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平成12年7月28日
CDMA方式を使ったロケーション技術の開発
−cdmaOneセルラーを使った屋内外実験により
フィジビリティを確認−
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  日立製作所中央研究所は、CDMA方式を使った高精度ロケーション技術を開発し、実環境において
平均して10〜20mの測定精度が実現可能であることを、第二電電株式会社(以下DDI)及び関西セル
ラー電話株式会社(以下関西セルラー)との共同実験により確認しました。本技術では、
GPS(Global Positioning System)を使わずに、セルラー基地局を衛星に見立て、そこから送信さ
れる電波を使って位置を測定します。また、GPSでは難しかった屋内においても、屋外と同程度の
精度で携帯端末の位置が特定でき、ロケーション機能付き端末の小型化や屋内外を問わない利便性
の向上が期待できます。

  携帯電話については、端末にロケーション機能を持たせることにより、ナビゲーションやガイド、
自分の位置を通信相手に教えるといった新たなサービス分野の開拓が期待されています。現在、端
末の位置を測定する方法として、低軌道を周回するGPS衛星からの電波を受信し、その伝搬距離から
携帯端末の位置を割り出す方法が主流となっています。しかしGPSを用いる方法では、屋内でGPS衛
星からの微弱な電波を受信することができないため、測定できなくなるという欠点がありました。

  今回開発した方式が採用するセルラー電話の電波を用いる方式では、セルラー基地局を衛星に見
立て、そこから送信される電波を使って携帯端末の位置を特定するため、GPS信号を受信する必要
がありません。このため、GPS受信機が不要となり、端末の小型化が期待できます。更に屋内でも使
用可能なことから利便性でメリットがあります。しかし、従来、この方式では測定精度が屋外でも
100m程度と十分ではありませんでした。

  今回開発した方式では、端末は多数の基地局から発信される電波を同時に受信し、各基地局と携
帯端末間の距離を測定し、得られた距離から三角測量の原理を用いて端末位置を特定します。距離
の測定には基地局から電波が発信される正確な時刻が必要で、発信時刻のずれをデータベース化し
ておき、位置計算時に補正します。さらに測定誤差を最小限に押さえるために、遠くにある基地局
の微弱な信号を検出可能とする新たな信号処理技術、及び使用する基地局を最適選択する技術を開
発しました。 
  そして、本方式の測定精度を評価するために、DDI及び関西セルラーと共同で、cdmaOneセルラー
を使用したフィールド実験を行い、無作為に選んだ複数のポイントにおいて測定を行った結果、開
放地、ビル街、及び屋内といった環境において、平均して精度10〜20mの測定が可能であるという
結果が得られました。この実験結果から、今回開発した位置測定方式が、屋外においてはGPSと同
程度で、かつ屋内でも屋外と同程度の測定精度であることを確認しました。但し、今回の実験では、
基地局からの電波の発信時刻の補正値として、測定結果の解析から推定された値を用いています。

  今回開発した方式では、屋内でも屋外とほぼ同じ精度で測定可能であるため、端末使用者は場所
を意識しなくても位置情報サービスを受けることができるため、使い勝手や信頼性が大幅に向上し
ます。

  本位置測定技術は、特にCDMA方式に有効であり、cdmaOneやcdma2000、W-CDMAといったセルラー
システムへの適用が考えられます。今後は一層の小型化、利便性の向上を目指した方式の開発を進
めていきます。



                                                                             以上




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