日立製作所は、このたび、ノートPCなどの低電圧・中高速域のアプリケーション向けに、2.5V動作に
対応し、より低電圧での動作を保証するとともに、当社従来品と比較して高速動作を実現した低電圧
標準ロジックIC(注1)「HD74LV-Aシリーズ」を製品化しました。本シリーズは、新たに出力トレラント機
能(注2)を追加しており、出力側での5-2.5V間のインタフェースが可能です。
  今回、本シリーズの第一弾として、NANDゲート機能(注3)の「HD74LV00A」や、インバータ機能の
「HD74LV04A」など計6製品を製品化し、平成10年7月から順次サンプル出荷を開始します。

　標準ロジックICは、ワークステーション、パソコンやデジタルカメラなど、情報/OA、通信、民生機器
などのデジタル回路に広く使われています。そのなかで、ノートPCや携帯機器などの低電圧・中高速
域のアプリケーション用では、5V/3Vに対応した低電圧標準ロジックICが使用されており、当社はす
でに3V対応かつ高速動作を実現した「HD74LVシリーズ」を量産中です。
　また、近年、低電圧化が進むノートPCなどに対応するため、標準ロジックにも低電圧化のニーズが
高まり、今回「HD74LVシリーズ」のバージョンアップ品として、2.5V動作を保証するとともに出力トレラ
ント機能を追加、かつ伝搬遅延時間(注4)の高速化など性能の向上を図った「HD74LV-Aシリーズ」を
製品化しました。

  従来、低電圧標準ロジックのスペックでは、通常5V±0.5V、3.3V±0.3V、2.7Vの範囲で電気的特性
を保証していましたが、「HD74LV-Aシリーズ」では、さらに2.5V±0.2V 動作を保証することで、電源電
圧保証範囲を広めています。また、従来の入力トレラント機能に加え、出力トレラント機能も追加して
おり、5V-3.3V間、および3.3V-2.5V間、5V-2.5V間のインタフェースが可能となります。
　さらに、本シリーズでは、従来の「HD74LVシリーズ」と比較して高速動作を実現しており、例えば、
「HD74LV00A」では伝搬遅延時間が4.9ns typ.(Vcc＝5V時)であり、「HD74LV00」に比べて約25％高速
化しています。また、電源OFF(Vcc＝0V)時のリーク電流(IOFF)を規定しているため、パワーマネジメ
ントが可能で、低消費電力化も図れます。

　今回製品化する「HD74LV00A」はNANDゲート機能、「HD74LV04A」はインバータ機能、「HD74LV123A」
はマルチバイブレータ機能、「HD74LV244A」は8ビットバスバッファ機能、「HD74LV245A」は8ビットバス
トランシーバ機能、そして「HD74LV4066A」はアナログスイッチ機能品です。

　パッケージはそれぞれSOP、TSSOPの2種類を用意しています。
　今後は、ゲート、フリップフロップ、ラッチ、シフトレジスタ、バッファ等の製品を開発し、「HD74LV-Aシ
リーズ」として計46製品のラインアップを行っていきます。
(注1) 標準ロジックIC：デジタル回路の基本となるゲートやフリップフロップなど、各種基本機能をIC化し
        てワンパッケージにいれたもの。
(注2)トレラント機能：ICの電源電圧(Vcc)が0〜5.5V時に、入力または出力に5.5Vの電圧を印加しても、
       電源に電流が流れない機能。電源電圧が0や2.5V、3.3Vなど低い時に効果がある。
(注3)NANDゲート機能：スイッチの組み合わせ回路の一つで、入力がすべて「Ｈ」の時、出力に「Ｌ」が
       出るもの。
(注4)伝搬遅延時間：入力信号に対する出力信号の遅れ時間。短いほど高速である。

＜応用機器例＞
以下の低電圧動作機器のデジタル回路に対応します。
・PC、CD-ROMなどのOA機器
・デジタルカメラなどの民生機器　
・交換機などの通信機器
・ロボット、NCなどの各種制御機器

＜価　格＞ 

                                                                                                           以  上