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企業情報ニュースリリース

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。

2014年8月5日
株式会社日立パワーソリューションズ

雨雲を地図と重ねて3次元表示するソフトウェア「DioVISTA/Storm」を発売

竜巻やゲリラ豪雨の監視業務を支援

  株式会社日立パワーソリューションズ(取締役社長:小田 篤)は、雨雲をオンライン地図と重ねて3次元表示するソフトウェア「DioVISTA/Storm」を8月5日より発売します。本製品は、雨雲の内部構造を明瞭に表現すると共に、広域の天気予報や海洋観測情報とを組み合わせた情報の表示を、軽快な操作感で実現しており、竜巻やゲリラ豪雨の原因となる積乱雲などの監視や空港周辺の航空機の安全管理などに寄与するものです。

  近年、雨雲の3次元構造を捉えることができる新型の降雨レーダー*1が導入され、頻発する竜巻やゲリラ豪雨の観測、予測技術の確立などへの期待が高まっています。しかし、その降雨レーダーによる観測結果の表示には、多くの場合2次元の地図が用いられています。このため、より分かりやすく表示する方法として、降雨レーダーが捉えた雨雲の3次元構造を用いて表示することが求められています。

  そこで当社は、降雨レーダーの観測結果をオンライン地図と重ねて3次元表示できるソフトウェアを開発しました。大容量のデータが生成され続ける降雨レーダーの観測結果をパソコンで3次元表示できるよう、竜巻やゲリラ豪雨に関連する部分を抽出する「等値面高速生成技術」を開発し、その技術を軽快な操作感が特長である当社の3次元地図表示ソフトウェア「DioVISTA」に適用しました。また、抽出された部分が他の雲などに隠されないよう、高さ方向、奥行き、影などの表現を最適化しました。さらに、降雨レーダーではとらえきれない広域の天気予報や海洋観測と組み合わせた表示を実現し、現象全体をより認識しやすくしました。

  当社は、リアルタイム洪水シミュレータ「DioVISTA/Flood Simulator」を2006年より販売しています。今回発売する製品「DioVISTA/Storm」をはじめ、当社は今後も3次元地図表示ソフトウェア「DioVISTA」のラインアップを風水害分野に拡充し、その対策に寄与していきます。

*1
降雨レーダー:雨雲の微細な構造をほぼリアルタイムに観測できるようにしたレーダー。国土交通省や研究機関などにより新規設置や運用がされています。

製品特長

1.軽快な操作感

  • 降雨レーダーの観測データをオンライン地図と重ねて3次元表示し、それを軽快に操作できます。地球全体を表示することや、ズーム、スクロール、角度を変えて真上や斜め上から見ることが可能です。
  • 降水コア*2と呼ばれる竜巻やゲリラ豪雨に関連する部分を大容量データから抽出する「等値面高速生成技術」を開発し、当社の3次元地図表示ソフトウェア「DioVISTA」に適用しました。

2.雨雲の内部構造を明瞭に表現

  • 雨雲内部にある降水コアを、他の雲に隠されることなく、3次元アニメーション表示することが可能です。これにより、上空で形成された降水コアが落下する様子や、風により流される様子が視覚的に捉えられます。
  • この降水コアの表現を実現するため、長年培った3次元地図のノウハウを応用、高さ方向、奥行き、影などの表現を最適化しました。

3.広域の天気予報や海洋観測情報との組み合わせ表示が可能

  • 竜巻やゲリラ豪雨の現象全体の把握に重要な、広域の天気予報や海洋観測の表示が可能です。
  • 気象海洋分野の様々な情報を表示するため、気象海洋分野で国際的に普及しているデータフォーマットNetCDF*3に対応しました。

4.運用業務に適したカスタマイズ

  • 「更新される最新データを取り込み表示する」「警戒指定場所に降水コアが出現した場合にアラートを表示する」「上下左右に画面を4分割し一つの雨雲を異なる視点から表示させる」「空港周辺の航路や飛行機の位置を表示する」など、レーダーサイトや空港などでの運用業務に適したカスタマイズが可能です。
  • 3次元アニメーション表示に水平方向や高さ方向の縮尺の追記、コピーライト表示および印刷や動画ファイルへの出力などが可能です。
*2
降水コア:雲の中で大きな雨粒が特に多いと思われる領域です。降雨レーダーによる観測では反射強度の強い領域として観測されます。
*3
Network Common Data Form:降雨レーダー観測データ、気象シミュレーション結果データなど、緯度・経度・高度・時刻の4次元の時空間座標がついた大容量データを格納することに適したファイルフォーマット。

システム構成図

[画像]システム構成図

可視化例

[画像]可視化例:図1

図1:2013年9月2日に埼玉県越谷市などで発生した竜巻の親雲(積乱雲)の本製品による可視化。積乱雲の立体構造が捉えられています。また、羽田空港から富山空港に向かう一般的な航路を3次元表示することで、航路近くの積乱雲の有無が分かります。
赤色領域:レーダー反射強度が強い部分で降水コアを表す(50 dBZの等値面)
白色領域:レーダー反射強度が弱い部分(30 dBZの等値面)
赤線:羽田空港から富山空港に向かう一般的な航路
鉛直方向を2倍強調表示

[画像]可視化例:図2

図2:図1と同時刻における気象シミュレーション結果の本製品による可視化。この気象シミュレーションは日本の天気予報の基となるデータを表示したものであり、湿度の立体構造が捉えられています。当時関東地方の上空には乾燥した空気があり、その下に日本の南からの暖かく湿った空気が流れ込んでいたことが分かります。
白色領域:相対湿度が高い領域(90%の等値面)
鉛直を30倍強調表示

[画像]可視化例:図3

図3:図1と同日の気象シミュレーション結果の本製品による可視化。地球全体の気温分布が示されています。図では、格子をクリックしてその格子の詳細情報を参照する操作を示しています。
青色∼赤色:日平均気温

[画像]可視化例:図4

図4:図1と同じ時期の衛星観測に基づく海流データの本製品による可視化。地球全体の海流が示されています。図では、時系列データの表示操作として再生、停止、一コマ進む、戻る、早送りなどができることを示しています。
青色∼赤色:流速

製品の価格・提供時期

製品名 エディション 価格(税抜) 提供開始時期
DioVISTA/Storm Standard Edition 40万円 (税抜) 2014年8月5日
カスタマイズ 個別見積り
コンテンツ作成 個別見積り

本製品のカスタマイズとして、観測システムのフロントエンド、解析システムのプリポスト、業務システムの開発なども承ります。またコンテンツ作成として、動画作成、各種データからNetCDFフォーマットへのデータ変換なども承ります。

データに関する表示

図1のデータ 気象庁レーダーデータ(エコー強度)をCAPPI (Constant Altitude Plan Position Indicator)に変換。
図2のデータ 気象庁メソ数値予報モデルの相対湿度(京都大学 生存圏データベースからダウンロード,http://database.rish.kyoto-u.ac.jp/arch/jmadata/)。
図3のデータ NCEP Reanalysis data provided by the NOAA/OAR/ESRL PSD, Boulder, Colorado, USA, from their Web site at http://www.cdc.noaa.gov/
図4のデータ Ocean Surface Current Analysis (OSCAR) data were obtained from JPL Physical Oceanography DAAC and developed by ESR.

この地図の作成にあたっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25,000(地図画像)、数値地図50mメッシュ(標高)および数値地図5mメッシュ(標高)を使用しています(承認番号 平17総使、第635号)。国土地理院の「地理院タイル」を利用しました。
Blue Marble: Next Generation was produced by Reto Stöckli, NASA Earth Observatory (NASA Goddard Space Flight Center).

商品名称などに関する表示

  • 「DioVISTA」は(株)日立パワーソリューションズの登録商標です。
  • Windows®は、米国およびその他の国における米国Microsoft Corporationの登録商標または商標です。
  • その他、記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

関連情報

お問い合わせ先

株式会社 日立パワーソリューションズ システム開発本部 情報システム部[担当:山保・山口]
〒101-0046 東京都千代田区神田多町二丁目2番 神田第一生命ビル
電話 03-5297-0511(代表)

以上

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