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2005年4月5日
日立グローバルストレージテクノロジーズ

20ギガバイトのマイクロドライブを実現できる高記録密度技術を開発

- 230ギガビット/平方インチの記録密度を達成した垂直磁気記録技術を開発 -
- 垂直磁気記録を導入したHDDのフィールド試験を開始 -

 

  日立グローバルストレージテクノロジーズ(本社機能: 米国カリフォルニア州サンノゼ市、社長&CEO:成瀬淳、以下、日立GST)は、ハードディスク装置(以下、HDD)の大容量化や小型化を可能にする高記録密度技術を「垂直磁気記録技術」を用いて開発し、業界最高となる1平方インチ当たり230ギガビット*1の面記録密度を実証しました。また、垂直磁気記録技術を導入したHDDのフィールド試験プログラムも既に開始しています。

*1 ギガビットは10億ビット(1x109ビット)
 

  1平方インチ当たり230ギガビットの記録密度は、現状の水平磁気記録技術で到達している記録密度の約2倍に相当します。この値は、現在の記録密度の伸び率から想定すると2007年に出荷される製品の記録密度に相当し、3.5型HDDである Deskstarで約1テラバイト*2、1.0型HDDであるMicrodriveで約20ギガバイトの記憶容量が実現可能となります。
  日立GSTは、記録媒体磁性層の特性改良、円板の表面性改良による磁気ヘッドと磁性層の実効空隙の狭小化、狭トラック磁気ヘッドの開発などにより、1平方インチ当たり230ギガビットの記録密度を達成しました。

*2 テラバイトは1兆バイト(1x1012バイト)
 

  磁気記録の起源は、デンマークの科学者Valdemar Poulsen (ファンデマール ポールセン)が1898年に発明した磁気録音機まで遡ることができます。垂直磁気記録技術は、1977年当時、東北大学電気通信研究所の岩崎俊一教授(現、東北工業大学学長)によって提唱されました。垂直磁気記録技術は、磁気情報を円板面に垂直に配置することで、現在用いられている磁気情報を円板面に水平に配置するいわゆる水平磁気記録技術よりも、より小さな面積により多くの情報を書き込むことができます。現状の水平磁気記録技術は、1平方インチ当たり120ギガビットを越える記録密度では書き込んだ情報の保全性の確保が相当難しくなると想定され、今後の製品で2世代以内には実用的に限界が来ると考えられます。

  次世代製品より順次垂直磁気記録方式を導入した製品への世代交代が始まるものの、日立GSTは、垂直磁気記録技術が完成度を高めて記録密度が1平方インチあたり200ギガビットを越える領域から、本来の特徴を生かして製品に導入されると考えております。垂直磁気記録技術は小型HDDの記憶容量拡大への新たな道を開き、今後5年から7年の間には現状の水平磁気記録技術に対して約10倍の記録密度向上をもたらします。

  「私どもは、過去10年間、最も重要なHDD技術の移り変わりの最先端にありました。そして、HDD業界並びに情報家電業界に対して幾多の貢献をして来ました。日立GSTは、小型HDDの最大のサプライヤとして、より小型の機器により多くの情報を保存するという消費者の要求に応えて、垂直磁気記録技術を実用化することが差し迫った課題であると認識しています。」と、日立GSTの成瀬社長&CEOは述べています。

 

垂直磁気記録を導入したHDDのフィールド試験

  このようなHDD技術の飛躍的発展のための必要なステップとして、フィールド試験プログラムと長期信頼性試験を通して円滑な技術移行を進めます。フィールド試験プログラムは、昨年12月より開始しており、製品化に繋げるデータを収集しています。
  日立GSTのフィールド試験プログラムへの参加者は、HDDに垂直に情報を書き込む最初の人々の1人として歴史を作っていきます。フィールド試験プログラムにエンド・ユーザーとして参画している方々は、著名な研究者、HDDに関係のある業界を代表される方々やOEM顧客等であり、垂直磁気記録技術を導入した2.5型HDDを搭載するノートPCを使用しています。このプログラムから収集されるデータは、日立GSTが垂直磁気記録を採用したHDDとして2005年中(暦年)に製品化する予定の製品の開発に活かされ、その製品はノートPCや携帯型情報家電機器に一般的に使われている2.5型HDDを予定しています。
  「HDD業界の今後5-10年の繁栄は、垂直磁気記録技術の導入と水平磁気記録技術からの移行をいかに円滑に進めるかにかかっています。日立は、この試験プログラムにより、着実にこれを推し進めています。」と、DISK/TREND社長であり業界史学者のJim Porter(ジム・ポーター)氏は述べられています。
  フィールドテストプログラムに加えて、日立GSTは、数百台の垂直磁気記録HDDを用いて長期信頼性テストおよびストレステストを実施中です。

 

垂直磁気記録技術

  垂直磁気記録の生みの親である東北工業大学の岩崎学長は、「私は1951年頃から磁気記録に関する研究を始め、最も重要な課題は"高記録密度化"であると認識しました。当時、磁気記録は水平方向の磁化だけの比較的シンプルなものとして捉えられていましたが、それはとても複雑な現象で磁性体はベクトルとして磁化されているということに気が付きました。すなわち、磁束ベクトルは水平方向だけでなく、垂直方向にも発散されており、1975年頃に垂直磁気記録が記録密度の向上に有用であるという予感を持ち始めました。それ以降、その基本構造の決定、実験によるデータ集め、若手研究者の育成、研究所の設立、国際会議の開催など、実用化に向けた全ての活動をリードしてきました。垂直磁気記録技術は、今後の社会を大きく変える可能性を秘めており、21世紀のわれわれのライフスタイルをも変えうる重要な技術になると信じています。」と、語られています。また、岩崎学長は、日立GSTのフィールド試験プログラムにも参加されており、「長年携ってきた垂直磁気記録技術が、今日、実用化されようとしているのはとても喜ばしいことです。」とも述べられています。

左:垂直磁気記録HDDを搭載したノートPCを使用されている東北工業大学の岩崎学長 右:フィールド試験に使用されているHDD
 
 

産官学連携

  今回の技術発表は、平成7年度から平成13年度(1995年4月から2002年3月)に経済産業省および新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO*3)が実施した超先端電子技術開発促進事業である「技術研究組合超先端電子技術開発機構(略称:ASET)」にて、東北大学電気通信研究所の中村慶久所長をプロジェクトリーダとして行われた研究開発成果等を基にして、日立GSTが更に研究開発を進めた結果得られたものです。
  また、日立GSTは、文部科学省の指導により平成14年度から5年間(2002年4月から2007年3月)の計画で、東北大学電気通信研究所付属21世紀情報通信研究開発センタ(通称:IT21センタ)にて進められている「ITプログラムストレージプロジェクト」(プロジェクトリーダ 中村慶久東北大学客員教授)に参画しています。「ITプログラムストレージプロジェクト」では、超小型大容量HDDの開発に取り組んでおり、その成果をいち早く製品化に結びつけていきます。

*3 New Energy and Industrial Technology Development Organization
 
 

超常磁性限界の拡張

  現状の水平磁気記録方式は、「超常磁性限界」と呼ばれる物性限界に近づきつつあります。超常磁性限界とは、円板上に情報(ビット)を記録する磁性層を構成する微細磁性粒子をさらに小さくしていくと、蓄えることのできる磁化エネルギーが小さくなり、温度などの外乱により磁化方向が乱されてしまうことにより発生します。その結果、記録された情報が数年のレベルで消失してしまうリスクがあり、記憶デバイスとしての価値を損なうことになります。情報の単位である1ビットを、トランプカードに例えると、水平磁気記録方式はトランプカードを円板面に横に並べた方式となり、隣り合うビット間には反発力が働きます。従って、記録密度を高めるほど情報を消失するリスクが高まってしまいます。これに対して、垂直磁気記録方式は円板面にトランプカードを縦に重ねた方式となります。この場合、隣り合うビット間には吸引力が働くため、記録密度を高めれば高めるほど情報は安定して記録されます。従って、垂直磁気記録方式のほうが円板の単位面積あたりのトランプカード枚数(情報のビット数に相当)を多くすることができ、HDDの記憶容量を飛躍的に高めることができます。

 

以上

 
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