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日立ソフトボール部

日本女子ソフトボールリーグ1部:第8節

2008年度 試合結果

ソフトボールリーグ1部 第8節
2勝1敗と勝ち越し、通算成績15勝3敗 単独2位を維持

 10月11日〜13日にかけて、愛知県刈谷市刈谷球場で日本リーグ1部第8節が行われた。3連戦の初戦はシオノギ製薬と対戦。先の日本選手権、大分国体で奮わなかった打線がこの試合では奮起。初回二死から一挙7点を挙げる猛攻を見せ、さらには田中の自身リーグ戦初ホーマーなどで大量10点。瀬川が不運な当たりで1点を取られるものの、見事に4安打完投勝利。翌日のトヨタ自動車戦は立て続けの拙攻が響き、延長での粘りは見せるが、自滅する形での敗戦となり手痛い取りこぼし。1勝1敗で迎えた最終日の豊田自動織機戦は前日とはうって変わり、攻守に渡って完璧に近い内容で快勝。
 この結果、この節を2勝1敗と勝ち越し、通算成績15勝3敗で単独2位を維持した。
 第9節は10月18日〜19日、岐阜県岐阜市長良川球場で行われる。

 多くの皆様のご声援、ありがとうございました。
 また、シオノギ製薬の応援団の皆様、北京五輪出場組に対する温かいご声援、ありがとうございました。

対 シオノギ製薬戦(10月11日 日立ソフトウェア14勝2敗)

初回裏、二死から7点を奪う猛攻!! 田中のリーグ戦初ホーマーも飛び出し大勝

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7
シオノギ製薬 0 0 0 0 0 1 0 1
日立ソフトウェア 7 1 1 1 0 0 x 10
  • 【バッテリー】☆瀬川(5勝2敗)−鈴木,鮫島
  • 【本塁打】田中(3回) 【二塁打】濱本(1回),杉山(4回)
  • 【盗塁】溝江(1回),山田(2回)

試合レポート

リーグ戦前節から、国体、全日本総合が入り、それらの試合内容もややストレスがたまりつつある中、この8節初日は気持ちの良い勝ち方をしたいところ。先発ピッチャーは瀬川。立ち上がりの制球難をどう切り抜けるがポイント。その瀬川は、初回先頭打者を三振に切って取り、二死からセンター前ヒットを打たれるが、打たせて守備陣に任せるピッチングでまずまずの立ち上がり。また、2,3回も連続三者凡退と、むやみに三振を取りにいかず、コントロール重視の非常に安定したピッチングを見せる。

一方、打線は初回裏から打者一巡の猛攻を見せる。西山がいきなりのセンター前ヒットを放つと、森下はキッチリと送り、続く山田、馬渕は連続四球を選んで一死満塁の絶好チャンス。このチャンスは最低でも1点は欲しいところ。杉山が倒れて二死となるが、フルカウントから濱本がチェンジアップをうまくタイミングをとり、センターオーバーのタイムリー二塁打で走者一掃の3点を先取。

まだまだ攻撃は続き、二死ながら鈴木が四球の後、来條、溝江が連続ライト前タイムリー。打者一巡となり、西山もセンター前へ2点タイムリーの猛攻。初回、相手投手の制球難に付けこみ、二死から一挙に大量7点を奪って試合を早々と決める。

さらに2回裏、山田がセンター前ヒットで出塁し、すかさず盗塁に成功。続く馬渕がタイムリーで8点目と効率の良い攻撃。3回裏は森下の代打田中が、ライトへ特大のソロホームラン! 田中はうれしいリーグ戦初のホームランとなり、さらに1点を追加して9点目。4回裏には杉山のあわやホームランかと思わせるフェンス直撃の二塁打の後、濱本がセンター前ヒットで二桁得点となる10点目。

試合の体勢を決めた藤本監督は、6回以降、山田、馬渕、杉山にそれぞれ袴田、浅見、栗原を代打に送って若手にチャンスを与える。守備においても、4回から一塁に田中、キャッチャー鮫島、5回からはレフト濱本、二塁に栗原、ショート溝江、7回はセンター濱本、レフト袴田と、将来のチームフォーメーションを試すかのように守備変更。

大量点をもらった瀬川は6回表、センター前ヒットの後、不運なレフト線イレギュラー二塁打により1点を失うが、最終回はキッチリ三者凡退で余裕の4安打完投。終わってみれば、元の守備にいたのは、瀬川と杉山のみと将来の新しい日立ソフトウェアチームを垣間見た気がする。

[撮影]柴田 兼一
濱本、先制の3点タイムリー二塁打!!

[撮影]柴田 兼一
田中、リーグ戦初ホーマーでナインの祝福を受ける

先発オーダー

先発オーダー
1 2 3 4 5 6 7 8 9
(遊)  
西山
二  
栗原 
(一)  
森下
打一 
田中
(中)  
山田
打左 
袴田
(左)DP 
馬渕
打  
浅見
(右)  
杉山
打  
菅原茜
(DP)左中
濱本
 

(捕)  
鈴木
捕  
鮫島
(三)  
来條
三  
(二)遊 
溝江
 

対 トヨタ自動車戦(10月12日 日立ソフトウェア14勝3敗)

延長での粘りを見せるものの、立て続けの拙攻が響き、手痛い取りこぼし

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
トヨタ自動車 0 0 0 0 1 0 0 2 1 1 5
日立ソフトウェア 1 0 0 0 0 0 0 2 1 0 4
  • 【バッテリー】★藤原(9勝1敗)−鈴木
  • 【二塁打】溝江(5回),山田(6回)

試合レポート

定石以外の攻めを見せたとき、うまく行けば積極的な攻め、失敗すると無謀な攻め、と言われる場合があるが、今日の試合はその両方が出てしまう。さらに、調子を落としている選手に再三のチャンスが廻るという巡り合わせの悪さも手伝う。まずは初回裏、先頭の西山が四球を選んで出塁。相手の新人投手が制球に苦しむ中、通常なら送りバントのケースで森下にエンドランを敢行。これが併殺打となり一気にチャンスをつぶす。しかし、続く山田が四球で出塁すると、馬渕が深い守りの左翼手の前に落とすヒット。レフトが油断して内野手への送球が遅れるのを見た三塁コーチャーは、山田にホームへの突入を指示。山田が俊足を飛ばして一気にホームを陥れ、相手の隙を付く見事な攻めで早々と1点を先行する。

しかし、その後、5回まで再三得点圏に走者を進めて追加点のチャンスを作るものの、往々にしてバッティングの調子を落としている選手に打順が廻るもので、まったく決定打が出ない。特に相手投手のチェンジアップに初球から慌てて手を出すなど、チェンジアップを狙うのかストレートを狙うのかの打者の意図が見えないバッティングが続く。

一方、先発の藤原は4回までランナーは出すものの要所を締めるピッチング。しかし、5回表、先頭打者に左中間を破られる二塁打を喫し、さらに続く打者に内野安打を許すと、さらに四球を与えて無死満塁の大ピンチを招く。ここで1番打者にセンターへの大きな当たりを許して同点にされ、さらに一、三塁。しかし、続く打者のエンドランを自身がホームで刺すなど、大きなピンチを最小失点で切り抜ける。

同点にされ、なんとか突き放したい打線は6回裏、先頭の山田が右中間二塁打で出塁。続く馬渕はレフトへの痛烈なヒット。この打球で三塁コーチャーは山田へのホーム突入を指示。これは、あきらかな無謀な走塁となり山田はホームでタッチアウト。さらに続く杉山が一塁ゴロで倒れると、馬渕が三塁を狙ってこれもタッチアウト。焦りなのからか、大きなチャンスを無謀な攻めで、自らあっという間に潰してしまう。

試合は結局タイブレークに突入。延長8回表、後半になってボールが先行するようになった藤原が、タイブレークランナーを置いて3番クーパーに右中間への2ランを喫して手痛い2点を奪われる。しかし、その裏、先頭の西山がセンター前ヒットを放ち一、三塁。森下の代打林の内野ゴロで一死二、三塁とすると、山田がセンター前に起死回生の2点タイムリー!! 一気に同点とし、さらに馬渕が四球で続いてサヨナラチャンスを演出するものの、その後が続かない。

延長9回表、相手にタイムリーで1点を取られるが、その裏、タイブレークランナーを三塁に進めて来條がエンドランを決め、またまた試合を振り出しに戻す。しかし、延長10回表、相手にレフトへの犠牲フライで1点を取られる。その裏、タイブレークランナーを西山が確実に三塁に進めて同じ形を作るが、森下がエンドランを空振り。飛び出した三塁ランナーが刺されて万事休す。延長で粘るものの、初回から所々に飛び出す拙攻が響き、自滅パターンでの敗戦となり手痛い取りこぼし。藤原は今シーズン初の黒星となった。

[撮影]新留 幸一
初回裏、馬渕、レフトへのタイムリー! 
相手の隙を付き山田が一気にホームを陥れる

[撮影]新留 幸一
延長8回裏、山田、起死回生の2点タイムリー!!
西山が生還し試合を振り出しに戻す

先発オーダー

先発オーダー
1 2 3 4 5 6 7 8 9
(遊)
西山
 
(一)
森下
打 林 
(中)
山田
 
(左)
馬渕
 
(右)
杉山
 
(DP)
濱本
 
(捕)
鈴木
 
(三)
来條
打 田中
(ニ)
溝江
 

対 豊田自動織機戦(10月13日 日立ソフトウェア15勝3敗)

山田、先制打! 鈴木、中押し、濱本、ダメ押しの2点タイムリー! 藤原、瀬川2安打完封リレー

試合結果
チーム名 1 2 3 4 5 6 7
日立ソフトウェア 1 0 3 0 0 2 0 6
豊田自動織機 0 0 0 0 0 0 0 0
  • 【バッテリー】☆藤原(5回:10勝1敗),瀬川(2回)−鈴木
  • 【三塁打】西山(1回) 【二塁打】山田(6回),濱本(6回)
  • 【盗塁】馬渕(6回)

試合レポート

前日の自滅パターンでの敗戦から一夜明けた豊田自動織機戦。この日の打線は前日とは打って変わり、ボール球をしっかりと見極め、初回から相手エースM・スミスに襲いかかる。まずは先頭の西山がいきなりのライトオーバー三塁打でチャンスを作る。続く森下は三振に倒れるものの、山田がショート強襲ヒットを放って早くも先制。さらに濱本のヒットなどで二死満塁とするが、ここは鈴木が三球三振に倒れて追加点ならず。

しかし、3回表、一死から馬渕がセンター前で出塁。濱本、杉山がボールをよく選び、連続四球で満塁とすると、先の満塁チャンスで三振に倒れた鈴木が、レフト線にしぶとく落とす2点タイムリー! 二死後、溝江の死球でまた満塁にすると、西山がセンター前に弾き返してさらに1点。鈴木の代走の栗原もホームに突っ込むが、ここは惜しくもタッチアウト。しかしこの回、スミスから一気に3点を奪う。

6回表、二死後、代わった二番手の宮本から山田がセンターへの二塁打を放って出塁。馬渕も内野安打で続き、すかさず盗塁を決めて二、三塁とすると、この試合5番に入った濱本が、セカンド右を抜け右中間へ痛烈に転がるダメ押しの2点タイムリー。二死走者無しからクリーンナップで2点を奪う効率の良さ。

一方、先発の藤原は2回表、先頭打者を四球で歩かせ、ライト前ヒットなどで一死一、三塁の同点ピンチを迎える。しかし、相手のスクイズを自ら処理し、ホームで走者をアウトにしてピンチを脱すると、緩急を織り交ぜたピッチングで5回までわずか2安打に抑える安定した投球。前日、コントロールに苦しんだ投球内容から一転して復調。6回から代わった瀬川もストライク先行のスピードボールで相手を詰まらせ、2回をパーフェクトリリーフ。内外野も好守備が飛び出し、昨日とは好対照の試合運びで快勝した。

[撮影]新留 幸一
鈴木、満塁でレフト線に落とす中押しの2点タイムリー!

[撮影]柴田 兼一
濱本、痛烈な当たりのダメ押し2点タイムリー!

先発オーダー

先発オーダー
1 2 3 4 5 6 7 8 9
(遊)
西山
 
(一)
森下
打 田中
(中)
山田
 
(左)
馬渕
 
(DP)
濱本
 
(右)
杉山
打 鮫島
(捕)
鈴木
走 栗原
(三)
来條
打三 林
(ニ)
溝江
打 袴田

記録&記事:奥田 透,桐越 信一