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2002年1月23日
株式会社 日立製作所
株式会社富士通研究所
富士通株式会社
IPを利用したシステムLSI設計の効率を向上させるインタフェース仕様記述方式を共同研究
−設計検証の工数削減とインタフェース仕様記述言語の標準化を目指す−
   日立製作所中央研究所と富士通研究所、富士通は、このたび、システムLSIの設計技術に関する共同研究を開始しました。LSI設計者がIP(Intellectual Property)※1)を容易に利用できる設計環境の実現に向け、IPのインタ フェース仕様※2)を記述するための計算機言語とそれを活用したシステムLSI設計手法を共同で研究開発します。本言語を業界内で広く普及させるため、3社はその言語仕様を無償で公開します。

   システムLSIを設計する際には、その仕様と目的に応じた処理を行うための論理回路モジュールが必要となります。近年、システムLSIの高性能化とともに設計コスト削減の要求が高まり、過去に開発した論理回路のIPを再利用する技術が注目されています。IPの再利用や社外調達により、設計コストの削減を図ることが可能になります。しかし現在のところ、IPのインタフェース仕様が明確でなく、IPを利用してLSIを設計する際に、IPが正しく組み込まれたかどうかを検証するために多くの工数を必要としています。

   そこで3社は、日立製作所が従来開発していたインタフェース仕様記述言語に富士通研究所、富士通が開発していた仕様記述や論理検証の技術を加え、新しいインタフェース仕様記述言語を作成しました。この言語により、従来のシステムLSI設計では文字と図表によって表現していた信号の複雑な時間変化や制約条件などを、計算機が直接理解できるようになります。例えば、図表や文章により30頁にわたり記述されたあるバスプロトコルのインタフェース仕様は、この言語では400行で記述できました。また、計算機が直接理解可能なインタフェース仕様記述により、IPを接続する際の作業を自動化して設計工数の削減と設計期間を短縮するための道が開かれます。

   3社は、今後の共同研究において、以下の研究を進めていきます。
  (1) 本言語の機能拡張:高性能なIPに用いられるパイプライン動作などの複雑な並列動作を容易に記述するための機能や、制約条件などの付加情報を記述する機能などを強化します。
  (2) 本言語を用いた設計支援手法の研究開発:LSIの設計検証支援ツールなどの要素技術の研究開発にとどまらず、本言語を効果的に用いた設計の流れを提案していきます。

   共同研究の第一段階として作成された言語仕様は、2月1日より各社のホームページ※3)から無償で入手することができます。本言語の一部は既に半導体理工学研究センター(STARC)へ採用の提案をしています。今後は、同ホームページにおいて本言語の活用に賛同する大学や企業を募るとともに、言語の標準化に向けた業界標準化団体への提案を進めていきます。

【用語説明】
(1)IP(Intellectual Property):設計資産となる既設計の論理回路。MPEGやJPEG等の画像処理、USBやIEEE1394等のインタフェース機能など汎用的に利用される機能を備えた論理モジュールをIPとして再利用します。LSIメーカが自社内で再利用する他、LSI設計会社が商品として販売します。

(2)IPのインタ フェース仕様:IPの端子をどのように接続すれば良いのか、その端子にどのような信号を入力すれば良いのかを定義した情報です。一般的にはマニュアル等のドキュメントに書かれており、複雑な信号変化を文字や図で記述していますが、記述内容の曖昧さから設計者が誤解し、設計不良を引き起こす場合もあります。

(3)http://koigakubo.hitachi.co.jp/ および http://www.labs.fujitsu.com/(予定)

以 上




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