日立AirLocationII システムは、位置検出サーバ、同期マスター基地局M-AP(Master Access Point)、センサ基地局S-AP(Sensor Access Point)、IPフォン等の汎用無線LAN端末から構成されます。S-APは、端末からの信号の受信タイミング測定に使用します。M-APは端末に対してネットワークサービスを提供する他、S-AP同士のクロック誤差の測定に用いられる同期信号を提供します。
日立AirLocationII のシステム構成
続いて位置検出の概要について述べます。
各S-APの座標をp1, p2, ..., pnとし、それぞれのS-APが端末からの測位信号を受信した時刻をt1, t2, ..., tn
(S-AP間のクロック誤差補正済み) とすると、
端末位置pは、数式
によって示される二乗誤差E(p,δ) を最小とする座標点として求められます。
ただし、cは電波伝搬速度、wiは非負の重み付け係数、
tbはt1, t2, ..., tnのうち基準として適当な一つ、
δは基準のクロック誤差、||x||はベクトルxの大きさとします。
ここで無線LAN環境において端末の位置を正確に求めるために以下の2つの技術が重要です。
1.は屋内等のマルチパス環境において直接波を検出し受信時刻を正確に測定する技術です。
2.は各受信時刻測定に基づく無線LAN測位を成立させるために各時刻基準を一致させる技術です。
いずれも日立が世界に先駆けて特許出願している独自技術です。
受信強度は伝搬環境の変化に影響されやすく、基本的に移動体の位置検出には向いていません。この欠点を事前学習を重ねることによって性能の向上をねらったものも見受けられますが、導入時、その分のコストを伴います。
また、広いエリアをカバーすることにも向いていません。なぜなら、受信強度は距離の二乗もしくはそれ以上に比例して減衰し、伝搬距離の増加に伴い位置検知分解能が劣化するからです。
日立AirLocationIIは、TOA方式を採用しているので伝搬環境の変化に強く、移動体の位置検出の際にも事前学習が不要です。さらに、基本的に伝搬距離の増加による位置検知分解能が劣化がないため受信強度ベースのシステムに比べ少ない基地局数でエリアをカバーすることが可能です。
日立AirLocationII は潜在的にGPSの10倍の位置検出精度を得ることが可能です。これは無線LAN信号の周波数帯域幅がGPS信号の10倍あるからです。さらに、この広帯域な周波数は本来の高速無線通信として利用できるので、高精度な位置検出結果を伝達して様々に活用する位置情報システムの構築に有利です。