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Hitachi

企業情報ニュースリリース

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2016年10月18日

国内外の拠点間における設計業務の効率向上を実現する
「クラウド型設計業務支援サービス」を製造業向けに販売開始

日立グループ内の先行利用において、3次元データの共有時間を約50%短縮

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、グローバルに事業展開する製造業向けに、「クラウド型設計業務支援サービス」(以下、本サービス)を10月19日から販売開始します。
  本サービスは、工業製品の設計業務に関連するさまざまなデータをクラウド上に集約し一元管理できる「設計業務ナビゲーター」と、設計データの処理に求められる高性能なクライアント環境を仮想デスクトップ上で利用できる「3D-VDI*1サービス」を、クラウドサービスとして提供するものです。本サービスを導入することで、国内外の複数の拠点や社外のサプライヤーと安全かつ迅速にデータを共有することが可能となり、設計プロセス・品質の統一・向上やシステム構築・運用・保守コストの削減など、設計業務の効率向上を実現します。
  なお、本サービスは、日立グループの複数の部門で先行的に利用を進めています。昇降機事業を手掛ける株式会社日立ビルシステムでは、エレベーターのリニューアル工事に伴う、壁面などの構造物に関する3次元データの共有にかかる時間を、約50%短縮しました。

*1
VDI(Virtual Desktop Infrastructure):従来、クライアントPC上に直接構築されていたデスクトップ環境を、サーバの仮想マシン上に構築・集約する基盤システム。ユーザーは既存PCやHDDをもたないシンクライアント端末などからネットワーク経由で仮想PCに接続して、デスクトップ環境を利用可能。

  近年、製造業では、各国・地域ごとに異なる多様な顧客ニーズに対応した製品を迅速に提供するため、グローバルに分散する複数の拠点やサプライヤー間で分担・協力し合って製品設計を行っています。その際、製品仕様書や図面など、設計業務に関するデータを共有するため、ファイル転送サービスやメールなどが利用されていますが、3次元CAD*2やCAE*3といった設計ツールで作成されたデータは、容量が大きくファイル数も膨大になりデータの共有に時間がかかります。また、プロジェクト進捗などのデータは、各拠点・各社内で個別に管理されていることも多く、関係者間で必要な情報が適切なタイミングで共有されていません。そのため、同一プロジェクトの中で工程管理が統一されず、作業の手戻りや設計不良が発生する一因となっています。

*2
CAD(Computer Aided Design):コンピュータを活用して設計を行うこと、またはそのツール。
*3
CAE(Computer Aided Engineering):コンピュータを活用して製品の設計や製造、工程設計の事前検討を行うこと、またはそのツール。

  本サービスで提供する「設計業務ナビゲーター」は、製品仕様書や図面、プロジェクト進捗といった設計業務に関連するデータをクラウド上に集約・一元管理し、画面上で表示できるものです。また、「3D-VDIサービス」では、3次元CADやCAEなど、高い性能が求められるツールを快適に利用できる仮想デスクトップ環境を提供します。これらにより、拠点が地理的に分散していてもデータを迅速に共有し、設計プロセスを共通化することができるため、情報共有の問題に起因する作業の手戻りや設計不良を防止し、製品の品質統一・向上を図ることができます。
  また、本サービスはクラウドサービスとして提供するため、従来、設計管理ツールや3次元CAD、CAEを利用するために必要だったシステムの構築や運用・保守に関わるコストを低減するほか、機密性の高い管理が求められる設計データの外部への漏えいリスクを低減し、セキュリティの強化を実現します。

  日立は、製造業のバリューチェーンの全体最適化を支援するサービス群を「Hitachi Total Supply Chain Management Solution」(以下、TSCMソリューション)として体系化しています。本サービスをTSCMソリューションのひとつとして、自動車や電気機械などグローバルに事業展開する製造業向けに販売するとともに、今後、IoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」も活用してサービス強化を継続的に推進し、製造業の経営の効率化に貢献していきます。

クラウド型設計業務支援サービスの特長

1. 設計業務ナビゲーター

  製品仕様書や図面、設計プロセスやプロジェクト進捗などのデータをクラウド上に集約・一元管理するとともに画面上に表示することができます。これにより、迅速なデータ共有が可能となるほか、設計プロジェクトの関係者全員が同じ設計プロセスに基づいて業務を進め、作業の手戻りや設計不良を防止できます。また、熟練設計者の知識や技術をメモとして残すことができるため、国内拠点から設計業務を移管された海外の若手設計者や新入社員への技能伝承にも活用することができます。

2. 3D-VDIサービス

  GPU*4のソフトウェア仮想化技術を活用した高性能な仮想デスクトップ環境により、3次元CADやCAEなどの設計ツールをクラウド経由で利用することができます。これにより、海外出張などの際にも別の拠点からいつでも高性能な設計システムを利用できるほか、設計業務ナビゲーター上のデータも迅速に利用することができます。また、従来は拠点ごとに必要だった高性能なクライアント環境の構築・運用・保守コストを低減できるほか、利用者による情報アクセスの可否をクラウド上で集中制御することで設計データの外部への持ち出しを困難にし、情報漏えいのリスクを低減します。

*4
GPU(Graphics Processing Unit):コンピュータの画像処理を行うための主要部品。

「クラウド型設計業務支援サービス」の概念図

[画像]「クラウド型設計業務支援サービス」の概念図

Hitachi Total Supply Chain Management Solutionにおける「クラウド型設計業務支援サービス」の位置付けとIoTプラットフォーム「Lumada」との関係

[画像]Hitachi Total Supply Chain Management Solutionにおける「クラウド型設計業務支援サービス」の位置付けとIoTプラットフォーム「Lumada」との関係

「クラウド型設計業務支援サービス」の提供開始時期と価格

名称 価格 提供開始時期
クラウド型設計業務支援サービス
  設計業務ナビゲーター 個別見積 2017年2月
  3D-VDIサービス 個別見積 2017年3月

関連情報

Hitachi Social Innovation Forum 2016 TOKYOでの紹介について

  「クラウド型設計業務支援サービス」は、日立が2016年10月27日(木)〜28日(金)に、東京国際フォーラムで開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2016 TOKYO」において、紹介します。

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お問い合わせ先

株式会社日立製作所 産業・流通ビジネスユニット
エンタープライズソリューション事業部 企画本部 [担当:長沼]
〒140-8573 東京都品川区南大井六丁目26番2号
TEL : 03-5471-2015(直通)

以上

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