| HITACHI HOME | UP | SEARCH | HITACHI

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、 お問い合わせ一覧をご覧下さい。

                                                  平成7年12月12日

透過電子顕微鏡用高感度TVカメラシステムを製品化

−「スーパーハーピコン(R)」(*1)の採用によりリアルタイム観察を実現−

 日立製作所は、このたび浜松ホトニクス(株)と共同で、リアルタイムで観察
(動画観察)ができるとともに、高感度な記録(静止画記録)が行える等、
透過電子顕微鏡使用時の操作性を大幅に向上させる高感度TVカメラシステム
「UTK−2000」を製品化し、12月14日より発売します。
今日、透過電子顕微鏡(*2)は材料開発分野や医学、生物学の分野で幅広く利用
されていますが、その操作にはかなりの熟練を必要とします。観察は電子線で
捉えた試料の画像を蛍光板に投影して行ないますが、焦点合わせや像質の調整
作業は全て暗室の中で行うことが必要です。また、画像の記録は写真フイルム
を用いるため、感光・現像・焼き付けといった一連の作業も暗室で行うことが
必要であり、その場で像の確認を行えませんでした。このため、観察・記録の
両面で改善が望まれていました。
今回製品化した高感度TVカメラシステム「UTK−2000」では、通常の
TVカメラと比較して64倍もの感度をもち、約0.1ルックスという月明かり
程度の暗闇でも鮮明な画像を得ることができる、撮像デバイス「スーパー
ハーピコン(R)」を採用したため、リアルタイムに観察が行えます。
また、記録面においても、通常のTV映像の約3倍の密度でデータをパソコン
に記録・保持し、そして透過電子顕微鏡用TVカメラとしては初めて露光時間
を8秒まで可変できるようにした結果、観察画像と比べて約250倍の明るさ
で高品位の記録も可能となりました。
さらに、本システムはTVカメラとパソコンから構成されており、ユーザーの
所有する各種解析ソフトやネットワークにより画像処理を行ったり、イーサネ
ットによるデータ転送といったことも可能となります。
当社では、今回の製品化により、全ての操作が明るい部屋で簡単に行え、また
観察した画像もその場で出力できる等、透過電子顕微鏡使用時の操作性が大幅
に改善されるため、応用分野が急速に拡大するものと考えています。
< 浜松ホトニクス社の概要 >
会社名  : 浜松ホトニクス株式会社
所在地  : 静岡県浜松市砂山町325−6
創立   : 1953年9月
代表者  : 晝馬 輝夫(代表取締役社長)
事業内容 : 光電子増倍管やUVスポット光源などの光電変換管、
フォトICなどの光半導体素子、微弱光撮像カメラや超高速測光カメラ
などのシステム機器、ポジトロンCTなどの機器の製造販売、光技術に
関する受託研究など。
(*1)スーパーハーピコン(R)とは、日本放送協会(NHK)と日立
製作所が共同開発したアモルファスセレンを主体とした材料により構成
された高感度アバランシェ増倍形光導電膜を使用した撮像管です。
ハーピコン(R)(HARPICON)は、日立の登録商標でHigh−gain
Avalanche Rushing amorphous Photoconductorから命名されています。
(*2)透過電子顕微鏡とは、薄片化した試料に、数百kVの電圧で
加速された電子線を照射し、その試料を透過してきた電子によって出来る
像を観察する装置です。像観察分解能 約0.2nm、元素分析分解能 約0.5nm。
< 主な仕様 >
1. 記録画素数     1024×768 pixel
2. 記録画階調     10 bit
3. 露光時間      最大8秒
4. 動画観察出力信号  NTSC
5. 動画中心水平解像度 800TV本以上
< 出荷 ・ 価格 >
   1. 出荷:平成8年3月
   2. 予定価格:22,000,000円
                            以 上

All Rights Reserved, Copyright (C) 1995, Hitachi, Ltd.
WRITTEN BY Secretary's Office