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News Release

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平成11年2月18日

移動体通信機器向けに、1.8Vの低電圧単一電源で105×68ドットの
大画面グラフィック表示を実現した
グラフィック液晶コントローラドライバ「HD66729」を製品化

−昇圧倍率可変機能などの強力なパワーマネジメント機能を内蔵し、
液晶表示システムの低消費電力化をサポート−

  日立製作所は、このたび、「グラフィック液晶コントローラドライバシリーズ」のラインアップ
強化として、デジタル携帯電話やPHS、メッセージページャなどの移動体通信機器の液晶表示システ
ム用に、1.8Vの単一電源電圧動作で105×68ドットのグラフィック表示(注1)が可能な液晶コントロ
ーラドライバ「HD66729」を製品化し、平成11年2月19日からサンプル出荷を開始します。
  本製品は、5倍昇圧回路を内蔵し、大画面液晶パネルを1.8Vの単一電源電圧で駆動できるとともに、
昇圧倍率可変機能の内蔵などにより、パワーマネジメント機能を強化しています。このため、機器の
低電圧化および低消費電力化に対応できます。実装形態は、COG(注2)やCOF(注3)、TCP(注4)などを
品揃えしており、ユーザの様々なニーズに対応可能です。

  近年、デジタル携帯電話やPHSなどの移動体通信機器は、さらなる薄型・軽量化と低コスト化が追
求され、年々システム全体の低電圧化が進んでいます。
一方、多機能化や高付加価値化のニーズに対応し、小型液晶表示パネルにも、従来の電話番号表示や
電話帳機能だけではなく、漢字メッセージや電子メール、WWWコンテンツなどの情報配信サービス等
の付加機能を実現するため、大画面サイズのグラフィック表示が必要となっています。

  当社は、ドットマトリクス表示と、英数字やカナなどの定型キャラクタ表示を1チップで行える
グラフィック液晶コントローラとして、1.8V動作で96×42ドットの表示が可能な「HD66726」を量産
中ですが、今回さらなる大画面サイズの液晶パネルをより低電圧で実現するために「HD66729」を
製品化しました。

  従来の「HD66726」では、システムの電源電圧から最大4倍の昇圧を行い、液晶駆動電圧を発生し
ていました。しかし、1.8Vの電源電圧システムでは最大7.2Vの液晶駆動電圧しか発生できず、縦方
向が65〜68ドット程度の大画面液晶を駆動するには不十分でした。このため、本製品では1.8Vのシ
ステム電源から、最大9Vの液晶駆動電圧を発生させる5倍昇圧回路を内蔵し、縦方向に68ドットまで
の液晶表示を可能にしました。これにより、システム全体の低電圧化を図ることが可能で、システム
のトータル消費電流を大幅に削減できるため、バッテリの小型・軽量化を実現できます。

  一般的に縦方向の液晶画面サイズ(液晶駆動デューティ)を大きくすると、液晶駆動電圧が上昇し、
消費電流の増大などを伴いますが、本製品では、これらを最小限に抑える仕様を搭載しています。
液晶駆動デューティを1/8〜1/68デューティまでソフトウェアで任意にプログラム設定でき、さらに
昇圧出力倍率や液晶駆動バイアス比もすべてソフトウェアで制御することが可能です。
  例えば、通常動作時に105×68ドット(1/68デューティ)の画面を表示する際には、5倍昇圧回路を
用いることで9Vの液晶駆動電圧で液晶駆動を行います。そして、システムの待ち受け期間中に、一
部の105×8ドット(1/8デューティ)のピクトグラムやアイコン表示エリアを、2倍昇圧回路を用いて
3.6Vで液晶駆動させるようにソフトウェアで切り替えることで、液晶パネルでの充放電電流を約
1/4に削減することができます。その上、液晶駆動バイアス比をソフトウェアで調整できるため、
システム構成の際にオン/オフ過渡特性に優れた液晶材料を使用すると、液晶駆動バイアス比を低く
抑えることができ、液晶駆動電圧そのものを下げることも可能です。


 また、画面の一部分を使用して表示を行う場合、液晶駆動デューティを低く設定すると、画面上
端に表示が片寄ってしまいます。携帯電話などのピクトグラム表示時には、画面上端の表示となり
ますが、他のシステムの場合、画面中央部に表示を行うことが多いため、低デューティ液晶駆動時
に、表示画面中央部に液晶駆動エリアを移動させるセンタリング表示機能をサポートしました。
これにより、システムの待機期間中に、メッセージやカレンダー、時刻などを画面中央部に選択的
に表示することができます。
 さらに、携帯電話などで画面上端のピクトグラムだけを選択的に固定表示させつつ、それ以外の表
示エリアを上下方向にスムーススクロールを行うパーシャルスムーススクロール表示機能もサポート
しています。

 一方、ほとんどの携帯電話では、セットの横幅サイズの制約上、横方向の表示サイズが100ドット
前後に限られてしまいます。そこで、本製品では、横方向の表示サイズを最大105ドットに絞ること
で、LCDドライバの出力本数を削減し、従来製品と比較して、チップサイズを20%(当社比)小さく抑え
ています。これにより、低コストを実現するとともに、COG実装時は、実装するガラス面積を最小限
に抑えられよう、チップ幅を2.52mmのスリム形状にしています。

  マイコンとのインタフェース用には、5MHzの高速クロック同期式シリアルインタフェース機能、お
よび68系/80系の8ビットまたは4ビットのバスインタフェース機能を内蔵しています。内蔵レジスタ
やRAMへのアクセスは、内部の動作クロック周波数に依存せず、高速に連続書き込みが行えるため、
シリアルインタフェースでも十分な高速データ転送を実現できます。

 実装方法としては、LCDガラスに直接フェースダウンで実装するCOG実装やフレキシブルフィルム基
板上にフェースダウンで実装するCOF実装、LCDガラスとヒートシールを介して接続するTCP実装に対応
します。

  今後は、本製品をベースに、さらに大画面サイズに対応した製品や階調表示に対応した製品を開発
し、より一層のラインアップの充実を図っていきます。

注1)グラフィック表示:ビットマップ状の表示
     RAMを内蔵し、漢字やゲームなどの任意の
     図柄を表示できる。
注2)COG(Chip On Glass):金バンプ付きチップを
     LCDガラス上に直接 フェースダウンで実装す
     る方法。
注3)COF(Chip On Film):金バンプ付きチップをフ
     レキシブルフィルム基板に直接フェースダウ
     ンで実装する方法。
注4)TCP(Tape Carrier Package):薄膜テープ上に
     チップをマウントしたパッケージ。超薄型実
     装が可能。


<応用製品例>
・デジタルセルラ(PDC、GSM、CDMA他)、PHS
・デジタルコードレス電話、ファックス
・双方向ページャ、漢字/中国語ページャ、
  電子ウォレット 等

<価 格>
製 品 名表示サイズ出荷形態実装形態サンプル価格(円)
HCD66729BP105×68ドット金バンプ付きチップCOG、COF450
HD66729TB0105×68ドット折曲げTCPTCP650
 
            

                                               以 上 


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