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企業情報ニュースリリース

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2014年2月12日

日立のAeroMACSが、電子航法研究所のアジア初となる
空港面航空移動通信システムの実証実験に採用決定

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、独立行政法人電子航法研究所(理事長 : 山本 憲夫/以下、電子研)のAeroMACS(エアロマックス)*1プロトタイプシステムの製作、及び、設置一式に関する調達において、これまで培った大規模商用モバイル通信システム開発の経験と高信頼システム構築力への評価を受け、日立のシステムが採用されました。
  今回、採用された日立のシステムは、仙台空港に隣接する電子研の岩沼分室内に設置され、アジア初となるAeroMACSの実証実験に利用される予定です。

*1
AeroMACS(Aeronautical Mobile Airport Communication System) : 無線LANの一種であるWiMAX規格をベースに開発が 進められている、航空用途としての空港面用の高速・大容量通信システム

  昨今、航空交通需要の増大にともない、空港周辺を中心に、航空通信量が飛躍的に増大しています。その空港周辺の航空通信の混雑緩和のために、AeroMACSは、新しい高速・大容量の移動通信システムとして世界的に検討され、世界各国の空港で共通に用いることのできる国際標準規格化と、その実用化に向けた取組みが進められています。電子研は、これらの国際標準規格の策定作業に参画し、国内でそのプロトタイプの研究開発を推進しています。
  AeroMACSは、国連専門機関ICAO*2の勧告にもとづき、OFDMA*3信号処理技術を応用した次世代空港面移動通信の方式を用いています。広大な空港面において、管制官やパイロットをはじめ空港や航空会社職員向けに航空管制情報や航空会社の各種サービス情報、航空整備情報のスムーズなやり取り、また空港面におけるさらなる安全と効率化を実現します。

*2
ICAO(International Civil Aviation Organization) : 国際連合の専門機関の一つである国際民間航空機関
*3
OFDMA(Orthogonal Frequency-Division Multiple Access) : 中心周波数の異なる複数の搬送波を利用して、伝送容量を高め複数ユーザーで利用可能とする無線伝送技術。WiMAX/LTEのサポートする変調方式の一つ

  日立のAeroMACSは、高いデータ通信効率を得るためのMIMO Matrix-A/-B技術*4やQoS*5技術を用い、高スループット*6で安定した通信環境を提供します。また、コアネットワーク装置には、基地局の状態を監視するための集中監視機能や基地局間を移動する航空機のハンドオーバーを可能とするゲートウェイ機能、端末の認証を行うサーバ機能などを有し、数キロに及ぶ空港面における広帯域かつ高速なデータ通信を実現します。

*4
MIMO (Multiple Input Multiple Output) Matrix-A/-B技術 : 無線通信において、送受信機の双方で複数アンテナを使い、通信品質を向上させる方式
Matrix-A : 空間ダイバーシティの効果によるフェージングマージンを低減させる方式(時空間符号多重)
Matrix-B : 送受信データを複数のアンテナに分割して送信することによりデータ伝送速度を向上させる方式(空間多重)
*5
QoS(Quality of Service) : 通信品質を保証する技術
*6
スループット : 通信回線の単位時間あたり転送量

  日立は、AeroMACSの国際標準化会議であるICAOやRTCA*7、EUROCAE*8、WiMAX Forum*9などにおいて、円滑な航空交通の実現をめざす次世代の空港面ネットワーク構想への取組みに参画し、さまざまな技術貢献を行ってきました。
  今後も、日立は、これらの活動への積極的な取組みを進めるとともに、航空分野における通信システム市場において、関連システムの積極的な開発と拡販を進め、国内のみならずグローバル市場へも拡大を図っていきます。

*7
RTCA(現RTCA, Inc、旧Radio Technical Commission for Aeronautics) : 米国連邦航空局(FAA)のもと、各種米国航空認定のための技術基準を策定する組織
*8
EUROCAE(the European Organization for Civil Aviation Equipment) : 欧州連合(EU)の欧州航空航法安全機構(EUROCONTROL)のもと、各種欧州航空認定の為の技術基準を策定する組織
*9
WiMAX Forum : 国際協力によるWiMAX技術の標準化方式の策定と認証、普及を行う業界団体。通信事業者や通信機器製造業、 通信システムインテグレーター、通信デバイス製造業、通信関連研究所、などで構成される

AeroMACSによる空港面通信ネットワーク構想イメージ

[画像]AeroMACSによる空港面通信ネットワーク構想イメージ

*10
  セル : 1つの基地局がカバーする範囲のこと
*11
  BS-OMC(BaseStation Operation and Maintenance Center) : 無線基地局用オペレーション&モニターコンソール
*12
  AAA(Authentication, Authorization, and Accounting) : Authentication(認証)、Authorization(認可)、Accounting(アカウンティング)の3つの異なるセキュリティ機能を設定するためのアーキテクチャー上の枠組みのこと
*13
  HA(Home Agent) : モバイルWiMAX技術に使用するローミングを実現するソフトウエアまたは装置
*14
  ASW-GW(Access Service Network-GateWay) : モバイルWiMAX技術に使用する端末のハンドオーバーを実現し、外部ネットワークとの接続を行うゲートウェイ装置

独立行政法人 電子航法研究所について

  電子航法研究所は、航空交通量の増大、航空交通の安全性向上等の社会的要請に的確に応えるため、交通の安全の確保と効率性の向上および地球環境の保全などを可能にする技術の実現をめざして研究開発に取り組む、航空交通管理とそれを支える通信、航法および監視技術などからなる航空交通システムに関する日本唯一の研究機関です。2011年からは、重点的かつ戦略的に実施する研究分野として「飛行中の運航高度化」「空港付近での運航高度化」「空地を結ぶ技術、安全性向上技術」の3分野を設定し、航空交通システムの高度化に関する研究開発の実施、研究成果の創出を通じた社会貢献、アジア地域の中核機関をめざしています。

他社商標注記

  • 「WiMAX」、「WiMAX Forum」は、WiMAX Forumの登録商標です。
  • その他、記載の会社名および製品名は、各社の会社の商標もしくは登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 通信ネットワーク事業部
ソリューション第二本部 モバイルキャリアシステム部 [担当 : 秋田]
〒212-8567 川崎市幸区鹿島田1丁目1番地2号
電話 : 044-549-1111 (大代表)

以上

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