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News Release

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平成9年10月14日

業界で初めてキャラクタ表示とグラフィック表示を1チップで実現したキースキャン機能内蔵のグラフィック液晶コントローラドライバを製品化

−12桁3行のキャラクタと72×24ドットのグラフィックの切り替え表示が可能−

 日立製作所は、このたび、デジタル携帯電話やPHSなど移動体通信機器の液晶
表示パネル用に、業界で初めて12桁3行のキャラクタ表示(注1)と72×24ドットの
グラフィック表示(注2)をサポートし、さらにキースキャン機能も内蔵したグラフ
ィック液晶コントローラドライバ「HCD66724BP(バンプ付きチップ品 (注3))」、
「HD66724T(TCP品(注4))」を製品化、平成9年12月よりサンプル出荷を開始します。
 本製品は、簡便なキャラクタ表示と柔軟性のあるグラフィック表示が可能で、よ
り高度な情報サービスを提供できるとともに、キースキャン機能の内蔵によりシス
テムの小型軽量化、低コスト化を実現します。
 
 携帯電話やPHSなどの移動体通信機器では、市場の急成長に伴い、さらなる低
消費電力化、多機能化、小型軽量化および低コスト化が求められています。一方、
これらの機器の小型液晶表示パネルでは、多機能化や高付加価値化に伴い、従来の
カナ・英数字を中心としたキャラクタ表示だけでなく、漢字メッセージ通信やゲー
ム、スケジューラなどの付加機能を実現するために、グラフィック表示が必要とな
ってきました。
 しかし、従来のグラフィック表示システムでは、キャラクタ表示に手間がかかる
上、マイコンでのソフトウェア処理負担が重くなり、システム開発にも時間がかか
るという課題がありました。
 そこで、当社では業界で初めて、システムの表示内容に応じてキャラクタ表示と
グラフィック表示との切り替えを可能とした液晶コントローラドライバを製品化し
ました。まず、従来からのキャラクタ表示ベースで設計を行い、グラフィック表示
にはソフトのバージョンアップで対応するため、システムの早期開発が可能で、モ
デルチェンジの激しい市場にタイムリーに製品を投入できます。

 本製品は、キャラクタ表示とグラフィック表示の双方に対応可能な液晶コントロ
ーラドライバで、低消費電力型の液晶駆動電源回路等を内蔵し、1チップで最大12
桁3行までのキャラクタ表示、または 72×24ドットのグラフィック表示を行えます。
さらに、4×8個のキーマトリクス制御(計32キー)と、3個のLEDまたはバックラ
イトを制御する回路を内蔵しています。
 また、マイコンとのインタフェース用に、クロック同期式シリアルインタフェー
ス、および68系/80系の8ビットや4ビットバスインタフェース機能を内蔵しており、
内蔵レジスタやRAMへのアクセスは、内部の動作クロック周波数に依存せず、高
速で連続書き込みが行なえ、高速データ転送が実現可能です。
 さらに、キースキャン機能やポート制御機能の内蔵により、3本のシリアルイン
タフェースで、液晶表示とキーマトリクス含む操作パネル全体を制御できます。こ
のため、部品点数が削減できる上、マイコンの入出力ポート数も20ポート以上削減
できるなど、システムの小型軽量化、低消費電力化、低コスト化が図れます。
 表示機能としては、キャラクタ表示とグラフィック表示の切り替えが可能で、キ
ャラクタ表示時は、8ビットの文字コードから自動的にキャラクタフォントパター
ンを発生します。内蔵のフォント数は、6×8ドットサイズで、432種の固定フォン
トと64種のユーザプログラマブルフォントを備えているため、太文字フォントや多
国籍フォントなど多様なキャラクタを表示することが可能です。
 また、グラフィック表示では、72×24ドットのビットマップ状の表示RAMに、ダ
イレクトに表示データを書き込めます。表示RAMに漢字フォントや図柄を書き込む
ことで、漢字メッセージ表示やゲーム等をサポートできます。さらに、ピクトグラ
ムやアイコンなどのマーク表示用には、階調制御が行えるため、カラーフィルター
を使用しない反射カラー液晶を用いると、バッテリー切れなどのアラームマークを
赤色で表示するなどの応用も可能です。

 一方、さらなる低消費電力化を図るため、内部の動作クロック周波数を従来の
120kHz動作から32kHz動作へと低速化し、さらに機能ブロック単位に不必要な動作
クロックを停止させるイベントドリブン動作をドライバ部に採用しています。また
「待機中」などのマーク表示や、表示画面の一部を使用した日時表示などを行う場
合、液晶駆動デューティと駆動バイアス、および液晶駆動電圧を低くすることで消
費電力を大幅に低減させるパーシャル表示オン機能を新たにサポートしました。内
部発振クロック停止機能(スタンバイ機能)や液晶駆動電源オフ機能と合わせ、シス
テムの動作状態に応じたきめ細かなパワーマネージメントが可能です。
 この結果、画面全体のフル表示時は約150マイクロW(3V動作時)、待機中のピクト
グラム表示時は約60マイクロW(3V動作時)と、当社従来品に比べ消費電力を約50%
低減しています。また、非表示時も約3マイクロWとなり、液晶駆動電源系を含む液
晶表示システムのトータル消費電力を大幅に削減できます。

 実装方法は、LCDガラスに直接フェースダウンで実装するCOG(注5)実装やフレキ
シブルフィルム基板上にフェースダウンで実装するCOF(注6)実装、LCDガラスとヒ
ートシールを介して接続するTCP実装に対応します。なかでも、COG実装時は実装す
るガラス面積を最小限に抑えるため、チップ幅を2.51mmのスリム形状にしています。

 今後は、今回の技術をベースに、各種の表示サイズに対応したラインアップの拡
充を予定しています。

注1)キャラクタ表示:フォントパターンを発生するキャラクタジェネレータを内
     蔵し、マイコンで1バイトの文字コードを指定するだけで、簡単にキャラク
     タジェネレータ内のカナ・英数字などのキャラクタフォントを表示できる。
     マイコンのソフトウェア処理負担は軽いが、表示パターンが限定され自由度
     が低い。
注2)グラフィック表示:ビットマップ状の表示RAMを内蔵し、マイコンは各ドッ
     ト単位の表示データを書き換えることで、漢字やゲームなどの任意の図柄を
     表示できる。キャラクタ表示とは正反対に、表示パターンの自由度は高いが、
     マイコンのソフトウェア処理負担は重くなる。
注3)バンプ付きチップ:アルミパッド部に金の突起電極(バンプ)を付けたベアチ
     ップ。
注4)TCP(Tape Carrier Package):薄膜テープ上にチップをマウントしたパッケ
     ージ。1mm厚以下の超薄型実装が可能。
注5)COG(Chip On Glass):金バンプ付きチップをLCDガラス上に直接フェースダ
     ウンで実装する方法。LCDモジュールの厚さをLCDガラスの厚さまで薄くする
     ことができる。
注6)COF(Chip On Film):金バンプ付きチップをフレキシブルフィルム基板に直
     接フェースダウンで実装する方法。

<応用製品例>
 ● デジタルセルラー(PDC、GSM、CDMA他)、PHS、デジタルコードレス
 ● 漢字メッセージ表示ページャ
 ● ポータブルMD、簡易携帯端末(電子ウォレット、POSなど)

<価 格>
製 品 名       出荷形態         実装形態   サンプル価格(円)
HCD66724BP  金バンプ付きチップ   COG、COF        300
HD66724T    TCP                  TCP             500


                              以 上


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