日立製作所 産業機器グループ(グループ長＆CEO：矢内勝也)は、このたび、圧縮空気や窒素ガ
スを冷却することでマイナス１０℃〜マイナス２０℃の低温圧縮空気を連続供給できる超低温空
気発生装置「PUROFRIO(プロフリオ)*」４機種を3月1日から発売します。本製品は、空気圧縮機
用のエアードライヤー等で実績ある冷却技術を応用し開発した製品で、工場での既存のエアー配
管から、加工対象物の直接冷却、あるいは冷却ライン等へ冷風が供給できます。また、移動しや
すいようにキャスター付の小型パッケージ化しています。
*「PUROFRIO(プロフリオ)」は、スペイン語のPuro(きれいな)とFrio(冷たい)の造語(商標登
録出願中)
環境問題への関心の高まりから機械加工の分野では、クーラント冷却に代わる冷却方式として
ドライ切削加工(冷風加工)が注目されています。ドライ切削加工は、冷却後の廃液等の処理が不
要であり、環境改善に効果が期待されます。また、冷風をあてることにより、工具の寿命が延長
する等のメリットもあり、低温空気発生装置のニーズが高まっています。
こうしたニーズに対応して当社は、空気圧縮機のエアードライヤー等周辺機器の技術を応用し
て、マイナス１０℃〜マイナス２０℃の低温供給が行え、小型化、低価格を実現した低温空気発
生装置を製品化しました。本製品は、工場現場において他の用途に使用している圧縮空気を本製
品にも供給して、機械加工や金型、電子部品の冷却等、様々な用途にも利用できます。
また、既設の圧縮空気でヒートレスドライヤーを使用している場合や、窒素ガスをさらに冷却
したい等の利用を考慮して、ヒートレスドライヤーが無く冷却部分のみを搭載した分散設置型も
シリーズ化しました。単独設置型、分散設置型各々処理流量は、０．８５m3/minと１．８m3/min
の２つの対応機種があり、計４機種のラインナップとなっています。なお、本製品は用途に応じ
た圧力設定が可能です。
■用途例
・加工しながら冷やす用途（金型・電子部品等の冷却）
・冷風乾燥させる用途（コーティングのスピードアップ乾燥）
・品物をその場で急速に冷やす用途（食品加工の窒素ガス冷却）
・工具寿命を延ばす用途（木工機械のカッター冷却、超硬切削作業等）
・水、油、クーラントの代替用途（工作機械の冷却）
■冷却方式
一般的に圧縮空気の冷却は、冷凍式ドライヤーを用い１０℃程度のものですが、今回はこれを
さらに冷却し、マイナス１０℃からマイナス２０℃とするため、圧縮空気中に存在する水分が凍
結しないように除湿する必要があります。本製品は、当社の空気圧縮機の補器として実績のある
技術の応用製品として、前段で吸着剤による圧縮空気中の水分除去をヒートレスドライヤーで行
ない、次に冷凍機にてマイナス１０℃〜マイナス２０℃まで冷却します。この２つの処理を1つの
ユニットにして製品化しました。
■日立超低温空気発生装置 「ＰＵＲＯＦＲＩＯ」の特徴
・小型ボデイで低温圧縮空気を連続供給
・内蔵レギュレータで使用圧力を調節可能
・流量調節により温度をマイナス１０℃〜マイナス２０℃まで調節可能
・キャスター標準装備で設置、移動も簡単
・省スペース
■発売機種・標準仕様・価格・販売目標
| 型 式 | 単独設置型 | 分散設置型 |
| HSC-09D | HSC-18D | HSC-09 | HSC-18 |
| 流体 | 圧縮空気 | 圧縮空気・窒素ガス |
| 入口流量(m3/min) | 0.85（0.4） | 1.8（0.9） | 0.74（0.29） | 1.5（0.63） |
| 入口圧力（MPa） | ０．４９〜０．９２ |
| 出口流量*(m3/min) | 0.74（0.29） | 1.5（0.63） | 0.74（0.29） | 1.5（0.63） |
| 出口温度（℃） | −10（−20） |
外形寸法（ｍｍ）
(幅×奥行き
×高さ) | 420×670×915 | 485×925×1,350 | 300×705×790 | 300×955×955 |
| 製品質量（ｋｇ） | ９０ | １６０ | ７０ | １２０ |
標準価格
（税抜)(円) | 2,750,000 | 5,060,000 | 1,380,000 | 2,530,000 |
*出口流量は入口圧力0.69MPa、入口温度30℃、周囲温度30℃における値です。
・販売目標 １００台／年
以上
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