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2001年12月11日

 

 
音楽配信システム「ケータイdeミュージック」のメモリ規格
「セキュアマルチメディアカード」がMMCAのコンテンツ保護・配信の標準規格として採用
− 安全で柔軟なデジタルコンテンツの配信、記録、再生技術として標準化決定 −
  株式会社 日立製作所(以下、日立)および三洋電機株式会社(以下、三洋)は、このたび、コンテンツ保護機能付き「セキュアマルチメディアカード」(注1)が、「マルチメディアカード」(注1)等小型カードの標準化・推進団体であるマルチメディアカード アソシエーション(以下、MMCA)において、コンテンツ保護・配信を行う標準規格として採用されたことを発表します。

  「セキュアマルチメディアカード」はデジタル音楽配信システム「ケータイdeミュージック」(注2)のメモリ規格であり、日立と三洋がMMCAに標準規格として提案していたものです。 11月の総会で承認され、MMCAでも12月10日に発表を行なっています。 (URL:http://www.mmca.org
  MMCAは、モバイル用途の小型・低消費電力カードの標準化、普及活動を行う団体で、世界各国の携帯電話や、PDA、シリコンオーディオプレーヤ等のシステムメーカ、半導体/カードメーカや、周辺ハード/ソフトメーカ100社以上で構成されています。今回の採用は、「セキュアマルチメディアカード」が安全で柔軟なデジタルコンテンツの配信、記録、再生技術であることが裏付けられたもので、標準化されることにより、今後さらなる普及が期待されます。

  「セキュアマルチメディアカード」は、標準の「マルチメディアカード」との互換性を保ちながら、ICカードで実績の有る公開鍵技術基盤(以下、PKI)を用い、さらに暗号鍵などの秘密情報をハードウェアで保護することにより、ハッカーからの電子的な攻撃に耐えうるセキュリティレベルを達成しています。 また、コンテンツ保護と共にユーザの利便性を考慮した「超流通」(注3)の機能により、「暗号化されたコンテンツ」と「暗号を解く鍵であるライセンス」を別々に流通することができるため、コンテンツが入手しやすく、ダウンロード時間が短縮できるという特長があります。

  本仕様に基づく「セキュアマルチメディアカード」は、CD並み音質での音楽配信システム「ケータイdeミュージック」の記録メディアとして既に発売されており、「ケータイdeミュージック」は、2000年11月からDDIポケット株式会社の「Sound Market(サウンドマーケット)」サービスとして実用化されています。
また、上記のような著作権を有するコンテンツの配信に加え、「セキュアマルチメディアカード」は、団体や企業内における個人やグループ間の秘密情報の配布等にも使うことが出来ます。

  PKIと耐タンパ(Tamper)性の高い「セキュアマルチメディアカード」を用いたセキュリティ・システムは、現在モバイル機器で使われているソフトウェア方式や対称鍵方式のセキュリティ・システムよりはるかに強固なセキュリティを実現出来ます。こうした安全性と利便性が認められ、このたび「セキュアマルチメディアカード」の仕様がMMCAの標準規格として採用されたものです。MMCAのエグゼクティブ・ダイレクタであるAndy Prophet氏は、次のように述べています。「この世界的なオープン規格の制定は、マルチメディアカードを用いたピア・ツー・ピア(注4)なデジタル配信を実現するための重要なマイルストーンです。これにより、著作権を有するデータの不正使用の問題を解決することが出来ます。そして、この規格の特長を活かした携帯電話、PDAなどを用いた個人向けや企業向けの幅広いモバイルアプリケーションが開拓され、強固なセキュリティを必要とする用途である個人データの保管から、企業のデータベースへのアクセスおよび音楽、ニュース、ゲーム、地図、写真、ビデオ、カラオケなどのデジタルコンテンツの配信に使われます。コンテンツ提供者と消費者の双方の役に立つセキュアマルチメディアカードをアプリケーション提供者がそれぞれのマーケットで採用することで、このオープン規格は広がって行くでしょう。」

(注1) セキュアマルチメディアカード:
Secure MultiMediaCardは、コンテンツ保護などのセキュリティ機能を内蔵したマルチメディアカードの総称。
マルチメディアカード:MultiMediaCardTMは、独Infineon Technologies AGの商標であり、MMCA(MultiMediaCard Association)にライセンスされています。
日立、三洋はMMCAのボードメンバです。(http://www.mmca.org)
(注2)   ケータイdeミュージック:
ケータイdeミュージックは、携帯電話やPHSに音楽等のデジタルコンテンツを配信するシステムの技術規格。汎用的なコンテンツ保護基盤技術で、セキュリティガイドライン、プロトコル規格、メモリカード規格およびダウンロード・再生システム規格から構成される。
本規格を普及促進する為の団体であるケータイdeミュージック・コンソーシアムは、三洋電機株式会社、株式会社日立製作所、富士通株式会社、日本コロムビア株式会社、株式会社PFUによって1999年に設立され、現在40社を超えるメンバーで構成されています。
http://www.keitaide-music.org/
(注3)   超流通:コンテンツ情報を「所有する」ことに対価を支払うのではなく、「使用する」ことに対して料金を支払う仕組みで、情報提供者の権利と利用者の便利さとが保証される。
(注4)   ピア・ツー・ピア:情報の流通において、中央のサーバを介せず、情報の送り手(ピア)と受け手(ピア)が直接情報の共有を行うこと。

[MMCAについて]
  MMCAは、切手サイズでリムーバブルなデジタル情報を記憶するマルチメディアカードの規格を、世界的に普及促進するために、1998年に14社で設立されました。組織は急速に発展し、現在100社を超えるメンバで構成されています。これらのメンバは、半導体メーカ、ソフトウェア・メーカに加え、音楽プレーヤ、携帯電話、PDA、デジタルカメラ、ボイスレコーダ、GPSナビゲーション装置、バーコードリーダなど、あらゆるモバイル用途のメーカーを含んでいます。MMCAは、あらゆるタイプのマルチメディアカードのオープン規格を開発・規定し、MMCAメンバによって生産されたカード間の相互運用性を保証します。マルチメディアカードは、その優れた特徴により、多くのホストプラットフォームで使われる、小型リムーバブルな記憶メディアになりつつあります。MMCAの本部は、米国カリフォルニア州クパチノ市に有ります。更に詳細な情報は、インターネットホームページwww.mmca.orgを参照下さい。

[マルチメディアカードについて]
  マルチメディアカードは現在商品化されているなかで、世界で最も小さい(24mm x 32mm x 1.4mm) リムーバブルな半導体メモリカードです。MP-3音楽プレーヤ、携帯型ビデオゲーム、ノート型パソコン、PDA、携帯電話、デジタルカメラの様なモバイル用途のメディアに適しています。この、便利で、信頼性が高く、丈夫で、軽量な、標準化されたメモリカードは、現在128Mバイト品まで、製品化されており、120分のMP-3デジタル音楽、8万ページの本のデータ相当のコンテンツを記録できます。マルチメディアカードは、読み出し専用の用途にはROM技術、読み/書きの用途にはフラッシュメモリ技術を使います。このカードは、高いシステム性能を実現する高速性、携帯機器の電池寿命を延ばす低消費電力、一般消費者向けシステムに使えるコストを実現しています。

[セキュアマルチメディアカードについて]
  強固なセキュリティレベルを達成するために、セキュアマルチメディアカードには、ハードウェアで構成した耐タンパ性モジュール(TRM*)が使われています。これにより、カード内の秘密情報への不正アクセスや、ソフトウェアの改ざんを防止することが出来ます。「ライセンス」は、ハードウェアで守られたTRM領域に格納し、コンテンツは、ユーザが自由にアクセス可能なフラッシュメモリ領域に格納されます。また、本カードに、ハードウェアで構成された暗号エンジンを搭載することにより、データセキュリティのオープン規格として広く採用されているPKI方式を使って、データを安全に処理することが出来ます。更に、カードに暗号/復号/認証機能を搭載することにより、ダウンロード端末での暗号処理が不要となり、低消費電力が要求されるモバイル機器に適した方式になっています。
  セキュアマルチメディアカードはマルチメディアカードと上位互換かつ、厚さも含めて同サイズを実現しています。

TRM(Tamper Resistant Module):半導体チップなどの内部解析や改ざんを物理的および 理論的に防衛する技術。

[ケータイdeミュージックについて]
  ケータイdeミュージック・コンソーシアムは、三洋電機株式会社、株式会社日立製作所、富士通株式会社、日本コロムビア株式会社、株式会社PFUによって1999年に設立されました。組織は、現在40社を超えるメンバーで構成されています。ケータイdeミュージックは、デジタル配信のための汎用的なコンテンツ保護基盤技術で、下記に関する、セキュリティガイドラインと仕様を決めています。
  (1)システム接続プロトコル
  (2)セキュアマルチメディアカード
  (3)ダウンロード/再生装置
  (4)PC・PDAなどとのホスト接続インターフェイス
  (5)デバイスドライバインターフェイス
  この技術は、突然回線が切断された場合にも、その時点からダウンロードを再開するプロトコルになっているため、携帯電話網に適しています。ケータイdeミュージックを使ったデジタルコンテンツ配信サービスは、2000年11月に日本で始まりました。それは、携帯電話網を使った世界初の音楽配信サービスで、2000以上のコンテンツが揃っています。このサービスにアクセスするための携帯電話は、 SDMI(Secure Digital Music Initiative)の要求に適合しており、音声通話、音楽ダウンロード、携帯オーディオプレーヤの3つの機能を、世界で初めて一つの携帯電話に組み込んだものです。消費者は、このシステムを使って、最新のヒット曲からクラッシックの曲まで、いつでもどこでもCD並みの音質で楽曲を入手することが出来ます。記憶容量は、現在64Mバイトのカードが販売されており、2002年の初めには128Mバイトのカードが予定されています。
  ケータイdeミュージック・コンソーシアムは、ケータイdeミュージック技術の普及を促進しており、今後、韓国、中国、ヨーロッパ、米国へ広げて行くことを期待しています。更に詳細な情報は、インターネットホームページwww.keitaide-music.orgを参照下さい。

[超流通について]
  「超流通」方式では、保護したいコンテンツは、コンテンツに対応した暗号鍵で暗号化され、携帯電話、インターネット、CD−ROM、KIOSK端末などの色々なチャネルを通じて自由に配信されます。ユーザは、著作権のあるコンテンツを入手し、制限なく複製することが出来ますが、暗号を解くための鍵情報を含む「ライセンス」なしでは、暗号化されたコンテンツを再生することは出来ません。これによって、合法的なピア・ツー・ピアの配信が実現出来ます。「ライセンス」と暗号化されたコンテンツは、別々に、異なったチャネルを通して、異なった時に配信することが出来ます。これにより、ユーザは、好みの配信サービスを選ぶことが出来ます。同時に、コンテンツの所有者は、個々のユーザに合わせた「ライセンス」条件を設定出来るので、幅広いニーズに対応したサービスを提供することができます。

以 上




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