イノベーション事業の加速に向けて、お客さまの課題をともに検討する顧客協創方法論「NEXPERIENCE」を構築
*2
AI: Artificial Intelligence (人工知能)
*3
日本語話し言葉コーパス評価セットにおいて世界最高精度(2018年9月現在、日立調べ)である単語誤り率6.6%、文字誤り率5.0%を達成。国際会議「Interspeech2018」(2018年9月開催)にて発表。雑音下音声認識の国際コンペティション「The 5th CHiME Speech Separation and Recognition Challenge (CHiME-5)」において第2位獲得。
*4
ワークショップで発想したアイデア数に対する業種横断型アイデア数の割合(%)。同一テーマで、従来手法と本システムを利用した場合を比較検証。参加者の職種・役職などの偏りがないように配慮した上で、アイディエーションを実施し、従来手法と本システムを利用した場合のアイデア数(割合)を算出。

利用イメージ

[画像]AIを活用し、ファシリテータ(中央)や参加者の音声を認識し、キーワードを抽出、課題解決事例をレコメンドするワークショップの様子
AIを活用し、ファシリテータ(中央)や参加者の音声を認識し、キーワードを抽出、
課題解決事例をレコメンドするワークショップの様子

Hitachi Social Innovation Forum 2018 TOKYOでの紹介について

2018年10月18〜19日開催の「Hitachi Social Innovation Forum 2018 (会場:東京国際フォーラム)」の「Digital Transformation, Lumada」カテゴリーにおいて、本システムを展示いたします。ぜひこの機会にご覧ください。

関連情報

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 研究開発グループ

以上

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