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2002年4月22日
 
1チップに、接触/非接触のデュアルインタフェースを搭載した
ICカード用マイコン「AE45Xシリーズ」を製品化
− 接触式での高度なセキュリティと、非接触式での高速通信により、
金融分野などの多目的用途のマルチアプリケーションICカードに最適 −

    日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 伊藤 達)は、このたび、ICカード用マイコンとして、1チップに接触および非接触のデュアルインタフェースを搭載し、さらにマルチアプリケーションを可能にする大容量メモリを搭載した「AE45Xシリーズ」を製品化しました。第一弾として「AE45X-B」を製品化し、2002年7月からサンプル出荷を開始します。
    本製品は、当社がICカード用途に開発した16ビットCPUコア「AE-4」を内蔵し、不正読み出し等を防止する高セキュリティ機能を搭載しています。また外部インタフェースとしては、接触用として「ISO7816(注1)」準拠のインタフェースを、非接触用については、「ISO14443 Type-B(注2)」に準拠のインタフェースを搭載しています。本製品の強固なセキュリティ機能と、接触/非接触のデュアルインタフェース搭載により、金融分野も含めた多目的用途のICカードの実現と低価格化が図れます。

    近年、マイコンを搭載したICカードは、携帯電話におけるGSM-SIM(注3)やW-CDMA-UIM(注4)カード、金融分野でのクレジットカードやキャッシュカード、そして交通分野での電子乗車券やETC(注5)カード等、多くの分野で採用され運用が開始されています。従来は、1枚のカードで1つの機能を実現する単機能カードが主流でしたが、多くの分野でICカードが採用されてきたことから、1枚のカードで複数の機能を実現するマルチアプリケーションカード化が進んでいます。さらに、従来の接触方式に対して、交通機関など高速通信が必要な分野や利便性を追求する流通分野などでは非接触方式の採用が拡大しており、複数の分野で共用されるマルチアプリケーションカードでは、接触と非接触の両方式に対応できるデュアルウェイ方式が必要となってきました。 しかし、デュアルウェイ方式を実現するには、これまで、1枚のカードに、接触用ICと非接触用ICの合計2個のチップを実装することが一般的でしたが、それぞれのICチップ間でのデータ共用が必要なことや開発コストの増加、カードの低価格化を図れない等の問題があります。このため、1チップで、デュアルウェイ方式とマルチアプリケーションに対応できるデバイスのニーズが強まっています。

    そこで、当社はこのニーズに対応するため、ICカード用マイコンの16ビットCPUコア「AE-4」を内蔵し、接触および非接触インタフェースを1チップに搭載した「AE45Xシリーズ」を開発、第一弾として「AE45X-B」を製品化しました。本製品の特長は以下のとおりです。

<製品の特長>
(1)1チップで接触/非接触のデュアルインタフェースを実現
  接触用は、「ISO7816」準拠の接触インタフェースを搭載。非接触用は、公共分野で採用予定の「ISO14443 Type-B」準拠のインタフェースを搭載。1チップで接触/非接触のデュアルインタフェースを実現しているため、開発コストの低減とICカードの低価格化が可能。

(2)大容量メモリの内蔵により、マルチアプリケーション化に対応可能
  36KバイトのEEPROMおよび128KバイトのマスクROMと大容量メモリを内蔵。
これにより、接触/非接触での各機能を実現するアプリケーションプログラムを複数格納することが可能となり、ICカードのマルチアプリケーション化に対応。さらに、今後採用が増えると予想されるMULTOSTM(注6)やJava CardTM(注7)などの汎用OSも格納可能。

(3)高セキュリティ機能を搭載し、強固なデータ保護を実現可能
  セキュリティ機能として、今後、セキュリティデータ通信のベース技術となるPKI(注8)に対応する「べき乗剰余演算用プロセッサ」、および共通鍵方式の「DES(Data Encryption Standard)暗号対応プロセッサ」を搭載して暗号の高速処理を実現し、強度の高い暗号化に対応。さらに、金融カードなどの高セキュリティが要求される分野対応として、外部からのアタックに対する各種の検知器や保護機能、内部データの暗号化、チップ配線のシールド等を搭載。これにより、高機能で強固なデータ保護セキュリティを実現。

    開発環境は、従来の「E6000エミュレータ」に「AE45X」対応の機能を加えたものを用意しています。さらに、従来の「AE-4シリーズ」のマイコンとソフトウェアの互換性があるため、OSやアプリケーションプログラム等の既存ソフトウェア資産を流用することが可能です。
出荷形態は「ウェハ」と「COT(Chip On Tape)」を準備しています。

    今後、他の接触/非接触インタフェースへの対応製品の開発など、ICカード用マイコン「AEシリーズ」の製品ラインアップ強化を図り、幅広い応用分野に対応した製品を開発していきます。

(注1) ISO7816:接触式ICカードの標準規格であり、カードの物理特性、端子位置や寸法、電気信号のプロトコル、共通コマンドなどを規定している。
(注2) ISO14443 Type-B:非接触ICカード(近接型)の標準規格であり、物理特性、無線周波数の電力や信号インタフェース、衝突防止処理や伝送プロトコルなどを規定している。
(注3) GSM-SIM:(Global System for Mobile communications - Subscriber Identity Module) GSMは携帯電話などの移動体通信の方式。SIMカードは利用者情報を記憶するカードで、カードをGSM電話機に組み込むことで、カード所有者の情報により電話する事が出来る。
(注4) W-CDMA-UIM:(Wide band−Code Division Multiple Access - User Identity Module) W-CDMAは次世代携帯電話に使用される通信方式の一つ。従来のGSM,PDC等の方式に比べ、音声品質の向上、高速データ通信、国際ローミングを目標としている。UIMカードは、GSMに使用するSIMと同様に利用者情報を記憶するカード。
(注5) ETC:Electronic Toll Collection systemの略。ノンストップ自動料金収受システムのことで、車両が有料道路の料金所を通過する際に、路側無線装置と車両に搭載された車載器との無線通信によって、自動的に料金収受を行うシステム。
(注6) MULTOS:Multi Application OSの略で、英国Mondex International Limited の登録商標です。
(注7) Java および Java関連の商標及びロゴは、米国Sun Microsystems, Inc.の商標です。
(注8) PKI:Public Key Infrastructureの略。公開鍵基盤と呼ばれる暗号技術と電子署名を使って、安全な通信ができるようにするための環境で、現在のネットワーク暗号を支える重要な技術の1つ。


■応用機器
各種ICカード
マルチアプリケーションカード、金融統合カード、流通系統合カード、電子乗車券統合カード、 住民基本台帳カードなどの公共分野カード、クレジットカード、電子マネーカード、 銀行キャッシュカード、社員証、身分証明IDカード、ネットワークカード、ポイントカード
ワークステーション、パソコン等のセキュリティチップ

■価 格
製 品 名 出荷形態  サンプル価格(円)
 AE45X-B  HWD65145XBT     ウェハ(unsawn) 700
 HWD65145XBTD     ウェハ(sawn) 730
 HD65145XBDB     COT 800

■仕 様
 型 名  AE45X-B
 製 品 名 HWD65145XBT 
HWD65145XBTD
HD65145XBDB 
 CPUコア AE-4
 メモリ  EEPROM (バイト) 36K
 ROM (バイト) 128K
 RAM (バイト) 4K
 コプロセッサ  ・べき乗剰余演算用プロセッサ
 ・DES暗号対応プロセッサ
 セキュリティ機能  電圧/周波数等の各種異常検出器、
 ウォッチドッグタイマ、乱数発生器 等
 インタフェース  接触 ISO7816
 非接触 ISO14443 Type-B
 動作周波数/動作電圧(接触動作時) 1〜10MHz / 5V
1〜5MHz / 3V
 出荷形態 ウェハ、COT

以 上



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