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企業情報サステナビリティ

日立が事業戦略で貢献する5つの目標は、社会イノベーション事業の注力4事業分野「電力・エネルギー」「産業・流通・水」「アーバン」「金融・公共・ヘルスケア」に密接に関連しています。それぞれの目標達成に向けて取り組むことは日立にとってのビジネス機会であると同時に、事業を通じて社会的価値を生み出すことでもあります。このセクションでは、各目標について今、世界で何が起きているのか、目標達成に向け私たちが担うべき社会イノベーション事業の役割とは何なのか、そして製品やサービスの提供を通して何ができるのかについてご紹介します。

お客様との協創によるイノベーション9 産業と技術革新の基盤をつくろう

目標9:強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る*

  • * 目標の日本語訳は国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所による(以下同)
世界で起きていること

環境保護、経済発展、社会的安定を推進させる主軸となるのが、持続可能な産業の発展です。効率性を高めてエネルギー消費量を削減した産業やサービスは、資源への依存度を下げ、環境への影響を最小化することができます。強靭なインフラネットワークの構築は、資材や労働力の可動性を高め、公平な富の分配と社会流動性の促進に貢献します。

グローバルにおける産業用IoT市場規模
日立が貢献しうる市場(2016年)は1,000億ドル、グローバル市場(2030年)は1兆5,000億ドルとなります。

出典:Grand View Research

日立がめざす姿

目標9の達成に向けては、さまざまな産業分野においてかつてないスピードでデジタライゼーションの進展がみられ、全世界にポジティブな影響を与えています。IoT(Internet of Things)、ビッグデータ、AI(人工知能)を活用して、産業界はさらに効率性を高め、持続可能なものへと変貌を遂げつつあります。
日立は、OTとITの融合により、End to Endのバリューチェーン全体の情報を見える化・共有し、設計から調達・製造・流通・販売・物流・保守に至るまで、これまでの個別最適化ではなく全体最適化を実現します。

日立の取り組み

日立はOTとITを兼ね備えた数少ないグローバル企業の一つです。日立自身が製造業として、またお客様のニーズに応えて磨いてきた現場を動かすOT、データを分析・活用して経営を支援するIT、そしてこれらを支えるプロダクトを強みに、IoTプラットフォームLumadaをコアにしたデジタルソリューションを提供し、お客様の直面する課題解決と競争力向上に貢献しています。
日立はさらなる価値を創造するIoT時代のイノベーションパートナーとして、幅広いお客様との協創により、お客様とともに成長していくことをめざしています。

事業事例

IoTを活用したスマートマニュファクチャリング

背景

空調機器のグローバルリーディングカンパニーであるダイキンは、国・地域をまたいだ生産性や品質のさらなる向上、熟練技能の伝承を重要課題と位置づけてきました。特に、空調機器内部には、冷媒が通る銅管が詰まっており、熱に弱い銅管を接続するにはろう付けと呼ばれる技能が必要ですが、テキストや実技だけでは伝わらない要素も多く、効率的な技能伝承が困難でした。そこで日立は、Lumadaを活用し熟練技術者と訓練者の技能をMan(人)・Machine(設備)・Material(材料)という3Mの観点から定量的に評価できる、ろう付け技能訓練支援システムを開発しました。このシステムは、2017年10月にダイキンの滋賀製作所ですでに運用開始され、今後ほかの国内拠点や海外拠点でも順次展開する予定です。

事業インパクト

  • 熟練技術者の作業をデータとして収集し、訓練者の作業と比較することで訓練者の改善点の把握を実現
  • これまで難しいと思われてきた分野において、効率的な技能取得が可能となり、訓練時間の短縮に寄与

誰もが暮らしやすいまちづくり11 住み続けられるまちづくりを

目標11:都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

世界で起きていること

2030年には世界人口の約60%が都市に集中すると予測されています。土地は高騰し、都市部の生活は今まで以上に気候変動や、不充分な都市計画による社会的な影響を受けると考えられています。イノベーションを生み出す場として、また、持続可能な開発のキードライバーとして都市が注目される中、世界各地の都市空間をすべての人にとって安全で暮らしやすく、また、レジリエントなものにするため、効果的な取り組みが求められています。

スマートシティ市場規模
スマートシティ市場規模は、日立が貢献しうる市場(2017年)は1兆1,000億ドル、グローバル市場(2030年)は2兆8,000億ドルとなります。

出典:Frost & Sullivan

日立がめざす姿

私たちは、快適なまちづくりを進めることで、そこに住み、働く人々にとって理想的な環境を提供することをめざしています。日立は、スマートシティ・イニシアティブを通じて、都市化がもたらすさまざまな課題の緩和、コスト削減、資源依存の軽減を支援していきます。こうした取り組みは経済面や環境面でのメリットにとどまらず、人や社会の安全性や快適性を高めたり、ストレスを軽減したり、余暇をより有意義に過ごせたりするようになるなど、社会面においても大きな効果をもたらします。
こうした中、私たちは、すべての都市の発展にとって、交通システムが大変重要な役割を担うものと考えています。交通システムの革新、コネクティビティの改善により、人々の生活をより豊かにできるものと考えており、その実現に向け、私たちはお客様やパートナーとの協創を推進していきます。

日立の取り組み

鉄道の総合システムインテグレーターとして、日立は先進的な情報技術と制御技術を活用した、安全で信頼性の高い、革新的な鉄道ソリューションを提供することで、人と人をつなぎ、コミュニティの活性化、都市の発展に貢献します。こうしたものには高速車両や無人運転技術、予知保全、ダイナミックヘッドウェイ*ソリューションなどがあります。
また、真に包括的なモビリティシステムの実現に向けて、日立はEV(電気自動車)関連の技術開発にも取り組んでおり、快適な乗り心地、安全性の向上、渋滞の緩和、環境負荷の低減をめざしています。

  • * ダイナミックヘッドウェイ:リアルタイムな旅客需要に応じ列車の運行本数を自動で最適化するソリューション。旅客満足度の向上および省エネやコスト削減を実現します。
事業事例

英国における鉄道システムの更新プロジェクト

背景

英国の都市間高速鉄道計画「IEP」を通じ、日立は従来の車両と比較して旅客輸送能力、信頼性、保守性および環境面で大幅に進化させた新型車両866両を納めています。また、運行時間も短縮され、都市間接続も改善されます。

事業インパクト

  • 地域やまちをつなぐことによる経済効果の創出
  • 環境にやさしくメンテナンス効率の高い鉄道車両
  • サプライチェーンを通じた、英国内における熟練技術者の育成および長期雇用の創出

地域に根ざした水環境ソリューション6 安全な水とトイレを世界中に

目標6:すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

世界で起きていること

水は、人の生存と地球の存続には欠かすことができないものの一つです。水質、水の持続可能性、衛生管理、衛生へのアクセスは、持続可能な発展の中核をなしています。水ストレスは現在、社会に影響を及ぼす5大グローバルリスクの一つとみなされています。9人に1人は安全な水へのアクセスができず、都市化と産業化の進展が水不足を悪化させています。そして、効率的に水と衛生の管理を徹底するには、ステークホルダー全員の協力が不可欠です。

水市場の規模支出額
日立が貢献しうる市場(2017年)は3,000億ドル、グローバル市場(2030年)は1兆2,000億ドルとなります。

出典:Frost & Sullivan

日立がめざす姿

水は人々の社会生活に欠かせないものであり、送配水・水処理・水管理などが重要な役割を果たしています。日立は、上下水道事業体をはじめとして官民と協力して持続可能な水インフラを開発することで、効率的な水運用および水資源の適切な利用を実現し、すべての人々が安全・安心な水にアクセスできるように努めます。

日立の取り組み

日立は長年にわたり、水インフラ事業に取り組んでいます。幅広い実績と最新の技術を用い、水処理施設の監視制御や運転管理などを担うOTと、IoTや解析技術を用いた広域水運用などに代表されるITの両システムを融合して、浄水場、下水処理場および水の再利用設備といった重要インフラ施設を含めた、水環境トータルソリューションを提案します。
世界の国や地域が、それぞれ異なる水問題を抱えている中、日立は、地域のニーズに合わせたソリューションの設計、提供、および有効性の監視を実施していきます。日立の統合システムは、リアルタイムデータを水運用や水処理制御の効率化や最適化などに用いることで、さまざまな課題の解決に貢献していきます。

事業事例

「RemixWater」による水ソリューション事業のグローバル展開

背景

日立の「RemixWater」は、海水淡水化と下水再利用のプロセスを統合した工業用水や生活用水向け(飲料水レベル)の新しい省エネルギー・低環境負荷型の造水システムです。「RemixWater」は2016年、南アフリカ共和国第3の都市ダーバンで工事を開始、事業期間は4年間を予定しています。(NEDO*実証事業)

*
NEDO:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

事業インパクト

  • ポンプ消費電力削減(低下)による省エネルギー化
  • 濃縮水の塩分濃度を下げて環境負荷を軽減
  • 地域の水不足を解消、水不足に苦しむ地域への本格展開

持続可能な社会を支えるエネルギー7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに

目標7:すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

世界で起きていること

エネルギーは現代社会になくてはならないものです。エネルギーは単に技術の発展を促進するというだけではなく、グローバルでのコミュニケーションや、ヘルスケアサービス、輸送システムの相互乗り入れなど私たちの暮らしを支えるサービスを提供してくれます。しかしながら、まだ世界中で10億人もの人々が電気を利用できていないという現実があります。さらに、世界中に供給されるエネルギーの多くは、CO2排出量の多い炭素資源によるものであり、労働力への依存度が高いのが現状です。

世界の再生可能エネルギー投資額
世界の再生可能エネルギー投資額は、日立が貢献しうる市場(2017年)は3,300億ドル、グローバル市場(2030年)は1兆ドルとなります。

出典:国際エネルギー機関(IEA)

日立がめざす姿

日立は、再生可能エネルギーを安定的かつ効率的に供給することが、より豊かで持続可能な未来をつくる上で重要なことの一つであると考えます。
私たちは、エネルギー供給と地球温暖化対策のために、エネルギーバリューチェーンにおけるすべてのお客様との協創によるソリューション提案が有効だと考えています。

日立の取り組み

生産から消費に至るまで、日立はお客様のエネルギーパートナーとなるための取り組みを推進しています。風力、太陽光といった再生可能エネルギーをはじめ、あらゆる資源からクリーンなエネルギーをつくり出し、安定的で持続可能な電力供給を図っています。環境長期目標「日立環境イノベーション2050」の取り組みの一環として、大型の風力発電システムによるCO2排出量の削減、グローバルなエネルギーミックスにおいて再生可能エネルギーの割合の拡大目標達成に貢献します。
また、日立のスマートエネルギーは最新テクノロジーと社会イノベーションを融合したインフラであり、デマンドレスポンスからマイクログリッド、バーチャルパワープラントに至るまで、エネルギーが必要なときに効率的に提供されるような革新的なソリューションを提供します。

事業事例

クリーンな風力発電

背景

日立では、従来の2MWクラス風力発電システムに加えて、2015年に洋上発電所向けの5.2MWの大型ダウンウィンド型風力発電システムを開発しました。また、2016年には翼長を伸ばすことで受風面積を拡大し、年間平均風速7.5m/s未満の低風速地域でも発電量を増加できるHTW5.2-136をラインアップに加えました。これによりお客様の幅広いニーズに対応し、今後も拡大が見込まれる風力発電システム市場で積極的に事業を展開していきます。日本国内では、これまで325基を受注し、198基*が稼働中です。日立は、社会インフラを支える電力システムの提供を通じて、低炭素社会の実現に貢献していきます。

*
2018年6月末現在

事業インパクト

  • 従来機に比べ、受風面積を15%拡大
  • 低炭素発電システムの事業展開
  • 風力発電システム1基につき年間4,837tのCO2排出量削減を実現

新たな価値を生み出す金融サービス9 産業と技術革新の基盤をつくろう

目標9: 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

世界で起きていること

包括的で持続可能な経済成長を達成するには、個人、企業ともそれぞれの目的や状況にあった金融サービスが利用できなければなりません。開発途上国では、口座開設に伴う費用、手続き、銀行までの距離といった理由から従来のサービスを利用できるのは少数の人に限られていましたが、コネクティビティの向上、携帯電話の普及に伴い、より多くの人々が金融サービスを利用できる機会が拡大しつつあります。金融サービスをめぐる環境の変化を踏まえ、誰もが利用しやすく柔軟性の高い革新的なシステムを開発し、新たな課題と技術的進歩に対応していく必要があります。

デジタルファイナンスのGDPへのインパクト
デジタルファイナンスのGDPへのインパクトは、グローバル市場(2017年)は8,600億ドル、グローバル市場(2030年)は9兆2,000億ドルとなります。

出典:Frost & Sullivan

日立がめざす姿

世界経済の急速な変化により、新しい金融サービスが次々と創出されています。FinTechは、デジタルバンキングの未来を塗り替え、金融機関のあり方を変えつつあり、機敏性、柔軟性、拡張性を備えた形態へと進化しています。
金融機関における的確な経営判断と顧客満足度の向上には、デジタル化を加速し、入手した情報を最大限に活用することが求められます。
日立はIoTやAI、ビッグデータ解析といった技術を通して、サービスの差別化や業務上の意思決定の支援など、金融サービスの活性化や高度化を推進します。

日立の取り組み

日立はお客様のインフラの刷新、業務の合理化、生産性の向上を実現します。IoTプラットフォームLumadaにより、時間、エネルギー、コストを削減するオープンイノベーションを推進しています。
日立は、ビッグデータ、AI、ブロックチェーンなどにかかわる技術開発を推進し、FinTechをはじめとする金融イノベーションに積極的に取り組んでいます。Lumadaを活用して、すべての人にとって利用しやすい金融サービスを提供するべく着々と変革を進めています。
お客様との協創は、お客様だけでなくその先の利用者にとっても、より効率的で、コンパクトかつ安全な金融ネットワークを創出します。日立は、今後もFinTechを活用して、世界の金融機関の利用者の利便性を高めることのできる革新的な金融サービスを提供していきます。

事業事例

金融機関との協創によるサービス創出

銀行

AIやビッグデータなどのデジタル技術を活用したサービス

  • 中小企業向けレンディング(資金調達支援)サービスの提供
  • 融資審査サービスの改善
  • 最新ビジネスマッチングサービスに対するPoC*検証
*
PoC:Proof of Conceptの略。新たな概念やアイデア実現の可能性を確かめるために実施する、簡単または部分的な試行

ブロックチェーン分野での取り組み

  • ブロックチェーン技術の利用環境を提供するクラウドサービス
  • サプライチェーン領域におけるブロックチェーン技術の活用に関する共同実証

保険

医療ビッグデータ分析で、生命保険の加入範囲拡大に向けた取り組みを実施

証券

AI適用による証券業務(売買審査、貸株取引)の効率向上

健康で安心して暮らせる社会の実現3 すべての人に健康と福祉を

目標3: あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

世界で起きていること

人々の健康は、豊かで持続可能な社会の基盤となるものです。人間の寿命は世界的に大幅に伸びています。しかし、疾病の根絶をはじめとした、新旧さまざまな保健分野の課題の解決にはさらなる努力が必要です。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)*を達成するには、世界中のすべての人が最高水準のヘルスケアを享受できるようにしていくという、強いコミットメントが必要です。
* ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC):すべての人が生涯を通じて必要なときに基礎的なヘルスケアサービスを負担可能な費用で受けられること

ヘルスケア市場規模
ヘルスケア市場規模は、日立が貢献しうる市場(2017年)は4,300億ドル、グローバル市場(2030年)は5兆4,000億ドルとなります。

出典:Frost & Sullivan

日立がめざす姿

日立は日々の社会におけるさまざまな課題を明らかにし、またこれに取り組むことで、人々のQuality of Lifeの向上をめざしています。この取り組みの中で、ヘルスケアは社会を支える必要不可欠なインフラと位置づけられます。われわれは、世界のすべての人がスマートユニバーサルケアを享受できるような次世代システムを創出し、ヘルスケア分野において大きな変化を起こしていくことが必要だと考えています。
この実現には、ヘルスケアにおける社会イノベーションとデジタル化が鍵となります。デジタル技術、IoT、高度な解析技術の融合は、費用対効果の高い次世代ヘルスケアを支える医療イノベーションをもたらすことができます。

日立の取り組み

日立は、画像診断装置や粒子線治療システムなどの医療機器のほか、ITやAIの技術を活用した医療施設運用システムや電子カルテなど、診療や治療をより有用なものとする製品を提供しています。日立はこれらの分野の取り組みを進めることで治療効果の向上に貢献します。

事業事例

iMRIを使った外科療法効果の改善

背景

日立が開発した術中MRIシステム(iMRI)は、デジタル手術支援ソリューションの中核技術の一つで、手術中に取り残した病変がないか確認ができるようにするものです。ここで用いる永久磁石型オープンMRIは、従来の超電導型高磁場MRIと比べ、ランニングコストを30%削減できるばかりでなく、高画質な撮像ができるという特長があります。その有用性から日立のオープンMRIは広く用いられ、多くの患者が質の高いヘルスケアサービスを受けることができるようになりました。日立はさらなるiMRIの普及をめざし、途上国において医療従事者を対象としたiMRI活用のための運用教育支援も行っています。

事業インパクト

  • iMRIで撮影した高画質画像により脳神経外科手術をサポート、生存率の向上に貢献
  • 低コスト、高効率の手術環境をグローバルに提供