日立製作所は、このたび、小型フラッシュカード「コンパクトフラッシュ
(CompactFlash(TM)、以下CF(注1))」で業界最大容量の45Mバイトを実現した
「HB286045C3」、およびPC-ATA(注2)カードとしてTypeII(5mm)で150Mバイトを実
現した「HB286150A3」、90Mバイトの「HB286090A3」、8Mバイトの「HB286008A3」
を製品化しました。これらの製品は、従来2チップで構成していたコントローラを
1チップ化したことで、大容量化を実現するとともに、消費電流を当社従来品と比
較し、動作時で約20％低減することが可能です。
　なお、従来のCF 3製品と PC-ATAカード5製品も、今回の技術を採用した1チップ
コントローラ版として、新たに市場投入します。
　CFは平成９年１２月から、PC-ATAカードは平成１０年１月から、それぞれサン
プル出荷を開始します。

　フラッシュカードは、従来より将来のマルチメディア機器の記憶媒体として注目
されており、最近になりCFを記憶媒体として使用するデジタルカメラやハンドヘル
ドPCが市場に登場したことで、その需要が本格的に立ち上がりつつあります。
　なかでも、デジタルカメラでは、従来のフィルム写真に匹敵する精緻さへの要求
から、CCD(注3)画素数が多く、画面解像度もSVGA(注4)やXGA(注5)以上(80万から
140万画素)に対応した製品が市場に登場し、注目を集めています。そして、画素数
が増えることで、カメラの取扱う情報量も増加するため、それを格納するCFも大容
量化が求められています。例えば、2泊3日程度の旅行で一般に必要とされる約100
枚の撮影枚数を、100万画素対応のカメラで格納する場合、標準モードで15Mバイト、
高画質モードで45Mバイト程度のカード容量が必要となります。
　また、従来はハードディスクを使用していた産業機器等のシステムにおいても、
ハードディスクをフラッシュカードに置き換えることで、システムのメンテナンス
負担を軽減することが可能となるため、100Mバイトを超えるPC-ATAカードへのニー
ズが高まっています。

　本製品は、当社の64MビットAND型フラッシュメモリを搭載しており、さらに従来
2チップ構成であったコントローラも、当社のマイコン内蔵セルベースIC
「μCBIC(Micro Cell Based IC)」を採用することで１チップ化にしています。そ
して、コントローラ以外のスペースに、当社の超薄型パッケージTCP(注6)を２段に
積み重ねる積層実装技術を使用することで、CFでは計６個の64Mビットフラッシュ
メモリが搭載可能となり、業界最大容量の45Mバイトを実現しました。また、
PC-ATAカードも、計20個のフラッシュメモリを搭載することで、150Mバイトを実現
しています。
　さらに、コントローラの１チップ化により、消費電流を従来品に比べて、動作時
で約20％低減可能となり、携帯機器で最も要求される電池の長寿命化を図ることが
できます。

　
  今回、1チップコントローラ版として、8Mバイトから45MバイトのCF 4製品、8M
バイトから150MバイトのPC-ATAカード8製品をラインアップすることで、ユーザー
のニーズに合ったフラッシュカードを提供することが可能です。

　今後は、大容量の256Mビットフラッシュメモリを採用した大容量フラッシュカー
ドの製品化を計画しています。

(注１)コンパクトフラッシュ(CompactFlash(TM))：CompactFlash(TM)は米国サン
      ディスク社の商標であり、CFA(CompactFlash(TM)Association)にライセン
      スされています。日立製作所はCFAのメンバーです。
(注２)PC-ATA：正確にはPCカードATA仕様。PCMCIA(Personal Computer Memory 
      Card Association)で決めたカード仕様のうちのATA(Advanced Technology
      Attachment)仕様。
(注３)CCD ：Charge Coupled Device
(注４)SVGA(Super Video Graphic Array)：ディスプレイの精細度の規格。
     ドットサイズは800×600ドット。
(注５)XGA(Extended Graphic Array)：XGAはＩＢＭ社の商標で、ドットサイズは
      1,024×768ドット。
(注６)TCP：Tape Carrier Package

＜応用機器＞
　oデジタルスチルカメラ
　oPDA、ハンドヘルドPC等の携帯情報機器
　o固体レコーダ等

＜価　格＞　

                                                     以  上