［平成９年度上半期の業績概要］
　当上半期のわが国経済は、個人消費が著しく低迷し、また、設備投資、住宅投資
も盛り上がりに欠けるなど、景気は深刻化の様相を呈しました。

　このような状況下にあって、当社は、将来の展望が期待できる新事業への重点的
な取組みを推進しました。
  当上半期においては、他社に先駆けてＤＶＤ−ＲＡＭドライブ、高精細のプラズ
マディスプレイ等を製品化し、また急成長が予想される企業間の電子商取引分野に
おいて統一的なサービスを提供する体制を整えました。
また、設備投資については、主力の情報・エレクトロニクス関連分野に重点的に配
分しました。加えて、原価の低減、資金効率の向上、人員の適正配置など、引続き
経営の軽量化にも努めました。
　国際活動の面では、中長期的な海外事業比率の伸長を期して、米国において、製
販一体による市場に密着した事業運営を徹底し、また、中国では、半導体の製造合
弁会社での生産を開始するとともに、計測器の製造会社の設立を決定しました。

　当上半期における売上高は、前年同期比１％減の２兆５４１億円となりました。
  まず、情報・エレクトロニクス部門では、半導体は、メモリが、価格の下落によ
り、依然として厳しい状況が続いています。また、交換機など情報通信機器は、
ＩＳＤＮ関連投資が減少した結果、厳しい状況に立ち至りました。一方で、当社独
自の32ビットマイコン「ＳＨシリーズ」は、順調に成長し、カラーディスプレイ管
やＴＦＴカラー液晶ディスプレイも大幅に増加しました。また、コンピュータにつ
いても、大形汎用機「ＭＰ５８００」が海外を中心に好調を持続し、ソフト・サー
ビス事業も伸長しました。
ＣＤ−ＲＯＭドライブも大幅に増加し、計測器も好調に推移した結果、全体として
前年同期を上回ることができました。
  電力システム部門は、国内電力各社の設備投資抑制が続く困難な環境下、前年同
期を下回り、産業システム部門についても、輸出で大口案件の計上がありましたが、
国内が低調に推移し、前年同期並みの水準に止まりました。
  交通システム部門は、車両、自動車機器ともに堅調に推移した結果、前年同期を
上回りました。
  家庭電器部門においては、消費税引上げ前の駆込み需要の反動と夏場の天候不順
が重なり、エアコンを中心に前年同期を下回りました。

  利益面では、半導体、家庭電器は振いませんでしたが、カラーディスプレイ管、
ＴＦＴカラー液晶ディスプレイが好調に推移し、経常利益は前年同期比２４％増の
３３２億円、当期利益は同４％増の２４２億円を計上することができました。

　なお、中間配当は、１０月２９日開催の取締役会において、１株当り５円５０銭
と決議しました。


［平成９年度通期の見通し］
　今後の経営環境を見ますと、内需の低迷が続く中で、先行きに対する不透明感の
広がりから、景気は混迷の色合を深めるものと予想されます。
　当社としては、このような難局にあって、お客様からの信頼確保を第一に、時代
の変化に先駆ける経営戦略を展開し、高収益の経営基盤の確立を図ってまいります。

現時点での通期の見通しは、以下の通りです。

売    上    高    ４兆１,５００億円（前年度比  ９６％）
経  常  利  益           ７００億円（前年度比  ８３％）
当  期  利  益           ５００億円（前年度比  ８６％）



[平成９年度中間決算概要]
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　取締役会決議

○当中間期及び前年中間期については中間財務諸表作成基準に準拠しています。


[部門別売上高]　　　　　　　　　　　　　　　　　　（単位：百万円）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

                                                              以　上