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2002年5月22日
 
手術支援ロボットとして内視鏡下手術支援ロボットを製品化
− 治療支援ソリューション「intelliOpe(インテリオペ)事業」を開始 −

内視鏡下手術支援ロボット「MTLP-1」(システム構成例)

    株式会社日立製作所医療システム推進本部(本部長:鈴木隆一)は、執刀医自身による内視鏡操作を可能とする手術支援ロボットとして内視鏡下手術支援ロボット「MTLP-1」を製品化します。7月より受注を開始し、今後5年間で500台の販売を目指します。また、術中MRI支援手術やロボット支援手術などを活用したインテリジェントな手術環境を提供するソリューションとして「intelliOpe(インテリオペ)事業」を推進していきます。

    健康寿命の延伸と高齢化社会における医療のあり方として、患者に対するダメージの少ない「低侵襲治療」が求められてきています。「低侵襲治療」とは、例えば小さな切開による手術であり、手術での患者負担が減少し、早期社会復帰が可能となり結果としてQOL(Quality of Life)の向上を図ることができます。安全・正確な低侵襲治療のためには手術情報の可視化や執刀医の手技を支援する技術が必要となってきます。

    このうち、いわば医師の「進化した目と手」となって手術を直接支援するサービス・ソリューションとしての手術支援ロボットについては、開発・実験レベルでは、これまでに、機械研究所、中央研究所、システム開発研究所においてマイクロ手術用、MRI手術室対応用などの手術支援ロボット等に取り組んできましたが、このたび、東京大学、九州大学の協力のもと、内視鏡下手術支援ロボット「MTLP-1」を製品化し、国内メーカ初の手術支援ロボットとして厚生労働省より医療用具認定を受けました(医療用具製造承認番号 21400BZZ00150000)。製造については、現在、医療用具製造許可を申請中の日立湘南電子(株)が担当します。
    従来の腹腔鏡下手術では助手が内視鏡を保持し視野操作を行っていますが、執刀医の見たい部位の画像を素早くモニターに提示しにくいとういう問題がありました。「MTLP-1」は、助手の代わりに内視鏡を保持し、術具を持った状態で執刀医自身が内視鏡の視野移動操作を行うことを可能とします。これにより、今まで以上に安全・確実な手術の実現が期待されるとともに、医療機関における手術スタッフの有効活用が可能となり、経営の効率化の向上が図れます。
    開発にあたっては、東京大学土肥健純(どひたけよし)教授と共同で開発を進めてきたロボティックスのマニピュレーション技術を応用することにより、執刀医による内視鏡視野の移動が自在に行えるようにしました。また、安全性の観点から、内視鏡の移動による他臓器の損傷や術具との干渉、誤作動等を起こしにくく、故障しにくい機構としています。さらに、九州大学橋爪誠教授の協力を得て臨床での有効性を実証し、実用化に至りました。

    また、当社は、「Inspire the Next事業」の「安心健康ソリューション」の一環として、インテリジェントな治療環境を提供するソリューションサービス「intelliOpe(インテリオペ)事業」を推進していきます。具体的には、手術支援ロボットや手術状況のモニタリングを可能とする術中MRI撮影システムや、手術ナビゲーションシステム等ITを駆使した低侵襲・高精度な治療を可能とするインテリジェント手術室環境の構築、およびその運用支援等のサービス提供を行っていきます。既に、(株)日立メディコ、東京女子医科大学などと共同で開放型MRIを用い、ダイナミックに手術状況のモニタリングが可能な手術室を開発し、実用化しています。今後は、手術支援ロボット、手術ナビゲーションシステム、再生医療向けシステム等のメニューを充実させるとともに、より安全・確実・迅速な手術の実現に向けたシステムの開発、構築及び運用を支援するソリューションサービス事業を行っていきます。

■価格、受注開始時期及び販売目標
製品名 受注開始時期 標準価格(税別) 販売目標
内視鏡下手術支援ロボット
「MTLP-1」
2002年7月
(予定)
3,200万円〜
(システム構成価格)
5年間で500台

■「MTLP-1」の特長
1. 執刀医自身による内視鏡視野の移動が自在。
    執刀医は、手術紺子などの術具に取り付けた操作スイッチのボタンを押すことで、内視鏡姿勢を制御し、指定した方向に内視鏡の視野を移動できます。

2. 安全性の確保
以下の様に安全性を機構的に確保しました。
  内視鏡の腹腔への挿入孔で固定し、機構的に挿入孔を中心に内視鏡を回転させるので内視鏡の移動により挿入孔を傷つける恐れがない。
内視鏡の腹腔内深部方向への直動動作がないため、臓器干渉の恐れがない。
腹腔への挿入孔からの内視鏡の退避が容易な構造とすることにより、術中、患者が突然動き出しても内視鏡により患部が傷つけられる恐れがない。
自由度を限定し機構を単純化したことにより、誤作動を起こしにくく、故障しにくい。

以 上



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