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企業情報ニュースリリース

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2015年6月15日
株式会社日立製作所
ABB

日立とABBが国内向け高圧直流送電事業に関する合弁会社設立について
正式契約を締結

  株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)と、世界をリードする電力・オートメーション企業であるABB (CEO: ウルリッヒ・シュピースホーファー/本社:スイス連邦)は、本日、国内向け高圧直流送電(High Voltage Direct Current、以下、HVDC)に関する合弁会社を設立することに合意し、正式契約を締結しました。今後、規制当局の認可を取得後、8月中の会社設立をめざします。合弁会社の出資比率は日立が51%、ABBが49%です。
  設立する合弁会社は東京に拠点を置き、日立が主契約者として受注するHVDCプロジェクトに、ABBが持つ最新技術を導入し、直流システム部分の設計からエンジニアリング、機器供給などを一括で請け負い、アフターサービスも行います。日立の持つ営業ネットワークやプロジェクトマネジメントでの知見、品質保証プロセスと、ABBの持つ最先端のHVDC技術、システムインテグレーション能力を結集し、日本の電力広域連系に貢献していきます。

  日立とABBによるこの戦略的パートナーシップは、日本の電力システム改革に貢献するものであり、両社はさらに関係を強化し、協業の範囲を拡げることを検討していきます。

日立製作所エネルギーソリューション社社長 野本正明のコメント

  「本日、ABBと国内向けHVDC事業における合弁会社を設立することに合意出来たことを大変喜ばしく思います。日立は1970年の開発以来、国内の全てのHVDCプロジェクトに参画し、日本の電力系統の安定化を支えてきました。この合弁会社を通じて、今後増加が見込まれる自然エネルギーの導入を支える送電システムの強靭化に貢献し、電力の安定供給に最適なシステムを提供していきます。」

ABB株式会社代表取締役社長 トニー・ザイトゥーンのコメント

  「日立と本契約を締結できたことを嬉しく思います。 この合弁会社は、ABBのHVDCでの技術、イノベーションの伝統、そして先進性と、日本市場における日立のゆるぎない信用、豊富な経験をひとつにするものです。お互いの強みを活かすことで、我々はともに日本の電力システム改革を支えて参ります。」

  HVDCとは、主に二つの電力系統間で送電するための技術です。送電側の電力を、交流から直流に変換した上で送電し、受電側の系統では交流に戻して電力を使用します。電気的な損失や設置面積、建設コストを低くすることができるため、長距離送電の用途に最適です。また、周波数が異なり直接交流で接続できない系統間の連系にも適しています。

  日本においては、再生可能エネルギー導入の拡大や電力システム改革の進展に伴い、洋上風力発電所との連系や送電系統の広域的連系などにより、HVDCの導入が本格化すると見込まれています。特に、これまで国内の主流だった他励式HVDC*1では、系統に電源が無い状態での変換器の起動や無効電力の調整が困難であったため、グローバル市場において多数の導入実績を持つ自励式HVDC*2の適用が進むと予想されています。

  日立は、1970年に他励式HVDCを開発し、これまで日本で設置された6サイトすべてのHVDCプロジェクトに参画し、累計280万キロワット以上を設置してきました。日本の電力会社が求める高い信頼性と運用性、高品質な電力供給に応えるエンジニアリングとシステムを提供し、技術開発を通じて、世界トップクラスの稼働率を維持してきました。
  ABBはHVDC技術のパイオニアとして1954年にスウェーデンで世界初の商用HVDCを納入し、1990年代には自励式技術(HVDC Light®)を世界で初めて導入しました。ABBは送電電圧の世界記録の実績を有します。これまでに約100のHVDCプロジェクトに携わり、累計1億2,000万キロワット以上を設置してきました。これは世界で納入されているHVDCの約半分に相当します。ABBのHVDC Light®は自励式HVDCの最先端技術であり、納入実績でも世界の完工済みの19サイトのうち15サイトを手掛けています。
  設立する合弁会社は、これら両社の強みを最大限に活かし、高品質で安定した日本の電力供給に貢献していきます。

*1
他励式HVDC : オフの際に通過電流をゼロにする必要があるパワー半導体デバイス(サイリスタ)により変換機を構成する方式。1970年以降の主力方式であり、多くの稼動実績がある。システム構成が簡素で技術的にも成熟しているが、設置にあたっての電力系統への制約が多く、無効電力補償などの系統安定化の対策が必要となることもある。
*2
自励式HVDC : 任意の時点でオン/オフの切り替えが可能なパワー半導体デバイス(IGBTなど)により変換機を構成する方式。設置にあたっての電力系統への制約が少なく、無効電力の供給など系統安定化のメリットも大きい。系統安定化対策が不要であるため、HVDCの全体構成を他励式に比べ簡易化することが可能である。
*3
HVDC Light®はABBの登録商標です。

新会社の概要

項目内容
商号日立ABB HVDCテクノロジーズ株式会社
本社所在地東京都千代田区外神田一丁目18-13
資本金約14億円(出資比率:日立 51%、ABB 49%)
代表者未定
事業内容 日本国内の新設(既設更新を含む)の高圧直流送電における直流・交流変換器や関連
設備のシステム設計、エンジニアリング、製造、組立、試験、販売、アフターサービス
従業員数10名(設立時予定)

ABBについて

ABBは、世界の約100カ国に140,000人の従業員を擁する電力技術とオートメーション技術のリーディングカンパニーです。環境負荷を最低限に抑えながら、お客さまの業務効率を最適化する製品、ソリューションの数々を、電力、一般産業、交通/社会基盤の各分野に提供しています。
ABB株式会社は東京に拠点をおき、日本国内でも100年以上の長きにわたり活動しています。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所

エネルギーソリューション社 ソリューションシステム事業部[担当:西岡]
〒101-8608 東京都千代田区外神田一丁目18番13号
電話 03-4564-6220 (直通)

ABB株式会社

電力システム事業部 [担当:ラジェンドラ・アイエール]
〒150-8512 東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー
電話 03-5784-6050

以上

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