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2004年11月29日
 

心磁計の検査室を約1/5に小型化する円筒型磁気シールド技術を開発

一般病院への設置も可能に
 
 
 
  株式会社日立製作所中央研究所(所長:西野壽一/以下、日立)は、不整脈や狭心症などの心臓疾患の早期段階での検知に用いられる心臓磁気計測システム(以下、心磁計)の磁気シールド室(検査室)の容積を従来の約5分の1に小型化し、一般病院への設置を可能にする円筒型磁気シールド技術を開発しました。この技術を応用することによって、従来、大型磁気シールド室(検査室)を設置することが可能な大規模医療施設にしか導入できなかった心磁計を、一般病院にも設置することが可能になり、心臓疾患の早期発見、早期治療の推進に貢献することができます。
  また、今回開発した円筒型磁気シールド技術においては、検査の際に被検者が入る磁気シールド室(検査室)の両端が開放された磁気シールド室を使用することから、被検者の圧迫感を大幅に軽減することができます。
  本技術を適用した円筒型磁気シールド室を使用した心磁計を、株式会社日立ハイテクノロジーズ(代表執行役・執行役社長:林將章/以下、日立ハイテク)が、2005年春をめどに製品化する予定です。
 
  厚生労働省の報告によれば、日本人の死亡要因の第2位は心臓疾患となっています。心臓疾患の検査にあたっては、体に張り付けた電極で心臓の活動によって生じる電流を計測する心電図が一般的です。しかし、心電図は、電流が流れにくい肺や骨などの臓器の影響を受けると言われています。これに対して、生体内の臓器の影響を受けにくい新しい心臓疾患の検査方法として、心臓が発する極めて弱い磁場*1をとらえて、心臓の電気的な働きを診断する心磁計が注目を集めています。
  日立では、心臓の活動に伴って体表面に表れてくる微小な磁場を、超電導体を用いたSQUID
*2という特殊な磁気センサで測定する心磁計を開発し、2003年3月には、日立ハイテクが日本で初めて製品化を実現しました。このシステムは服を着たまま、無侵襲かつ短時間で心臓細部の活動を計測することができる検査システムとして、2003年12月には1,500点の保険収載がされています。
  しかし、心臓の微弱な磁気を捕らえるためには、地磁気や外来の磁気ノイズの影響を排除するために、磁気シールド室で検査をする必要があり、現在の製品では1辺2.3メートルの立方体の磁気シールド室が必要でした。このため、心磁計を導入できる医療施設は、こうした大型磁気シールド室の設置が可能な大規模施設が中心となっていました。
 
  このため日立では、磁気シールド室の小型化を図ることによって、一般病院でも設置可能な心磁計の製品化を実現すべく、新たな磁気シールド技術の開発を進め、このたび、従来の約5分の1の磁気シールド室で検査が可能な円筒型磁気シールド技術の開発に成功しました。
  日立では本技術を用いて、円筒型磁気シールド室を試作した結果、20Hzで46dBの磁気遮蔽率を達成しました。この値は、心磁計の磁気シールド室として適正な性能であり、実験により心磁図計測が安定的に行われることを確認しています。
 
 

開発した技術の特長

 
(1) 扉開閉可能な円筒型磁気シールド技術:
 
患者が出入りし易いように、円筒型磁気シールドの側面に大型の扉を設置し、さらに、患者の圧迫感を低減するために、両端が開放された構造としました。また、磁気遮蔽率を向上させるため扉を2重構造としています。
 
(2) 磁気センサ開口部の磁気シールド技術:
 
心磁計では、超電導の磁気センサを液体ヘリウム温度に冷却するため、クライオスタット*3と呼ばれる冷媒を貯蔵する容器が必要になります。クライオスタットは長さがおよそ1mあるため、磁気シールドを貫通する形状となります。そのため、貫通口から侵入する妨害磁気雑音を遮蔽する必要があります。本技術では、磁気シミュレーションを用いて煙突状の磁気シールド構造の有効性を発見し、寸法を最適設計した煙突状の磁気シールドを設置して、貫通口からの妨害磁気雑音の遮蔽に成功しました。
 
 
 
 

用語説明

 
 
*1 心臓の磁場強度:
  心臓からは数100fT〜数10pT程度の磁場が発生しています。fT(フェムトテスラ)およびpT(ピコテスラ)は10-15テスラ、10-12テスラです。地磁気の強度は、約50muT程度(muT:10-6テスラ)ですので、心臓の磁場は地磁気の約100万分の1以下ということになります。
*2 SQUID(Superconducting Quantum Interference Device:超電導量子干渉素子):
  1つあるいは2つのジョセフソン結合を超電導ループに設けた磁気デバイス。このループに加えられる最大超電導電流値は、ループの中に閉じこめられた磁束により変化します。この変化は磁束量子単位(fai0=2.07×10-15Wb)の周期的変化となり、非常に微弱な磁気に応答する特性を使い、超高感度磁気センサとして用いることができます。
*3 クライオスタット:
  冷媒を保持する容器のことで、通常液体ヘリウムまたは液体窒素を貯蔵します。今回開発した磁気シールドは液体ヘリウムが貯蔵されるクライオスタットに合わせた設計となっています。
 
 

お問い合わせ先

 
株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話 : (042)327-7777 (ダイヤルイン)
 
 
以上
 
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