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2006年5月19日
国立大学法人大阪大学
国立循環器病センター
株式会社日立製作所

磁気センサ型の指運動機能計測技術を用いて脳の機能障害への
投薬やリハビリの効果を定量的に測定することに成功

 

   国立大学法人大阪大学(総長:宮原 秀夫/以下、大阪大学)、国立循環器病センター(総長:北村 惣一郎/以下、循環器病センター)、株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は共同で、このたび、磁気センサ型の指運動機能計測技術を用いて、脳の機能障害を原因とした運動機能障害の回復の度合いを定量的に測定することに成功しました。この計測技術は、発信用と受信用の2つの小型磁気コイルを2本の指に装着し、磁場を用いて指の間の距離を測定して運動機能を解析するものです。今回、パーキンソン病ならびに、ラクナ梗塞*1における投薬前後の指運動機能を測定し、回復の度合いを定量的に把握することができるようになり、脳の機能障害への投薬やリハビリの効果測定へ活用することが可能になります。

   近年、高齢化社会が進むのに伴い、高齢で発症しやすいパーキンソン病や脳梗塞などを原因とした運動機能障害のある人が増加する傾向にあります。これらの障害がある人の運動機能の診断やリハビリの効果の把握には、主に医師の問診や観察などによる定性的なデータを用いたスコア判定が使われていますが、投薬やリハビリによる運動機能の回復効果を医師が簡便な装置で定量的に測定することが可能になれば、わずかな変化を検出するなど効果的な測定が期待できます。
   このような背景から、日立は大阪大学の協力を得て、磁気センサ型の指運動機能計測技術を2004年に開発しました*2。この技術は、生体にほとんど影響のない磁場を用いて、2本の指を離したり閉じたりするタッピングの動きを定量的に計測し、タッピングの振幅、速度、力、周波数などの各パラメータを使って、指運動機能を総合的に定量化するものです*3。この計測技術を用いて、パーキンソン病患者の指運動機能を測定したところ、一般に、医師が行っているスコア判定との関係性が見出され、定量評価法としての有用性が期待されていました。

   今回、大阪大学と循環器病センターならびに日立は、パーキンソン病ならびにラクナ梗塞について、投薬前後の指運動機能を計測し、回復度合いの測定を行いました。
   測定の結果は以下の通りです。

 
1. パーキンソン病について、治療薬として一般的なドーパミンの投薬前後の指運動機能計測を 行ったところ、投薬後では、指タッピング運動のリズム(周波数)、速度、振幅の度合いの改善が確認できました。また、各パラメータを使った定量評価結果と、従来の医師によるスコア判定との間に高い関係性が見出されました。
2. ラクナ梗塞について、発症数日後(急性期)と約2週間後(亜急性期)の指運動機能測定を行いました。この間、一般的な治療法として抗血小板作用のある点滴や内服薬、また神経保護作用のある点滴などが投与され、その回復の度合いは、医師のスコア判定に加え握力測定によって評価されます。今回の指運動機能計測では、従来の評価法では確認できなかった初期段階における機能の改善を、確認することができました。

   これらの結果から、指運動機能計測技術による測定結果が、従来の評価法(スコア法)と高い関係性があることから、本技術が回復度合いの評価法として有用であることが確認できました。さらに、脳梗塞後の回復過程の評価では、従来法で検知できなかった初期段階における機能改善の様子も測定できることが確認され、高感度な測定が可能であることが確認できました。
   今後、脳の機能障害を原因とする運動機能障害のリハビリの効果や、薬物投与の効果を詳細かつ定量的に評価する有用な方法として期待される技術です。さらに、治療計画の検討や、薬の開発を効率的に支援する技術としても期待できます。
   なお、本内容は2006年5月11日から、東京・京王プラザホテルで開催された「第47回日本神経学会総会」にて発表しました。

 
*1 ラクナは小空洞を意味し、脳内を走る直径200〜900マイクロメートル位の動脈(穿通枝動脈)が閉塞して、脳内にできた小梗塞をラクナ梗塞と呼ぶ。
*2 Neuroscience Research, Vol.49, No22, 2004で報告
*3 磁気センサ型指運動機能計測技術の詳細
 
1. 指の距離の計測:2つのコイル状磁気センサを2本の指に装着し、一方のコイルから磁場を発信させ、もう一方のコイルで同じ周波数の磁場を受信する。測定される信号強度が、2つのコイル間の相対距離に応じた値となることを利用して、2本の指の相対距離を求める。
2. 運動機能の評価:指の相対距離の時間的変化から、指のスピードと指の力を定量化し、さらに、指の振幅の大きさと単位時間あたりのタッピングの回数を求める。これらの指の振幅・指のスピード・力・タッピング周波数などの各パラメータを用いて運動機能を総合的に定量化する。定量化した値を臨床症状などと比較することが可能。
3. 試作装置:生体への影響がほとんどなく、また、測定精度も損なうことのない数10キロヘルツの周波数帯の数マイクロテスラ(マイクロは10-6)磁場を用いて測定。装着するセンサも小型で簡便に取り付けることができるほか、装置全体も持ち運ぶことが可能。
 
 

お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:花輪、木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話 042-327-7777(直通)

 
 

以上

 
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