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2004年9月9日
 

世界初、心磁計を用いた心臓電流分布の3次元画像化技術を開発

心臓の裏側も同時検査可能に
 
心磁計を用いた心臓の3次元電流分布像 表示例
 
 
  日立製作所中央研究所(所長:西野壽一/以下、日立)は、このたび、世界で初めて、心磁計を用いて、心臓の活動に伴って流れる電流分布の3次元画像化技術の開発に成功しました。開発技術は、心臓の前面と背面から測定した心磁図をもとに、心臓の立体形状モデル上に電流分布像を再構成するものです。心臓全体を一度に観察できるため、心臓内の電気生理学的現象を視覚的に捉えることが可能です。今後、心臓疾患のメカニズム解明や新たな診断法の確立などへの臨床応用が期待されます。
 
  現在、日本人の死亡要因の第2位となっている心臓疾患の簡便な検査法として、心電図が広く使われています。しかし、心電図では、精度の高いデータを得ることが難しいため、精密検査においては、超音波や放射性同位体を用いた核医学検査法が行われています。また、心電図は、心臓正面のデータを測定するもので、心臓背面の検査は困難でした。
  日立は、心臓疾患検査の新しい技術として、心臓の活動に伴って体表面に表れてくる微小な磁場*1を、超電導体を用いたSQUIDセンサ*2という特殊な磁気センサで測定する「心磁計」*3を開発してきました。2003年3月には、株式会社日立ハイテクノロジーズ(代表執行役・執行役社長:林將章)より製品化されています。この装置は、服を着たまま、無侵襲かつ短時間で心臓細部の活動を計測することができるもので、得られた心磁図の信号から2次元の電流分布を求め、不整脈や狭心症などの心臓疾患の早期段階を検知する手法として期待されています。さらに、この心磁計を用いて、3次元の電流分布が得られれば、より多角的に心臓疾患のメカニズムを解明できる可能性があるため、心臓電流分布の3次元画像化技術の開発が望まれていました。
 
  このような要請から、日立では、新たに標準心臓モデル位置合わせ技術と電流分布合成技術を開発し、世界に先駆けて心臓電流分布の3次元画像化を実現しました。開発技術の特長は以下の通りです。
  1. 標準心臓モデル位置合わせ技術:
    平均的な心臓の形状を模した心臓モデルを作成し、心臓モデルと心磁図との位置合わせを、心臓内の洞結節*4と呼ばれる位置を基準にする新しい計算手法を開発しました。これにより、MRIやX線などの心臓画像が無くても、標準の心臓モデルに正確に電流分布像を再構成することができます。
  2. 電流分布合成技術:
    3次元電流分布は、正面および背面の2方向から計測された心磁図から再構成します。心磁図は心臓からの距離によって磁場強度が大きく異なるため、再構成された電流強度も異なってしまいます。そこで、これら正面と背面電流分布図の強度のレベル合わせおよび補間方法を簡易に行なう新しい計算手法を開発しました。これにより、3次元の電流分布が滑らかに表示することができます。
  今回開発した3次元電流分布像描画技術を用いて、健常者の心臓を観察したところ、心房の電気活動が正面側(右房)と背面側(左房)で異なる時間で活動している様子を確認することができました。また、心臓全体の電気的興奮を3次元画像として一度に観察できるため、電気信号と心臓の部位との関連を、詳細に知ることが可能です。今後は、臨床データに適応し、心臓疾患のメカニズム解明などへの応用を目指します。なお、本技術の開発は、国立循環器病センター、筑波大学付属病院に指導を頂いています。
 
  なお、本研究内容は、2004年9月13日、14日に国立京都国際会館で行なわれる第21回日本心電学会学術集会で報告する予定です。
 
 

用語説明

 
 
*1 心臓の磁場強度:
  心臓からは数100fT〜数10pT程度の磁場が発生しています。fT(フェムトテスラ)およびpT(ピコテスラ)は10-15テスラ、10-12テスラです。地磁気の強度は、約50MuT程度(MuT:10-6テスラ)ですので、心臓の磁場は地磁気の約100万分の1以下ということになります。
*2 SQUID(Superconducting Quantum Interference Device:超電導量子干渉素子):
  1つあるいは2つのジョセフソン結合を超電導ループに設けた磁気デバイス。このループに加えられる最大超電導電流値は、ループの中に閉じこめられた磁束により変化します。この変化は磁束量子単位(fai0=2.07×10-15Wb)の周期的変化となり、非常に微弱な磁気に応答する特性を使い、超高感度磁気センサとして用いることができます。
*3 心磁計(型名:MC-6400):
  心臓磁気計測システムとして製品化されており、2003年12月には1,500点の保険収載がされています。
*4 洞結節:
  心拍を作るトリガー信号を発信する場所で、右心房の大静脈入口部近くにあり、洞結節から心臓全体の電気刺激が開始されます。この洞結節の位置は心臓の決まった位置にあり、位置合わせをするのに最適な位置です。
 
 

お問い合わせ先

 
株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
〒185−8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話 : (042)327-7777(ダイヤルイン)
 
 
以上
 
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