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日立のユニバーサルデザイン

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[UDコラム]ヨッシー&レイコの「きいてナットク」

第1回:ヨッシー、ルワンダに行く(1)

[イメージ]解説する博士

これまで親しんでいただいていた「ヨッシー&レイコのこれってどうなの?」は模様替えをして、今回から「ヨッシー&レイコのきいてナットク!」というタイトルでお届けいたします。今までと同じように、ユニバーサル・デザインについてさまざまな会話が交わされます。また、ものづくりやまちづくりでのいろいろな努力も紹介していきたいと思います。

第1回は、ヨッシーがルワンダに行った話です。アフリカには大地溝帯という大地の裂け目のようなところがありますが、ルワンダはその大地溝帯に沿ったアフリカ中部の国です。ルワンダでは、1994年に民族対立で大虐殺が起こりました。それに内戦もあって、障がいのある人がたくさんいます。

日本のJICA(ジャイカ:国際協力機構)はこのルワンダで、元戦闘員で障がいのある人たちに職業訓練を受けてもらい、仕事ができるようにするというプロジェクトをやっていますが、そういった障がいのある人を迎え入れるためには職業訓練校を改造しなければなりません。そこでどう改造したらその人たちが勉強できるようになるかを指導するためにルワンダに行くことになったわけです。

[図]ルワンダの地図
(図1)ルワンダの地図

ナットクトーク

[イメージ]レイコ

ヨッシー、ルワンダに行ってきたんですって?何をしていたの?

[イメージ]ヨッシー

ルワンダは四国くらいの大きさの国で、JICAの事務所のある首都キガリはその真ん中あたりにある。 2週間、といっても行き帰りに4日かかるので実質は10日間くらいだったけど、 その間は毎日のように車で北に行ったり南に行ったりして職業訓練校の改修について関わっていたんだ。 それから現地の人にセミナーを開いたり。

[写真]職業訓練学校
(写真1)職業訓練校の1つ

[イメージ]レイコ

アフリカだから暑かったでしょう?ヨッシーは暑いのは苦手だと言っていたから大変だったと思うわ。

[イメージ]ヨッシー

それがね、高地なので涼しくて、乾燥しているし、とても快適だったんだ。ルワンダは「千の丘の国」といわれるくらい起伏の多いところで、とても景色のいいところだよ。 でも平地があまりないので車いすではとても動きにくいところだった。

[写真]なだらかな丘が続いている。
(写真2)千の丘の国

[イメージ]レイコ

「千の丘の国」か、何かロマンチックね。

[イメージ]ヨッシー

そう思う?現実はそう甘くなかったよ。車いすで使えるトイレは本当に限られているから、私を受け入れたJICAの人は、車いすで使えるトイレやレストランやホテルを探すのが大変 だったそうだ。

[イメージ]レイコ

ヨッシーはいつもトイレにとても関心が高いけど現地のJICAの人たちも相当気を使った感じね。じゃあ職業訓練校の改修でもトイレが重要になるわけね。

[イメージ]ヨッシー

さすがにレイコさんだ。その通り。職業訓練校のトイレは伝統的なしゃがみ式なんだけど、義足の人たちが使うには腰掛式の便器がいいんだ。だけど水不足で水洗にはなかなかで きない。だから汲み取り式のトイレの上に水洗式の腰掛式の便器を置いているんだ。

[写真]壁が土でできたトイレ。トイレの外にボトルがぶらさがっている。
(写真3)職業訓練校のトイレの1つ

[イメージ]レイコ

それで大丈夫なの?

[イメージ]ヨッシー

水洗式の腰掛便器の内部はトラップといって排水管がわざとぐにゃぐにゃ曲げてあって、下から臭いや虫が上がってこないように水がたまるようになっているんだ。だからそこに 水をためておけば、あんがい臭いなんかは上がってこない。でもとにかく水が貴重なので、終わった後は手桶で水を流すんだけど、普通の水洗のようにきれいには流れない。そしてその流す水さえももったいないので、せっかく作っても使われていないところもあって、とても残念だった。

[イメージ]レイコ

じゃあ水を確保するところから始めないといけないわけね。

[イメージ]ヨッシー

そうなんだ。日本のように社会基盤ができている国だと簡単にできることでも、そうはいかない。社会全体の底上げができないとちょっとしたこともできないんだ。このあたりが途上国の難しさだと思うね。

[イメージ]レイコ

なるほどね、そうなんだ。そんな難しい中でヨッシーは奮闘してきたというわけね。で、成果は?

[イメージ]ヨッシー

ウヘッ! ずいぶん厳しい質問だなあ。もちろんちゃんとやりましたよ。でもそこにずっと駐在しているJICAの人たちが大変だよね。そもそも障がいのある人が使えるようにするということについて、なぜそうしなければならないのかから理解してもらう必要があるからね。それに・・・。

[イメージ]レイコ

え?どうしたの、急に黙って。何だか顔色が悪いし、汗をかいているの?

[イメージ]ヨッシー

ああ、あの、トイレの話ばかりやっていたら、何だか行きたくなってきた。あああ、我慢できない!もう行かなくっちゃ。この続きはまたね。

まとめ

ヨッシーは前を押さえてあわてて出て行ってしまいました。それにしても彼は、コラムが模様替えしてもやっぱりトイレですね。続きは次回に聞くことにしましょう。

ヨッシーが行ったルワンダは、安定した国の体制ができてまだ日が浅く、一生懸命国づくりをしている最中です。 幸い経済は順調に伸びていますが、産業がまだ発達していませんし、水や電気などもまだこれからという状態で、JICAではヨッシーが関わった職業訓練だけでなく、ルワンダの社会基盤整備 に力を入れています。 周辺の国はまだ政治的に不安定なところが多いのですが、ルワンダは治安も回復してきており、国際的な援助を受け入れやすい環境にあります。

人びとはまじめで、恥ずかしがりやで、どうしてここであんな大虐殺が起こったのか信じられないほどですが、まだ18年前のことで、人びとの心の中には大きな傷が残っていることでしょう。 ルワンダに訪れた平和が周りの国々にも広がり、人びとが安心して暮らせる社会になることを祈らずにはいられません。

ヨッシーが関わったプロジェクトは、正式名称を「障害を持つ元戦闘員と障害者の社会復帰のための技能訓練及び就労支援プロジェクト」と言います。このプロジェクトのニューズレター2011年 8月号には、ヨッシーの活動の様子が報告されています。http://www.jica.go.jp/project/rwanda/003/index.html(外部サイトへ遷移します)

[イメージ]マントをひるがえし飛び去る博士

登場人物

[イメージ]ヨッシー

ヨッシー・・・川内美彦(かわうちよしひこ)

アクセス・コンサルタントとして、だれにも使いやすく、安全な建物やまちづくりに向けて活動している一級建築士、工学博士。

主な著書

  • 「ユニバーサル・デザインの仕組みをつくる」 スパイラルアップを実現するために(学芸出版)
  • 「ユニバーサル・デザイン」 バリアフリーへの問いかけ(学芸出版)

[イメージ]レイコ

レイコ・・・田中玲子(たなかれいこ)

先天性網膜色素変性症で視力を失う。三児の母として育児、また、声楽家としてメッセージライブを行うなど、精力的に活動中。

[イメージ]カリン

カリン・・・松森果林(まつもりかりん)

小学4年から高校時代にかけて聴力を失う。子育てのかたわら執筆活動や大学非常勤講師、企業の商品企画顧問など、聴覚障がいの立場で活動中。

主な著書

  • 「星の音が聴こえますか」(筑摩書房)
  • 「ゆうことカリンのバリアフリー・コミュニケーション」(小学館)

[イメージ]博士

博士

問題の出題と解説をします。

これってどうなの?

2008年2月にスタートした「ヨッシー&レイコのこれってどうなの?」を掲載しています。過去のクイズにもぜひ挑戦してみてください。

ふたりの過去の連載コラム

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