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企業情報ニュースリリース

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2017年5月25日

日立が危険化学物質検知装置に関わる特許で全国発明表彰「発明賞」を受賞

環境保全からテロ対策まで幅広く製品に展開

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、危険化学物質検知装置に関わる特許*の発明により、公益社団法人発明協会が主催する平成29年度全国発明表彰の「発明賞」を受賞しました。

  全国発明表彰は、日本における発明、考案または意匠の創作者ならびに発明の実施および奨励に関し、功績のあった研究者・科学者を顕彰することにより、科学技術の向上および産業の発展に寄与することを目的として1919年に創設されました。

  危険化学物質の検知装置について、日立では、放電電極を備えたイオン源を用いた質量分析法の開発に取り組んできました。しかし、本発明以前は、実験室外の劣悪な環境下で動作させようとすると、大量に生成する妨害成分により、①イオン源電極の短時間での劣化や、②計測対象成分のイオン化効率の悪化というふたつの大きな問題がありました。これに対し、今回日立が発明賞を受賞した特許では、計測対象成分を導入する方向とイオンを引き出す方向が対向する逆流型イオン源を採用することで、妨害成分の発生を大幅に低減して、①イオン源電極の劣化を低減させ24時間メンテナンスフリーで計測できるようにすると同時に、②計測対象成分のイオン効率を大幅に向上させることに成功しました。この結果、質量分析法を用いた、実用レベルにある危険化学物質の高感度検知装置の開発に世界ではじめて成功しました。

  現在、当該発明は、中間貯蔵・環境安全事業株式会社が運営する全国のPCB(ポリ塩化ビフェニル)処理施設における有害物質漏洩監視システムや全国の税関における不正薬物探知システムに使用され、非常に高いシェアを有しています。また、内閣府が推進する中国遺棄化学兵器処理事業では、化学剤漏洩モニタリングシステムに採用されたほか、文部科学省の国家プロジェクトで開発した重要施設におけるウォークスルー型爆発物探知装置にも新たに適用され、実用化されました。今後も、空港や駅などの公共施設のほか、イベント会場でのセキュリティ対策など、当該特許を応用したさまざまな製品、サービスをグローバルに展開していきます。

  なお、表彰式は、6月12日(月)にホテルオークラ東京で開催されます。

*:
逆流型イオン源を利用した危険化学物質の高感度検知装置の発明(特許4054493号、1999年出願、2007年登録)

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 研究開発グループ 研究管理部 [担当:小平、安井]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話 : 042-323-1111(代表)

以上

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