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平成11年12月6日

10/100MbpsのEthernetコントローラを内蔵した
SH-DSPシリーズ「SH7615」を製品化

−Ethernet接続機器の開発が容易な上、
システムの高性能化、小型化、低消費電力化を実現−

 日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 石橋 正)は、このたび、当社のRISCマイコン
「SuperH(TM) RISC engine ファミリ(注1)」のラインアップ強化として、Ethernet接続機器向けに、
SH-DSPをコアとし、さらにEthernetコントローラを内蔵した32ビットマイコン「SH7615」を製品化、
平成12年3月からサンプル出荷を開始します。
 本製品を使用することで、10/100MbpsのEthernetに接続するプリンタやネットワークカメラなどの
機器を容易に開発可能な上、システムの高性能化、小型化、低消費電力化を実現できます。

 近年、パソコンやプリンタなどのOA機器、FA機器等では、ネットワークを介してのデータ授受が一
般的になっています。しかし、処理する情報として、動画や音声など大容量のマルチメディアデータ
が増加しており、これらを授受するために高速転送可能なネットワークが必要になってきます。そし
て、Ethernetは、これらのニーズに対応した標準ネットワークとして使用され、さらにはネットワー
ク機器間の接続インタフェースとしても確立しています。
 また、一方で、Ethernetを接続して使用するプリンタなどの機器においても、システム設計が容易
となるネットワーク対応のデバイスが望まれていました。

 当社のRISCマイコン「SuperH RISC engineファミリ」は、低消費電力や16ビット固定長によるコー
ド効率の良さが評価され、OA機器やFA機器などの各種組み込み機器に採用されています。しかし、本
格的なマルチメディア時代の到来により、これらの機器においても、高性能化に加え、ネットワーク
接続の必要性が増大しており、ネットワークインタフェースのサポートが望まれていました。そこで、
今回、32ビットのSH-DSPをコアとし、Ethernet接続機器の設計を容易にするEthernetコントローラを
内蔵した「SH7615」を製品化しました。

 本製品は、IEEE802.3(注2)に準拠したEthernetコントローラのMAC層(注3)部分を内蔵しており、
MAC層と物理層間の接続に標準インタフェースであるMII(注4)を採用しています。このMIIを介して、
10/100Mbpsに対応する物理層のLSIに直接接続できるため、高速なEthernet機器を容易に設計するこ
とが可能です。
 さらに、送信用と受信用に各々512バイトのFIFO(注5)メモリを内蔵した上、リングバッファ方式
(注6)を実現する送受信用DMAC(Direct Memory Access Controller)も搭載しています。これにより、
送受信データは外部メモリとEthernetコントローラの間を、CPUを介さずに直接転送されるため、CPU
の負荷を軽減するとともに、効率の良いネットワークシステムを実現できます。
 また、本製品ではEthernet上を流れるMagic Packet(TM)(注7)を検出する機能も備えています。
Magic Packetは、ある機器からネットワークを介して別の機器を起動(wake on LAN)するために規定
されたパケットであり、同パケットを検出することで、機器をスタンバイ状態から稼動状態にするこ
となどが可能です。

  本製品は、0.35μm CMOSプロセスを採用し、動作電圧3.3V、動作周波数60MHzで78MIPS/120MOPSの
高性能を690mWの低消費電力で実現します。また、3種類のスタンバイ機能(スリープモード、スタンバ
イモード、モジュールスタンバイモード)により、機器の待機時には、さらに低消費電力化することが
可能です。パッケージは、208ピンLQFPを採用しており、高性能・小型・低消費電力のネットワーク機
器のシステムを容易に実現できます。

 今後も、ネットワーク機器に対応したSuperH(TM)ファミリのラインアップ強化を図ります。

(注1) SuperH(TM):SuperHは(株)日立製作所の商標です。
(注2) IEEE802.3:IEEE802は、IEEE(米国電気電子技術者協会)が、LANの標準化を目的に発足した委
      員会名。IEEE802.3は、CSMA/CD方式の10Mbps/100MbpsのEthernet LAN仕様規格。CSMA/CDは、
      Carrier Sense Multiple Access with Collision Detectionの略で、送信前にキャリアの有
      無を検出し、送信中に衝突を検出すると一定時間待機して再送信する。
(注3) MAC層:Media Access Controlの略で、データリンク層内の下位副層。フレームの送受信方法、
   フレームのフォーマット、データの誤り検出などを規定。
(注4) MII:Media Independent Interfaceの略で、MAC層と物理層とのインタフェース。
   物理層インタフェースLSIを交換することで種々のLANに対応できる。
(注5) FIFO:first-in first-outの略で、先入れ先出しのバッファ回路。
(注6) リングバッファ方式:複数のデータバッファからなるメモリ領域をリング状構成とし、CPUと
   DMACの相互から制御する方式。
(注7) Magic Packet(TM):Magic PacketはAdvanced Micro Devices Inc.の商標です。

■ 応用機器
  情報/OA機器分野(ネットワーク機能を内蔵する端末機器、プリンタ、カメラ、FA機器)

■ 価 格
    製 品 名   1万個ロット時の価格(円/個)
  HD6417615AF       2,900


                                                                          以 上







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