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2007年6月21日

クライアントサーバシステムにおける処理の進捗状況を
モニタリングできる技術を開発

問題発生時の原因特定を迅速化し、システムの安定稼動に貢献

  日立製作所中央研究所(所長:福永 泰/以下、日立)は、このたび、ユーザが使うコンピュータ(クライアントPC)とサーバをネットワークで接続し、それぞれが分散して処理を行うクライアントサーバシステムにおいて、各処理を関連付けることで、その進捗状況全体をモニタリングできる技術をあらたに開発しました。
  今回開発した技術では、従来から実施していたサーバの処理状況の分析に加え、クライアントPCの処理状況もモニタリングすることが可能です。また、分析したクライアントPCの処理状況をサーバの処理状況と関連付けることで、それらを一連の処理として、統合して管理できます。これにより、クライアントサーバシステムで問題が発生した場合、問題の原因となった箇所を、より迅速に特定することが可能となり、システムの保守性の向上や効率的な運用管理が実現できます。

  近年、情報化社会の進展により、クライアントPCとサーバをネットワークで接続するクライアントサーバシステムが幅広く利用されています。クライアントサーバシステムでは、クライアントPCからの要求を受け、サーバがサービスを提供するという手順で処理を行います。本システムでは、24時間365日の継続稼動が必要とされており、問題が発生した場合には、その原因となった箇所を迅速に特定し、すみやかに復旧させることが求められています。
  従来、クライアントサーバシステムで問題が発生した場合は、主にサーバの処理状況を分析し、原因を究明していました。しかしながら、最近では、性能の向上に伴い、クライアントPCの処理量が増加する傾向にあります。また、クライアントPCの処理状況を分析した場合、クライアントPCからの要求に対する処理は、クライアントPCとサーバの複数のログに分かれて記録されるため、それぞれを関連付けた分析ができず、問題の原因の迅速な特定は困難でした。
  このような背景から、日立では、クライアントPCとサーバの双方の動作ログを取得し、それらを関連付けることで、システム全体における処理の進捗状況を統合管理できるモニタリング技術を開発しました。
  今回開発した技術の特徴は、以下のとおりです。

クライアントPCの動作ログを記録し、その処理状況を明確化

  • クライアントPCにおいて、画面の描画に要した時間、ユーザがキーボードやマウスで操作を行っている時間などをログに記録します。本技術により、クライアントPCで、通常よりも長い時間を要している処理内容などを分析できます。これにより、クライアントPCで発生した問題の検出や原因究明に必要なデータの取得が可能となります。

クライアントPCとサーバの動作ログを関連付けて分析し、問題原因の特定を迅速化

  • クライアントPCからの要求に対する処理は、クライアントPCとサーバに複数のログに分かれて記録されるため、これまでは、それらを関連付けることが困難でした。そこで、今回、それぞれの処理にIDを付与することによって、クライアントPCとサーバの動作ログを関連付ける技術を開発しました。これにより、クライアントPCからの要求に対する処理の進捗状況を分析することができます。そのため、クライアントサーバシステムで問題が発生した場合、クライアントPCやサーバにおいて、通常とは異なる処理を行っている箇所、さらにはその前後の処理を分析し、問題の原因箇所をより迅速に特定することが可能です。

  今回開発した技術により、クライアントサーバシステム全体の処理の進捗状況を把握することが可能となります。この結果、クライアントサーバシステムにおいて問題が発生した場合、その原因の特定に要する時間を削減し、保守性能の向上が期待できます。本技術は、24時間365日継続して運用されるクライアントサーバシステムの核となる技術の一つとして期待できます。

  なお、今回開発した技術は、6月25日から英国のエジンバラで開催される国際学会「DSN: International Conference on Dependable Systems and Networks」にて発表する予定です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:花輪、木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
TEL : 042-327-7777(直通)

以上

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