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News Release

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平成10年12月14日

SuperH(TM)ファミリ用の2次元グラフィックス・レンダラーLSIを製品化

−動作周波数を高速化し、画像用メモリにシンクロナスDRAMを採用する
ことで、より高速なグラフィックス描画が可能−

  日立製作所は、このたび、RISCマイコン「SuperH(TM) RISC engineファミリ(注1)」(以下、SuperH(TM)
ファミリ)との組み合わせで、グラフィックス処理をコンパクトなシステムで高速に実現するグラフィックス・
アクセラレータ(注2)「クイックシリーズ(Qシリーズ)」の第3弾として、66MHzの高速動作に加え、画像用
メモリにシンクロナスDRAM(SDRAM)を採用することで、より高速なグラフィックス描画を可能とした2次
元グラフィックス・レンダラーLSI(Quick 2D Graphics Renderer with Synchronous DRAM I/F:Q2SD)
「HD64413F」を製品化し、来年1月からサンプル出荷を開始します。

  近年、カーナビゲーションやインターネットTVなどの情報家電市場では、グラフィックスによる飛躍的
な表現力の向上が望まれています。従来、これらの機器におけるグラフィックス処理は、大容量の高速
メモリを用いてCPUでジオメトリ処理(注3)とレンダリング処理(注4)を行うか、または出来る限りのグラフ
ィックス・アルゴリズムを組み込んだグラフィックスLSIで行われてきました。しかし、これらの処理では、
高性能かつシンプルな表現と、ソフトウェアおよびデータベースの上位互換性維持に対する   
  ニーズが強くなっており、さらにVGA(注5)クラスの大画面化、複雑化が進むグラフィックス・アルゴリズ
ムにどのように対応するかが課題となっています。
  そこで、当社ではこのようなニーズに対応し、SuperH(TM)ファミリとの組み合わせで高速のレンダリン
グや表示処理を行うグラフィックス・アクセラレータ「Qシリーズ」を製品化しています。「Qシリーズ」は
「シンプル、リアルタイム、アップグレード」をコンセプトに、SuperH(TM)ファミリによる座標変換などのジ
オメトリ処理に対応した線描画、面描画等のレンダリング処理を高効率、低コストで実現し、すでに「Q2」
「Q2i」(注6)の2製品を市場に投入しています。

  今回製品化した「Q2SD」は、描画系の最大動作周波数を「Q2」「Q2i」の2倍の66MHzと高速化し、さら
に画像用メモリとのインタフェースを見直すことで、描画性能を向上しました。また、表示機能強化のた
めに、ビデオ取り込み機能の内蔵、アナログRGB出力、カーソル表示機能の内蔵を図っており、外付け
部品の削減、およびグラフィックス描画とビデオキャプチャの独立動作を実現し、VGAサイズなどフレキ
シブルな画面表示を行うことが可能です。
  画像用メモリの管理方法としては、「Q2」「Q2i」と同様にユニファイド・グラフィックス・メモリアーキテクチ
ャ(注7)を採用しています。これにより、自然画などのカラー図形や、フォントとパターンなどのデータ形
式の異なったすべてのグラフィックス・データを1つのメモリで管理することが可能です。さらに、フレーム
バッファ(画像表示用メモリ)として、高速動作が可能なSDRAMを採用しています。
  その上、自然画やグラフィックスの画像の自由変形が可能な4頂点ポリゴン(注8)描画など4種の描画
コマンドにより、2次元グラフィックスを高速で実現でき、さらに3次元グラフィックス的な表示も可能です。

  また、「Q2SD」では、ダブルバッファアーキテクチャ(注9)採用によるリアルタイム描画、TVとの同期表
示機能、同期信号の生成機能、カラーパレットの内蔵、色空間変換(YUV→RGB)など、「Q2」と「Q2i」の
機能を継承しています。
  パッケージは、176ピンLQFPプラスチックパッケージを使用することで、安価で高性能な表示システム
を構成することができます。
なお、プロセスは0.35μmアルミ3層CMOSプロセスを採用しています。

  「Q2SD」は、これらの特徴により、カーナビゲーションやネットワークコンピュータ等の中精細OA機器、
インターネットTV、カラオケ等のAV機器など、さまざまな機器におけるグラフィックス処理システムを、コ
ンパクトかつ高い描画性能で実現します。

(注1)SuperH(TM)は(株)日立製作所の商標です。
(注2)アクセラレータ:マイコンを補佐し、処理時間を短縮するためのしくみを備えたLSI。
(注3)ジオメトリ処理:頂点の平行移動、回転処理などの座標変換における数値処理。
(注4)レンダリング処理:画像用メモリ上に線や面の描画を行い、目的の図形を表現する処理。
(注5)VGA(Video Graphics Array):ディスプレイの精細度規格の一つ。VGAはIBM社の商標で、ドットサ
      イズは640×480ドット。
(注6)Q2(Quick 2D Graphics Renderer)、Q2i(Quick 2D Graphics Renderer improved):Q2シリーズ第1弾、
       第2弾。外付けの画像用メモリ容量を50%低減でき、3次元グラフィックス的表示も可能な2次元グラ
       フィックス・レンダラーLSI。
(注7)ユニファイド・グラフィックス・メモリアーキテクチャ:形式の異なるデータを1つのメモリに入れ、それ
       らを管理する方法。形式の異なるデータには、自然画等のカラー図形、フォントパターン、ディスプ
       レイリスト(描画コマンド列)、描画により作成された図形がある。
(注8)ポリゴン:描画処理時間を表現する上で用いる図形の単位。図形により1単位のポリゴンの大きさ
       は異なる。例えば、面の場合、25×20画素の矩形領域を1単位のポリゴンとし、単位時間当たりで、
       このサイズのポリゴンをどれくらい処理できるかを示す指標として用いる。
(注9)ダブルバッファアーキテクチャ:画像用メモリ上に、描画に用いる領域と表示に用いる領域の2つの
       領域を設け、それらを一定時間ごとに役目を入れ替える方法を言う。本アーキテクチャにより、表示
       処理とレンダリング処理を交差して行うことが可能となる。

<応用製品例>
・カーナビゲーションシステム
・AV機器(インターネットTV、カラオケ)
・小画面OA機器(ネットワークコンピュータ等)

<価 格>
製 品 名サンプル価格(円)
HD64413F3,000


                                                                                                      以  上


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