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平成12年9月11日
日立と米国MolSoft社が構造ゲノム解析ソフト事業で提携
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 日立製作所 ライフサイエンス推進事業部(事業部長&CEO:田口裕也、以下、日立)は、このたび、
米国MolSoft LLC(CEO:Margarita Abagyan、Founder:Ruben Abagyan、以下、MolSoft社)の、構造
ゲノム解析ソフトウェアBioPackage「Internal Coordinate Mechanics Ver2.8」(バイオパッ
ケージ(インターナル コーディネート メカニックスVer2.8))の日本における独占販売権を取得し、同
ソフトの販売ならびに同ソフトを有効活用するための情報基盤構築サービスを9月20日から開始しま
す。

 ヒトゲノムの全配列情報の解明が進展する中、製薬メーカーによるゲノム情報に基づく創薬研究、い
わゆるゲノム創薬研究開発が激化しています。これらの研究開発推進のためには、膨大な遺伝子配列の
解析に加え、配列間の類似度や蛋白質構造と機能との関係、さらには疾患との関連などを解析するソフ
トウェアが必須であり、これらソフトの開発・利用を推進するバイオインフォマティクスの重要性が高
まっています。

 こうした製薬メーカーのニーズに応え、日立は、遺伝子に組み込まれているアミノ酸配列や、それを
もとに構成される蛋白質の立体構造の予測、処理において、市販のソフトウェアツールの中でもトップ
クラスの性能を持つMolSoft社のBioPackage「Internal Coordinate Mechanics Ver2.8」の日本に
おける独占販売権を取得し、同ソフトと同ソフトを有効活用するためのデータベース環境などの情報基
盤構築サービスを9月20日から開始します。
  本ソフトは、蛋白質やペプチド、低分子、DNAなどの分子構造におけるエネルギーの安定構造を最
適化計算により求めます。蛋白質の2次元、3次元表示の重要性が認識される中、本ソフトはダイナミ
ックなGUI(Graphical User Interface)により3次元構造のグラフィック表示やアニメーション表
示を実現します。
 
MolSoft社は、1994年に設立され、蛋白質の立体構造解析ソフトウェア開発を核に急成長している
米国のベンチャー企業です。同社のソフトは、Novartis社、Scripps研究所をはじめとする欧米の主要
企業、大学や研究所に採用されており、創薬に対するソリューションを提供するゲノム情報分野のリー
ディングカンパニーです。

 日立は、1999年10月にライフサイエンス推進事業部を設立し、これまで遺伝子配列解析サービ
ス、遺伝子多形解析サービス、遺伝子発現解析サービス、蛋白質間相互作用解析・データベース構築サ
ービス、ならびに遺伝子配列解析のためのソフトウェアツールやデータベースなど、総合的情報支援サ
ービスを提供してきました。今回の独占販売権の取得により、こうした情報支援サービスを強化・拡大
し、ゲノム情報を含めたトータルソリューションの展開により、製薬メーカーの情報基盤整備を支援し
ます。

■「BioPackage」の主な機能
1.GUI機能:
  蛋白質やペプチド、低分子、DNAなどの分子構造におけるエネルギーの安定構造を求めるための
最適化計算や、3次元構造によるパワフルなグラフィック表示、アニメーション表示を実現します。
グラフィックはPOV(*1)をサポートしています。さらに、配列や分子構造の記述ツールも用意して
います。
(*1):Persistence of Vision Raytracer

2.ホモロジー機能:
  ループのデータベース検索を援用した高速のホモロジーモデリングやループのモデリング、側鎖の
回転を考慮したモデリングや付加などが可能です。

3. ドッキング&ケミストリ機能:
  全原子(All atom model)を考慮したフレキシブルな受容体へのドッキングのモデリングや、連続的
に変形しうるリガンド(結合対象)に対する高速なグリッドポテンシャルを用いたドッキングのモデリ
ングが可能です。また、2次元の化学構造式からの3次元構造の生成、原子タイプと電荷の割り振り、
MMFF(*2)構造最適化、低エネルギーのコンフォーマー(配置座標)生成を実現します。

4. 静電場解析機能:
  高速で正確な境界要素法解析、静電場ポテンシャルによる分子表面の色分け、静電気的な溶液中で
の結合エネルギー計算、LogP(*3)評価が可能です。

5. バイオインフォマティクス、ゲノミクス機能:
  数百万のゲノム配列や蛋白質配列を高速に比較解析します。例えば、多数の部分配列のクラスタリ
ング、アラインメント、コンセンサス配列の決定、正確な2つのアミノ酸配列のアラインメント、局
所的な信頼性解析、立体構造の類似性・相同性評価、多数配列のアラインメント、ツリー構造、3D
クラスタリング、構造的アラインメントとホモロジー解析とのリンク、パターンサーチ、プロサイト
とプロファイル解析(*4)、2次構造予測等が可能です。

6. XPDB機能:
  アノテーション付き蛋白質構造データベース。

(*2):MMFF:精密な量子化学計算をもとに計算された分子計算用ポテンシャルです。
(*3):LogP評価とは、化学反応・触媒反応の解析に重要な荷電アミノ酸残基の解離定数の周辺のアミ
     ノ酸残基置換などによるシフトを静電場解析により定量的に計算するものです。ミュータント
     蛋白(変異体)での解離定数の違いを定量的に比較することが可能です。
(*4):プロサイトとプロファイル解析とはそれぞれ生物種に特徴的な機能をもっているアミノ配列を
     解析する計算方法です。

■標準価格:400万円/年(フル機能版の場合)

■Molsoft社の概要
1.本社所在地:3366 North Torrey Pines Ct, Suite 300, La Jolla, CA, 92037-1025, U.S.A.
2.代表者:CEO Margarita Abagyan
3. 従業員:12名
4. 売上高:未公開
5. ホームページ:URL:http://www.molsoft.com/




                                                                                 以上




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